■星を見よう!
当たり前ですが、占星術は日・月・5惑星と星の配列から占うこと。ですから、これらを知らないことには話が始まりません。こうした天体は自然界を構成する主要メンバーですから、占星術とは自然と深く交わり、自然からいろいろ教わることに他なりません。まず、星と親しみ、星からの声を聴き、自然界とのつながりを強く意識することが大事です。
2020年から2021年と世界的に猛威を振るったコロナウイルスですが、目に見えない自然物のウイルスとも共存していかなければならないことを、私たちは、深く学んだのではないでしょうか? そして、東日本大震災を引き起こした大地震と津波の凄まじさにただ愕然とするばかりでなく、これとて自然のなせる業、これとも人間はつき合っていかなければならないと思ったのではないでしょうか? 人間は間違いなく自然界の一員、この認識こそ占星術の基礎、成立基盤、哲学と言えるでしょう。
ですから、占星術は単なる占いではないのです。人間が自然界の一員であることを否定できる人がいるでしょうか? 人間が自然界の影響を受けないと否定できる人がいるでしょうか? このように、占星術は揺るぎない自然界という基盤の上に立つ占いであり、単なる作り物ではありません。
あなたはどれが北極星か、指し示すことができますか? 今夜の月はどんな形でしょうか? 今、太陽はどの星座にあるでしょうか? 常に天に意識を向けていれば、すぐに回答できる筈です。もし即答できなければ経験不足と認識し、早速、今から天を仰ぎ、太陽を、月を、星を探しましょう。方角を指し示すことはできますか? こうした経験と知識がなければ、あなたの占星術は偽物と言われても仕方がありません。
しかし、初めから経験と知識を持ち合わせている人はいません。誰もが意識を傾け、時間をかけて会得してきたのです。早速、外へ出て天を仰ぎ、意識して星を見ることから始めましょう。
■夕陽を見よう-本当の最初はね
でも、本当のことを言えば、星見は決して簡単ではありません。ですから、それより夕陽を見る方が機会も多く、楽だろうと思いますから、まず、これからにしましょう。
この写真、桜に夕陽です。こうした行楽の折にだって見ることができます。わざわざでなくても良いのです。
季節によって夕陽が沈む時刻や沈む方角が違うことはご存知でしょう。でも、それは実際に見て得た知識でしょうか? 学校のお勉強はそれでも良いでしょうが、占星術をと言う方なら、これはダメです。ちゃんと見なけれりゃ!
できれば見る場所を決め、1年間、継続です。1年と言っても、もちろん、毎日ではありません。1ケ月に1回なら言うことなしで、2ケ月に1回で良いでしょう。ただ、ぼんやりと「ああ、きれいだな」ではいけません。しっかり、意識するのです。
時計を見て、方角を確認、です。沈んだのはあの山のそことか、あの建物のあそことか、そんな程度で結構です。夕陽を見ようと思って見る、しっかり意識して見ることが大事なのです。
やってみると、時刻と沈んで行く場所だけですから、大したことはありません。見終わったら、意識して見た証拠を残しましょう。それは、
①記録すること-年月日、時刻、場所
この3点を記録します。これを1年続ければ、あなたは後輩より1年先に進んでいるだけではなく、世間の人たちが容易に経験できない世界に足を踏み入れたことになります。専門家の世界の一員です。なぜなら、世間の人たちは1年間も意識して夕陽を見るなんて、ないのですから。
少し欲が出て、記録に止まらず進歩したいと思うなら、
黄道と12星座(12宮、12サインではない!) ©(株)浜島書店
②スターチャートへ記入
することです。やり方は簡単。上の図のように太陽位置があらかじめ記されているスターチャートを用意し、そこに見た日付の場所を、この図のように、マークするだけ。ここでは4月20日の位置を赤●でマークしてみました。これを1年続ければ、黄道上を移動する太陽を意識して見たことになります。記録済みのスターチャートは1年の成果の証です。大切に保存しておきましょう。
これをやれば背景の星座もわかるでしょうし、占星術で使っている星座と合わないこともわかることでしょう。「あれっ?」と思ったら、あなたは占星術をちゃんと理解するための入り口に辿り着いたことになります。
次回はさらに夕陽の観察を深化させてみましょう。
福島 憲人(2021.3.14.)