古今和歌集 0971
としをへて すみこしさとを いでていなば いとどふかくさ のとやなりなむ年を経て 住みこし里を 出でていなば いとど深草 野とやなりなむ 在原業平 何年も
古今和歌集 0970
わすれては ゆめかとぞおもふ おもひきや ゆきふみわけて きみをみむとは忘れては 夢かとぞ思ふ 思ひきや 雪踏みわけて 君を見むとは...
古今和歌集 0969
いまぞしる くるしきものと ひとまたむ さとをばかれず とふべかりけり今ぞ知る 苦しきものと 人待たむ 里をば離れず とふべかりけり...
古今和歌集 0939
あはれてふ ことこそうたて よのなかを おもひはなれぬ ほだしなりけれあはれてふ ことこそうたて 世の中の 思ひ離れぬ ほだしなりけれ...
古今和歌集 0938
わびぬれば みをうきくさの ねをたえて さそふみづあらば いなむとぞおもふわびぬれば 身をうき草の 根を絶えて さそふ水あらば 去なむとぞ思ふ...
古今和歌集 0923
ぬきみだる ひとこそあるらし しらたまの まなくもちるか そでのせばきにぬき乱る 人こそあるらし 白玉の 間なくも散るか 袖のせばきに...
古今和歌集 0901
よのなかに さらぬわかれの なくもがな ちよもとなげく ひとのこのため世の中に さらぬ別れの なくもがな 千代もと嘆く 人の子のため...
古今和歌集 0884
あかなくに まだきもつきの かくるるか やまのはにげて いれずもあらなむあかなくに まだきも月の 隠るるか 山の端逃げて 入れずもあらなむ...
古今和歌集 0879
おほかたは つきをもめでじ これぞこの つもればひとの おいとなるものおほかたは 月をもめでじ これぞこの 積もれば人の 老いとなるもの...
古今和歌集 0872
あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ...
古今和歌集 0871
おほはらや をしほのやまも けふこそは かみよのことも おもひいづらめ大原や 小塩の山も 今日こそは 神代のことも 思ひ出づらめ...