東日本大震災では、液状化による地盤沈下が大きな問題となりました。家が不同沈下してしまうと、補修には多額の費用を要します。液状化現象が発生した地盤、しなかった地盤、茨城県の例で、ご紹介したいと思います。 左の図は、柱状図と言いまして、地盤のボーリング結果です。左側の地盤は、茨城県潮来市で、液状化した地盤です。右側は、茨城県神栖市で、液状化が起きなかった地盤です。左と右で、大きく異なるのは、地表面近くの表層部の土質です。左側は、地表面から4mの深さまで、中砂(中砂とは中粒の砂です)で、その下は、シルト質粘土、地下水位は1mの位置です。右側は、地表面から6mの深さまでシルト質粘土で、その下は固い細砂層、地下水位は0.5mです。 今回の地震で、液状化現象が発生したのは、左側の地盤の表層部にある深さ4mの中砂層でした。
液状化現象は、砂層で、地下水位が高いと発生しやすいと言われています。理由は、砂の粒が地震力で揺らされ、間隙が縮小、間隙間の水圧が上昇、そして、つながっていた砂の粒子が外れ、液状化してしまうことです。 通常、戸建を建設する場合には、地盤調査としてスウェーデン式サウンディング(SWS)試験を行います。SWS試験結果からは、地盤の強さはある程度分かりますが、それぞれの地層からのサンプルが採取できないので、地層の詳細確認は出来ません。本来ならボーリング調査をした方が良いのですが、お金がかかってしまいます。 それでは、SWS試験だけで、どのように自分の家を守ったら良いのでしょう?地盤が液状化の可能性が高いのか、これを知るには、地盤調査結果について地盤調査会社によく聞いてみる事、役所に行って、ハザードマップで確認すること、そして、周りの家の状態を良く見ること、これらの方法で情報を集めることです。
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところはキッチンシンクで、左側に水栓、向こう側に立ち上がりがあって、その上はキッチンカウンターとなっています。ご覧になって頂きたいのは、白い矢印の先です。ここはキッチン立ち上がりのパネルとカウンターの隙間となります。
ここが何か問題ですか?と感じるでしょうが、ここに隙間があると、キッチンで水が撥ねた場合に、この隙間から水が入っていく可能性があります。ここから水が入ったら、中でかびるだけです。写真の場合でも、隙間は狭いですが、ここは水を良く使うところなので、やはり、この隙間も水が入らないように、シール材で埋めておいた方が良いでしょう。(3724)
写真は、一戸建ての内覧会で撮りました。写した部分は、脚立に上って、天井とレンジフード上部の間です。よくご覧頂くと、天井に四角い穴が開けられているのがわかります。この穴は、レンジフードからの排気ダクトを天井のここから抜こうと思って、開けたものと思います。でも、実際は、壁から抜くことになって、この穴は不要になったのでしょう。まさに、開いた口がふさがらない!です。
不要になったら、この天井に開けた穴はふさいでもらわないと困ります。この穴は、普通にキッチンに立っても見ることはできません。脚立に上がって、レンジフードの上部を覗き込めばわかります。こういうのを見てしまうと、床下とか天井裏とか、見えない部分の仕上がりが気になってきます。
建物で見えるところも大事ですが、断熱材、防水、電気や給排水など、見えないところも更に重要です。見えないところの不具合が出ないようにするためには、検査体制がしっかりとしている会社を選ぶしかないと思います。(23)
ある日、マンションの内覧会に同行させて頂いた方から、写真付きでメールが届きました。そこには、「快適な生活をしています。近々、1年目点検があるので、ご相談致します。それは、お風呂のフタについてです。実は、お風呂に入る際、フタの置き場に困っているのです。風呂場には石鹸などを置く棚が作られていますが、その棚が、あと4cm高ければ、その下にすっぽりと収まるのです。設計ミスとしか考えられないのですが、いかがでしょうか…」という内容でした。この状態が、左の写真です。確かに、この棚の下に、お風呂のフタが収まれば、具合は良いです。もし、この棚を4cm上げた場合、フタの収まりは良くなりますが、問題は、現在付いている棚を取り付けるためのビス穴の処理です。壁パネルは上面が鋼製で裏側に断熱材を貼っています。お風呂ですから、壁にも湯水がかかります。このパネルに既に穴が既に開いてますので、その処理が必要となるわけです。現場で穴を空けられるか、という点もあります。これらの点を売主と協議し、結論として、現状で我慢となりました。
あまり気づかない点ですが、お風呂に入っている時に、お風呂のフタをどこに置いておくか、ということも大事です。お風呂のフタには、写真のようなクルクル式とパネル式とがあります。パネル式の場合は、お風呂に入っている際に、立てかけておくスペースが取られています。でも、クルクル式の場合には、お風呂に入っている時に、フタを置いておくスペースが確保されていないケースが多いです。マイホームを購入する際には、このような点もチェックしてみて下さい。
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この笠木は、モルタル仕上げの上を吹き付けタイルで仕上げてあります。下地のモルタルにブツブツがあるので、その上に塗装をしても、このようになってしまいます。青い付箋は直すように指示したので、貼ってあります。