アベノミクス政策が株価の上昇をもたらしているという説があります。本当に両者に因果関係はあるのでしょうか?
日本株はリーマンショック前-米国発世界金融危機前-は外国人投資家に買い支えられややバブル気味でした。
東京の地下もまたミニバブル状態にありました。
『都心の不動産バブル崩壊、地価は最大40%下落も』石澤卓志・みずほ証券チーフ不動産アナリスト東洋経済オンライン2008年09月22日
世界金融危機が顕在化してからは外国人投資家が手元資金を持つために日本株から撤退し、その後低迷が続いていました。
最近の変化を抜粋してみると、QE3への投資家の期待と共に米国の株価が上昇し、QE3実施後は投資家の期待と異なっていたためか再び下落した米国の経緯の次に、安部内閣誕生期待による外国人の日本株購入の流れが見てとれます。
2012年11月14日民主党の野田政権が解散宣言をしてから自民党政権復活の見通しがマスメディアの世論調査で発表されると、電力株中心に日本株は外国人投資家から購入されたようです。
「
日本株2カ月ぶり高値、日米政治期待で輸出、素材に買い-電力連騰
」2012/11/19ブルームバーグ
2012年9月に自民党総裁となった安部総裁は以前から無制限の金融緩和(QE)を日銀に求めると言及していたので、QE3が始まる前にそれに期待し始まると失望した外国人投資家の方々は今度は日本の首相候補のQEに強く期待を込めて日本株に投資した様子です。
アベノミクス相場は日本株を買っている外国人投資家がこの春の日銀総裁人事を見るまでは続くかも知れません。ただ、期待先行型なのでいつ気まぐれが起きるかわからない相場でもありそうです。
その場合損をするのは釣られて相場にのった私達素人というのはいつもの光景なのかもしれません。
しかしこの内閣の海外での評価はとても心配なほど酷評が目立ちます。
『
日本の危険な内閣
』 The Economist(日経オンライン)
経済指標でも少し心配な動きも見られます。日本の財政は大丈夫なのでしょうか。
追記:株式とはそもそも金融緩和待ちをする場所ではなく企業が活動するために投資資金を集める場所であったと思います。
株価が政府の意向を強く汲まされた中央銀行の動向で決まるのはとても異常な現象ではないでしょうか。
国民の経済厚生が上がらずに株や土地価格が上昇するだけなら、しないほうが良いはずです。金融緩和が過去に日本国民の経済厚生の改善に役に立ったかどうかは実証が弱いと思います。実質の雇用者報酬は減少したのは前のエントリーで見た通りです。
株価、土地、現物の相場が上がれば良いという人達だけが儲かるだけであれば、金融緩和は害です。価格の歪んだ形成はきっと将来不具合を起こすと思います。