での記事なのですが、本当に、オシム監督就任会見の際に、下記のように、
オシム氏が会見を早く打ち切る意思を示されたのでしょうか。 いつか、オシム氏に
質問できる機会ができたのであれば、私はこの点を確認してみたい。
以下の文章は増島みどりさんのmasujimastadium から引用しました。
インタビュー内容の後に記載されたコラムです。
ここより引用
「最初の采配」
会見は午後5時から少し遅れて始まった。予定では1時間半
取られていた会見の途中、オシム監督はテーブルの下で
バッテンマークを出し、さらにタイムのポーズを作っていた
という(自分の席からは前が見えなかった)。 テーブルの
下のバッテンマークは、右隣にいた川淵三郎キャプテンに、
そして、タイムの合図は司会を務めていた手嶋秀人広報部長に、
それぞれ送られたのだと、会見を終えた川淵キャプテンが
説明した。
会見を早く終らせてほしい、そういう意味だったのだ、と。
記者会見での最初の質問は「今回のW杯ドイツ大会で
失望したことについて、改めてコメントを」というものだった。
質問には問題はない。しかし、オシム監督には問題だった
ようである。一応の受け答えをしたあと、キャプテンに向かった。
「なぜこの場で、失望した、ということから話を始めなくては
ならないのだろう」。小さく、そうつぶやいた。 続く質問には
さらに腹を立てたという。
「日本はトルシエ監督から4年間、進歩しなかった。
どうやって2010年を目指すのか」
ジーコ前監督の4年に対して「全く進歩がなかった」という記者の
質問に「そんな比較はない」と言ったあと、ブロックサインが
飛び交ったようだ。
この時、顔が赤くなったのは遠くからもわかったが、カメラの
フラッシュで暑いのだろうと思っていたのだが。
会見は1時間半予定されていたが、
オシム氏の、スマートだが強い意思表示によって、
40分程度で終ることになる。
会見後、川淵キャプテンは、オシム監督と交わした
言葉を代弁して説明した。「国民全体を代表しているとでも思って、
あんな質問をするのか。そんな間違った考えでの(失礼な)質問など、
私は不愉快だ。まるで日本代表チームがどうしようもない状態に
あるかのような、そんな単純な言い方はされたくない」と、
川淵キャプテンには打ち明けたという。 進歩がなかった、と簡単に
言う前に、世界のサッカーの進歩、ひとつの国がW杯に常に出場し、
予選を突破するコンスタントな力を持つことがどれだけ困難か。
それを本当の意味でどこまで理解しているのか。失望というのなら、
失望する前提となる希望が何を根拠にしていたのかを明らかにせよ。
この日、オシム監督が見せた「初采配」は、選手に対するものでは
なかった。ひとつはメディアに、そしてもうひとつはともに会見に
挑んだキャプテン、反町五輪監督、関係者に、さり気なく、
しかし断固たる姿勢でふるったものだったように見える。
そしてもしかすると、この采配を注意深く見つめて考えることが、
ピッチにつながるものかもしれない。
キャプテンは、「オシム監督なら会見など何でもないと思って
いたんだが、とても緊張していたそうです」と話す。
じつに20年ぶりの、一度は自らそこを去らなくてはならなかった、
代表監督の座。再び戻ったその席は、特別な感慨があったに
違いない。
オシム監督はそこで、サッカーへの深い「畏敬の念」を表現したように
見えた。
ジーコ監督が、選手としての百戦錬磨から「自信」を強調したとすれば、
65歳の百戦錬磨の指導者は好対照である。 その「畏れ」を、
とりわけメディアには強く求めたのだろう。「監督が」何か特別な
手腕によって代表を激変させてくれる、あるいは、前の監督と比較して
どれほど違うのか、常にこういったことを人に答えさせるメディアに対して、
まずは記者たちも熟考し、日本の位置を正確に認識しなくてはならない、
という、厳しい戒めだったのだと思う。
語録を期待した記者たちこそ、失望したんじゃないか、とチクリと言ったという。
24日には、五輪を含めたスタッフ全員が顔合わせをする。22、23日も、
Jリーグの視察をする。注目の「初代表」は、下旬の発表になる見込み。ここで引用終わり
他のサイトの就任会見の中身を見る限り、オシム氏がこのように感情的に憤る理由は
ないように思うし、(この質問をジーコ監督が受ければ憤るだろうけれどもだろうけれども)
読んだ当時、非常な違和感を感じました。
ただ、著名なジャーナリストの方のコラムなので、客観的な裏づけでオシム氏の心の中
の感情を明確に代弁しているのだと信じたいです。
オシム氏が小声でつぶやいたのがどの言語であったとしても。