写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところはベランダの一番端の部分です。ここには上から2本のパイプが来ています。向かって右側の塩ビのパイプは雨水を流すための樋で、左のパイプは、給湯タンクの排水用のパイプです。給湯タンクからのパイプはお湯が流れるので、鋳物になっています。
ご覧になって頂きたいのは、白い矢印で示した箇所です。2本のパイプは排水用のためですから、ベランダの床を貫通しています。貫通孔が見えますが、パイプの周りが埋められていません。この状態では、雨が降ればここから流れて行きますし、物が落ちることもあるでしょう。また、地震が来たら揺れてしまいます。そのような理由で、コーキングで周りを塞いでおかないといけません。写真の例では売主のウッカリミスですが、極めて稀ですが、このようなこともあります。内覧会では、ベランダも隅から隅までよく見て、腑に落ちない点があれば売主に訊ねて下さい。(4615)
左の図は、マンションの手すりの下地の位置図です。一般的に、エアコンと手すりの設置位置図は、引き渡し時に、売主から渡されます。でも、内覧会の時点で入手することも出来ます。
エアコンや手すりは、かなりの荷重がかかるので、表面の石膏ボード(厚さ12㎜)の下に、厚さ10㎜程の合板などを下地として入れてあります。ですので、この位置に、エアコンや手すりを設置しないと、将来、エアコンが落下したり、手すりが外れたりすることもあります。
例えば、手すりを取り付ける場合には、図に示された位置内に、壁から下地に届くように、ビスの長さは12㎜+10㎜で、25㎜前後のものを使えば、しっかりと取付けることが出来ます。手すりは、年齢と共に、非常に大事になって来るので、この位置図を大切に保管しておくのが良いと思います。マンションの内覧会もしくは戸建ての内覧会に行きましたら、エアコンと手すりの下地位置の図面は、必ず入手しておくことが大事となります。
写真はマンションの内覧会で撮りました。写したところは、洋室の天井の点検口を開けて、エアコンの先行配管部分です。塩ビのパイプにエアコンのケーブルや冷媒管が先行して設置されています。ここで、ご覧頂きたいのは、黄色の矢印で指したところです。よく見ると、ケーブルに少しキズが入っているのが分かります。写真ではケーブルと塩ビ管は接していませんが、これは接していたものを写真を撮るために離しました。
このキズは、ケーブルや冷媒管の設置時に、塩ビのパイプのカット面にこすられたからです。今後、エアコンを設置する際にも、この部分はこすられる可能性があります。また、建物は地震が来れば揺れますので、このような電気のケーブルが接する箇所は注意が必要となります。写真のケースでは、塩ビのパイプの切断面を養生材で巻くか、ケーブルの触れる部分をテープで留めるか、どちらかの対策を採るように指示しました。(7224)
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このプロテクターの設置については、消防法では規定がありません。従い、マンションによって、全ての部屋のスプリンクラーに取り付けられる、キッチンなど低い天井の場所にだけに取り付けられる、そして全く取り付けられていない、それぞれ異なります。引越しでぶつけたり、小さなお子さんがいれば、物を投げたりで散水してしまうこともあるでしょう。火事以外で散水したら一大事です。部屋の内装や家具に被害を与えるだけでなく、水は階下に伝わって行くので、被害は甚大になる可能性もあります。特に高層階では注意が必要となります。
内覧会で、天井のスプリンクラーを見て、プロテクターが付いていなければ、売主にお願いしてみて下さい。断わられたら、防災器具会社にこのプロテクターを聞いてみることはできます。簡単にはめることは出来ます。また、部屋の外のメーターボックスの中にスプリンクラーの給水レバーがありますので、万が一、事故で散水してしまったことを考え、このレバーの位置と閉め方を確認しておくと良いでしょう。(83)
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内覧会には、なるべくご夫婦そろって、また、お子さんもご一緒に参加されるのも良いと思います。お子さんにも、この部屋に住むんだよ、しっかり見て、とも言えます。お一人であれば、親しい友人と行くのが良いでしょう。複数の人がいた方が、落ち着きも出ますし、目の数が多い方が、不具合も見つかる可能性が高くなります。
写真はマンションの内覧会で撮ったものです。写しているのは、部屋に入るドアの上部です。このドアの上部には、棒状の戸当たりが付いています。この戸当たりのお陰で、ドアの取っ手が直接壁にぶつかることはありません。戸当たりにもいくつか種類があって、写真のようにドアの上部に付けるもの、そして床に付けるもの等があります。
ここでご覧頂きたいのは、見ずらいのですが、壁に貼り付けられている、バンポンと書かれた白い↑の先のものです。この少し光ってる小さな丸いものは、商品名はバンポン、通称ナミダメ、涙の目のようだから、そう呼ばれます。材質は、透明なポリウレタンに接着剤を塗布したもので、クッション材として使われます。
このような棒状の戸当たりが使われる場合、通常、壁にはナミダメは付けられておりません。ドアを勢いよく開けた場合、この戸当たりが壁にぶつかります。壁にぶつかれば、その部分の壁のクロスは傷みます。また、長い間には、戸当たりの先端によって、クロスがこすられ黒ずんできます。そのような現象を防ぐために、このナミダメが有効です。
内覧会で、このような戸当たりになってる場合には、壁にナミダメを付けてくれるように、売主に頼めば、付けてくれるでしょう。また、ホームセンターにも、いろいろなタイプのナミダメを売ってますので、お好きなものを選んで付けるのも楽しいと思います。(128)