亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

難病助成の対象拡大、第一弾?

2014-08-18 | 先生&病院譚
なかなか発表が見つけられない、難病の医療費助成の新しい対象。

先月末から8月4日まで開催された委員会の資料では、113疾患が候補として挙げられてたのですが、8月5日の産経新聞では「来年1月に助成を先行実施する110疾患を大筋で了承した」と報道しています。
あれ?3つ減ってる?

まずこれまでの56疾患をもう少し細かく64疾患に分類するそうです。同じ病気として研究を展開していいの?診断基準が違ってくるんじゃないの?と指摘されてきた病気がありますから。そこに46疾患が追加に!来年には約300疾患にまで広げるのがひとまずの目標です。

きっと候補に上がった113疾患はやがて対象になるんだろうから、心配することではないけれど、113疾患でなくて110疾患になったということは、何が減ったのかな。

選考の委員に膠原病の先生がいらっしゃるので、シェーグレン症候群は入るんじゃないかな、とか、甲状腺ホルモン不応症は診断基準の議論は決着したのかしら、とか、分割する予定が先送りになったのかしら、とか、邪推が膨らんでいきます(笑)

来月には通知が始まるという話もあるので、もうしばらく待ってみようと思います♪


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5月は新人さんの季節?

2013-05-31 | 先生&病院譚
今日は、とっても気持ちのいい晴れ間が広がりました。

さて、この間、採血に行ったら、いつも見かけない、若いお兄さんが担当でした。
5月だからかな、フレッシュですね♪

まずは、どの血管にするか、じっくり選定です。周りの先輩の3倍くらいかけて、よ~く眺めて、1つひとつ触って、腕をゴシゴシして。
がんばれ~、ごめんなさいね、見えにくい血管で、と心のなかで思いながら、「見えにくいでしょ、最近はいつも細目の23Gの針なんですよ」なんて呟いてました。

血管を決めて、丁寧になんどもアルコール消毒をして、いよいよ針を差します。

こういう新人さんの場合、針を刺したあと、うまくいかなくて、途中で針の向きを変えるなんてことがありがち。そうすると、ちょっと痛かったり、腫れたり、アザになったりすることも多いのですが、「たくさん練習してうまくなってね」と思ってます。今回も覚悟したら、とっても上手に刺してくれました!!
やるじゃん♪

「痛みはないですか?」と聞かれて、思わず「全然痛くなかったです!!」とか力が入ってしまいました(笑) いやはや、新人さんだとなめてはいけませんね。
みんなが病院で気持ちよくすごせるためには、こういう腕も大事なこと。立派に育ってね…なんて、おばちゃんな気持ちで採血を終了しました~。


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限度額適用認定証が4月から外来でも利用できるように!

2012-03-29 | 先生&病院譚
そろそろ夜の風が春らしくなってきましたね。この春、朗報がありました♪

日本の医療保険では、1ヶ月で自己負担する医療費には上限があって、「高額療養費」として、後から払い戻してもらう制度があります。
とはいっても、病気の治療が必要な場合って、仕事をしにくい状況だったり、何かと物入りだったりすることもあるので、一旦払う、というのも経済的にたいへんだったりしますし、払い戻しのための書類を用意して届出を出すのも負担だったりします。

そういうことを避けるために、入院の場合は、事前に事前に社会保険庁に申請して「限度額適用認定証」というものをもらっておくと、病院の精算で提示することで実際の自己負担額だけを支払うことができるという制度があるんです。わたしも入院のときお世話になりました。とっても助かりました!!

…でも、これまでは入院のときだけが対象で、外来の場合はやっぱり一旦、支払って、払い戻してもらう必要がありました。

この限度額適用認定証が、4月から外来でも利用できるようになります!!
特定疾患の認定で自己負担の上限がある場合はあまり意識されないかもしれませんが、特定疾患の対象になっていない病気で、高いお薬しか治療の選択肢がないような場合は、このお話はとっても朗報だと思います♪


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医者になればいいのに

2010-12-10 | 先生&病院譚
かなりどうでもいいお話ですが、このあいだの膠原病の外来でのお話。

「甲状腺ホルモン不応症の話は、論文発表するって話もあったけど、どうなったの?」と聞かれました。
夏に、内分泌の先生がお休みされて、代診をしてくれた先生が「論文発表しようかな。そしたら連絡をしてもいい?」って言ってた話をしていたのを思い出したみたいです。

あぁ…と微妙な返事をしたら、「あれ?あの先生、感じ悪かった?」と心配されました。
いえいえ、代診してくださった研修医はおもしろい先生で、わたしの甲状腺ホルモンの不思議な働き具合について、興味も持ってくださったのでした。でも、なんとなく、専門医認定のために実績が必要なだけかな、だとしたら、敢えてややこしい結論を出しにくいわたしみたいな症例には手を出さないだろうなと、勝手に想像していました。あはは。
甲状腺の代謝を細かく研究するには、ここでは施設が足りないからなぁ…ともおっしゃってたから、実際に細かい研究はムリそうだし。

膠原病の先生がこの先生をどう思ってらっしゃるかは知りませんが(笑)「感じ悪かったわけじゃないですよ~」と笑ってしまいました。

代診の先生は熱い先生で、わたしが「甲状腺ホルモン不応症の場合、20%くらいの症例ではT3関連領域に遺伝子の変異が見つからないんですって」なんて、マニアックな話をしてたら、そんなに調べるなら、医者になればいいのに、とか熱く勧められました~。医者になって、自分で自分の病気を研究したらいいのに!ということで。
膠原病の先生にそんな話をしながら、「でも、いまさら研修医をやる元気はありませんけど」って言ったら、「研修がゆるい病院に行って、“わたしは研修医ですから帰ります!(キリッ)”って5時に帰ればいいじゃん(笑)」なんて先生も笑ってました。え~、せっかく勉強するなら、ちゃんとしたいじゃないですか~。

おもしろそうだとは思いますが、今から医師免許を取っても、お金はかかるし、実際に研究できるようになるまですごく時間がかかるし、その時に自分が元気でいるかどうかも自信がないし、そんなことをするくらいだったら、もっと違う形で貢献を考えた方がいいような気がします(笑)

ちなみに、アメリカのメディカルスクールのほとんどは、4年制大学院。 実際に現地で在学している知り合いの話を聞くと、日本のように高校を卒業してすぐ入学する学部と違って、社会人経験を経て、入学する人もたくさんいるようです。
そういえば、日本でも日野原重明先生が、『経済危機克服のための「有識者会合」』のなかで、今の医師不足対策として、4年制大学院医学校を提言されていますね。
アメリカ型の提言だなぁと思いますが、そういう資格や学校も選択肢としてあるようになるのもいいのかなぁと思います。

お医者さんになるかは別として、現役の先生方が、日ごろご苦労されているものの、「お医者さんなんてなるもんじゃないよ」っていうんじゃなくて、お医者さんになればいいのにって言ってくださるのは、うれしいな、と思いながら、先生とおしゃべりしてました♪
いや、なりませんけどね。っていうか、なれないか(笑)


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パフューム医学誌がはじまりました~

2010-08-02 | 先生&病院譚
新しい医学雑誌Journal of Perfume Medicineが誕生しましたよ。
え、なにって? ご自身が重度のPerfume依存症でらっしゃるらしい、テキサス州のMDアンダーソンの腫瘍内科医の上野直人教授が主幹となって、Perfumeで医学する雑誌です。まじめに。

何がいいって、やっぱり、ご自身もキャンサー・サバイバー(ガン経験者)である上野先生が、Perfume好き全開で、楽しそうに暮らしてらっしゃって、ガンに「克つ」ってこんな感じじゃないかって伝えていることでしょうか。

人間の体には、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)というリンパ球があって、これが体のなかで増えていくガンの腫瘍細胞を食べてガンを抑えていく、文字通り、キラー細胞なんですけど、Perfumeのあ~ちゃんが大好きな先生がPerfumeのお話をし始めると、なんだかとっても元気で(笑) これは、あ~ちゃんNK細胞が増えているに違いない・・・という仮説に基づいて、研究しているチームがいたり。

もうひとつは、Perfumeって身近な話から、まじめに、信頼できる医療の情報を見極める力をみんなでつけていこうよってこともテーマになっているんじゃないかと思います。
前に書いた、『Perfumeまんじゅう』のお話も、掲載してもらおうかしら♪

テーマソングは、Dream Fighter。歌詞はこちら


生まれたばかりの医学誌ですけど、笑顔になるのに、かなりホンキな医学誌。つづきがとても楽しみです♪

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研究?ケア?…外来でちょっとしみじみ

2010-07-11 | 先生&病院譚
暑い~!雨が降るかなぁ~!と言いながら、数日前、外来に行ってました。
今回は、内分泌の先生がご不在で、代診です。
たまに違う先生のお話を聞くのもおもしろいかなと思いながらの診察でした。

いやはや、おもしろかったです。
はじめましてなのに、いっぱいお話してしまいました。とってもおもしろかったけれど、久しぶりに、医療は研究かケアか…ってことをちょっと考えてしまいました。

実は、このところ甲状腺ホルモン不応症については報告が増えているのですけれど、わたしの甲状腺ホルモン不応症は、従来の不応症の説明では説明できないところがいろいろあるようです。どうやらとっても珍しいらしいです。
「こんな例は見たことありません。国宝くらいめずらしいですね。」と、先生にしみじみされました。あはは。国宝って国内に1,000件以上あるようですから、多く見積もっても甲状腺ホルモン不応症の患者数は200人くらいじゃないか、という想定からすると、国宝のほうがずっと多いですね(笑)
ともかく、一般的な甲状腺ホルモン不応症の説明で説明がつかない部分について、こういう仮説はどう思いますか?というのをいくつか投げかけてみて、いろいろお話できたのはとってもおもしろかったです。

ただ、少しだけ意見が違ったのは、それを調査するべきかどうか、という点。
問題があって、仮説が立つなら、ちゃんと調べていくのが、医療者として「逃げない」ことじゃないかなぁ、と先生。でも、調べても治療法が変わらないなら、つらい検査はするべきではない、というのが基本的なわたしの考え方。いつもの先生たちも、そんなスタンスだと思います。「検査は、治療のアプローチのために必要なものをする。何となくの検査はダメだよ」とよく言われます。
血液検査ひとつでも、あやしい結果がでてきたら、気になるだけ気になって、アプローチが立たないってことは、患者にとっては最悪だし、お医者さんとの信頼関係を壊しかねません。残念ながら、今回たてた仮説を実証したところで、今のところ治療法はまったくないので、相変わらずの治療をつづけることになるわけです。

知りたい、治したいという研究への情熱が医療を進めてきたというのも確かなのですが、わたしのような特殊な例は甲状腺ホルモン不応症のなかでも限られていて、そんな限られた例に対する新しい治療法を作り出す予算があるわけでもありません。
それなら、傷を残したり、ある程度のリスクをかける可能性のある検査をするというのは、基本的に反対だな、と改めて思いました。医療の基本はケア。本人が納得し、病気とつきあっていけるのが基本なんだと思うのです。

なんていいながら、個人的には、せっかく珍しい症例なら、うっかり何かの拍子に死んでしまったりする前に、しっかり調べて、未来の治療法の解決につながるといいなぁ、という思いもあるから、「興味があって、症例報告するなら、電話くださいね、協力しますよー」って言ってきました♪
あーだ、こーだと、いろいろ質問しているうちに、先生に「そんなに詳しいなら、甲状腺専門医をめざしたらいいのにー」と笑われましたが、そこまで元気じゃないから、協力する方が現実的です(笑)
それでも、細胞穿刺なんていうと、考えちゃうかなぁ。

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4月から病院で明細書が出るようになったんですって

2010-04-05 | 先生&病院譚
4月になって、冷たい雨が降りながら、風が温かくなってきたような気がします。

さて、4月1日から、病院を受診した際、受けた治療や検査の内容が細かく記された明細書が受け取れるようになりました!
精算するときに受け取る明細書には、検査の種類や薬の内容が書かれた明細書で、医療の透明化を図るため、無料で発行されます。

薬の名前を意識して覚えにくい、病院で受けた点滴や注射でも、内容が書かれているのは、自分で受けている医療の内容を理解したり、マイ・カルテをきちんと管理していくには、とっても便利になりますね♪

逆に、知らない権利については、ちょっと配慮がないかも?という面もあるでしょうか。
がんの治療のようななかで、本人に告知していない治療についても明細が出てきて、薬の名前から「あれ?」と思うことも出てくるかも。そういう場合は、家族がつきそって、本人の代わりに会計を済ませるというようなことをしないといけないことになるのかもしれません。
ただ、知らない権利というのは、本来、本人が「知らない」ことを希望して、本人が自覚的に治療を拒否することを指すはずで、「がん」を本人に告知しないで、それでいて、家族の希望で治療を進めるというようなことは「知らない権利」とはちょっと違う話ですね、きっと。それでも、只中にいる家族には急にいろいろ考えなくてはならないことになりそうです。

もうひとつ、診療所は1つの明細書をだすのに1点(10円)が請求できますが、病院は請求できません!!1点(10円)でも用紙代くらいにしかならない金額ですものね。
明細書を出すためのシステムを入れ替えたり、説明をするためにスタッフを増やしたり、という部分は、病院が100%自腹で負担しているそうです。
その負担分を、病院の経費のどこから持ってくるのか、病院にもよると思いますが、最終的には患者にとってマイナスになる部分で経費削減されることもあるのかも…と思うと、心配になってしまいます。

それから、整骨院は対象外だとか。不正な保険請求が問題になっていたのに、結局、そこに踏み込んでないのか…とちょっと残念。うちの近所でも、「保険適用できませんね」と1500円請求されたところから、3000点近いレセプト請求されていたなんてことがあとからわかって、不信感いっぱいなんですけど、明細書ですっきりわかる、ということにはならないようです。
きちんとした整骨院が疑われないためには、明快になっていくといいのかもと思うのですが、まだ先のことになりそうですね。

個人的には、これまでも、点滴でも何でも、メモをもらっていたし、領収書に書かれても、医療費控除の書類で出してしまうから、コピーしか残らないし、病院に負担をかけたほどのメリットはあんまり実感していません。肝炎訴訟の関係で、古い診療の内容がわかるのがいいという声もあったようだけれど、慢性疾患を抱えている人でなければ、何十年もまじめにファイルしていたりということはなさそうな気もします。
でも、せっかくだから今回の診療の明細書の義務化をきっかけに、患者さんが意識できたらといいなと思います。
とりあえず、もうすぐ外来だから、明細書をもらうのがちょっと楽しみです♪

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アメリカの医療保険改革の法案可決!100年ごしの歴史的な日です

2010-03-22 | 先生&病院譚
今日は、アメリカでオバマ大統領が進めてきた医療保険を大きく変える法案が可決されました!

このブログでも触れたことがありましたが、セオドア・ルーズベルト大統領が提唱してから、およそ1世紀。歴代の大統領が何度も提言し、議論がつづけられましたが、この法案を提出した大統領は実現することなく、退陣していきました。
アメリカでは、「選択する権利」が重視されるので、保険に入らない(保険料を払わない)権利や払った税金を医療に使わないでほしいという権利が、誰もが平等に医療を受ける権利と、天秤にかけられてきました。
今日、ようやく改革が実現しました。歴史的な日です。

アメリカは、一般に医療先進国というイメージがあります。たしかに基礎研究を進める機関に資金力があったり、最先端の臨床試験も数多く行われています。
でも、平均寿命は78才。世界で最も長生きする日本の平均寿命82才と変わらないようにも見えますが、世界では26位です。ちょっと衝撃的なデータです。技術はすばらしいけれど、アメリカの医療費は群を抜いて高額で、医療を享受できない人がたくさんいるというのが現実だと評されます。
たしかにOECDの資料では、1人が年間使う医療費(2006年)は、日本で$2,097、イギリスで$2,367、デンマークで$2,823に対して、アメリカは$3,132。病院にいく回数が日本人の平均は1人1年に13.6回、アメリカで3.8回ということを考えると、高いなぁと感じます。アメリカでの自己破産の理由でもっとも多いのが、医療費の負担と言われるのも、さもありなん、と。

そんなアメリカで、失業して企業保険から離脱して困っていた人、これまで既往があるから保険に入ることがむずかしかったような人が保険に加入することができ、医療を受ける機会ができるんじゃないかと期待されています。ほんとうによかったです。

でも、よかった、だけではない課題はいろいろあるはず。
日本での半世紀にわたる皆保険の経験からすると、これからは、これまで医療機関にアクセスしなかった人たちが家庭医のところにやってくるようになります。その需要に応えるだけの家庭医を十分に確保しようとすると、医療費のバランスを取るため、専門医へのコストを圧縮することも起きるかもしれません。そのときに、医療の質がどう維持できるか、大きな課題になるのではないでしょうか。

また、患者数の限られる病気に関する研究は、アメリカの国立衛生研究所(NIH)などで世界的に先進的な研究が進められているものもあります。日本の厚生労働省の助成とは比べ物にならない金額が投じられてきましたが、そんな研究費も維持できるかどうか不透明です。
正直なことを言うと、甲状腺ホルモン不応症のような稀少病の研究に対する動きも、これから変化があるのじゃないかと心配です。どうなっていくのか、しっかり見守って行こうと思います。

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健康のメモ♪ ためしてほしい『ほぼ日の健康手帳』!

2009-12-12 | 先生&病院譚
元気だからと、やっぱり調子に乗っていたら、夕方、熱が上がるいつものパターンが復活してしまいました。不応症の関係で、代謝のコントロールが悪くなっているみたい。引き受けちゃった仕事だけ仕上げなくてはいけないけれど。

さてさて、「自立した患者になる!」って話で、お薬手帳の次は、もう少し、自分のことを理解したり管理できるようになれたらいいな、と思っていたところで、いいものがありました!
糸井重里さんの『ほぼ日の健康手帳』。



前にも書いたけれど、おとなのための母子手帳みたいなノートで、お医者さんに上手にかかるために必要な情報がとってもコンパクトにまとまっています。なんと10月に2010年版がでたようなんですが、けっこう進化してましたー!!!

毎日書き込める欄ができていたり。これは体重や体温、脈拍、血圧みたいなものや、便通、食事、血糖値のような病気によって必要なもの、女性の体調の周期みたいな記録もかけて、便利ですね。変則的なお薬の服用が必要な人も、記録にいいのかも。
病院に行くときにまとめておくといいよ、というメモも、書き込めるページが用意されました♪
これまでにかかった病気と、今もっている病気の記録も、書きやすいサイズに拡大!
ついでに、診察券をいれられるようなポケットまでつきました(笑)

これを書いて病院に行ったら、コミュニケーションがちょっとスムースになるんじゃないかなぁと思います。
治してほしいって病院に行っておきながら、質問されて「知りません」と答えるより、きちんと答えるほうが、患者の「やる気」(!?)が伝わるんじゃないかな。

持って行くってだけじゃなくて、こういう記録を読んだり、書いたりするだけで、意識がちょっとずつ変わるような気がします。
400円だし♪

わたしも新しい版を買ってきて、さっそく書いてみてまました。
ほぼ日の回し者ではないのですが、ためしてみてほしい、おすすめアイテムです。

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上野先生のお話のつづき 臨床試験をやろう!と患者は声をあげよう、ですって

2009-10-18 | 先生&病院譚
昨日の腫瘍内科医・上野先生のお話では、くりかえして、標準治療、科学的根拠に基づいた医療(Evidence Based Medicine; EBM)を意識しなさいとお話されていました。

特に、先生が専門にされているガン治療では、第一次治療が標準治療から外れていると、のちのち、「先にxxという処置をした場合のエビデンス」というのがなければ、そのあと標準治療に戻れなくて困ることになりかねないってことから、影響は大きいそうです。
だから、ガン治療では、治療を始める前に「先生は標準治療を進められますか?」と聞いてみるのもいい、とおっしゃっていました。

でも、標準治療を意識するって、どんな病気についても、とっても大事なことだと思います。

もちろん「マニュアルどおりの診療は困る」とか「症状の出方は個人によって違う」とかいうことがふと心に浮かぶわけですが、ガイドラインやEBMっていうのは、「こうしなければいけない」と強制するものというよりも、「膨大なデータを比較する限り、この条件では、この治療が圧倒的にお勧め」というお話なのかもしれません。
今ある臨床試験の結果と、条件があてはまらないなら、それにあう臨床試験をしっかりやろう、ということなんですね。

ポイントは、担当している先生の経験とか、病院での症例とか、そういう限られたところだけに頼っていたら、けっこう心配じゃないですか?ということ。先生がなぜその治療法を勧めるかの、論理的・科学的な根拠というのは、やっぱりこういう臨床試験のデータに基づいた話になるんじゃないかなぁ。

全身性エリテマトーデス(SLE)は治療法が限られているから、例えになるか微妙だけれど、ステロイドパルスをするとき、副作用のウツや脱毛や脂肪がつくことや、やだなぁということって、いろいろあります。そういうとき、症状を軽くする漢方やサプリ、健康食品があるなら、それを使ってみたくなるもの。
でも、実は、そういう漢方やサプリが、ステロイドの効果を強くしてしまうこと、弱くしてしまうことって、実はあるんです。

漢方やサプリを飲みたいなぁと思ったら、まず主治医に相談してみるってことが大事ですよね。本人がそうしようとしていなくても、家族や友人から勧められて、何となく飲まないといけない空気になる…って話はよくありますもの。

で、先生の反応で、よくあるパターンは、「えー、それはダメだよ~」って、とりあえず反対されるパターン。次にありそうなのが、「そうなの、いいよ。」と話をあんまり聞いてないパターン。どっちも、患者として困ります。。。
そういうときこそ、「そういうあわせ技をしたっていう臨床試験はありますか?症例報告はどうですか?つらいのが解決するなら試したいけれど、根拠があるものなんでしょうか?」って言っちゃいなさいということなのかもしれません。

こういうEBMを推薦される先生も、もちろん、研究が十分にはされてないものがたくさんあることを百も承知。先生ご自身のご病気も、臨床試験の報告は2件しかなくて、しかも、信頼性(エビデンス・レベル)はあんまり高くない…というもので、不安だったけど、それで治療したんだとお話でした。

じゃあ、十分な研究がないときにどうするか!?

「じゃあ、試験しましょう」って、勇気を持って、先生に提案してみてくださいっておっしゃるんですね。

よーく考えてみると、こういうデータの蓄積が、5年後、10年後に、漢方との組み合わせが、標準治療になる世界をつくる素になるのかもしれないんです!逆に、これがないと、何年経っても、「標準からはずれた治療」なってしまうわけです。今なくても、未来のために、きちんと分析できるデータを作りましょうね、と先生をその気にさせるのがいいよ、ということ。

実際、首の近くのガンの治療をした人には、針治療が非常に緩和の効果がある、という臨床試験の結果があるから、テキサスのMDアンダーソンでは、針治療が導入されているそうです。びっくり♪

先生は、「未来の治療をつくるのは、自分たち!」って意識を持つのがいいというメッセージを繰り返されていました。待っていたら、勝手に新薬や新しい治療法ができるわけじゃない、って。
患者を先生の趣味でモルモットにされる必要はないけれど、自分たちの治療を自分たちで創り出すんだ!って、すごいことです。患者さんの1割がそういう意識を持つだけで、実は世界が変わるかも!?

現実問題として、日本で、こういうコミュニケーションって習慣がないから、簡単じゃないような気もするけれど、膠原病や甲状腺疾患の場合は、先生とのおつきあいもしょっちゅう、長く…ということも多いから、挑戦できるかもしれないなぁ、という予感も。

具体的に考えても、軽症のSLEや皮膚ループスに効くとされる、ハイドロキシクロロキンは認可されていませんが、先生と相談されて個人輸入して飲んでらっしゃる患者さんはたくさんいます。
そういうところをうまく臨床試験に持ち込めないかという提案をして、データを集約する努力って何かいい方法はないかなぁと思うのです。

甲状腺でいうと、甲状腺機能低下症の治療でも、標準治療のT4(チラーヂン)だけでは症状がよくないという患者さんのなかに、T3+T4の併用療法の効果があるという声が多いけれど、これに関する信頼できる臨床試験はあんまりないようです。
今、ヨーロッパの甲状腺疾患の患者会が中心に、国際甲状腺学会に要望を出す署名をしていますが、日本でも、臨床試験をしようという提案をしてみることができないかなぁと思ったりしているのです。

…って、どちらも、わたしは飲んでないんですけどね♪

でも、これはどちらも、きちんと臨床試験をしたら、いい結果がでるようなのに、今の国内のガイドラインにはないことだから…と取り合ってもらえないことが多いものだから、「だったら、臨床試験をやりましょう!」というのはとっても自然な話だと、個人的には思うのです。

あとは、お金の問題?
予算を組み替えている民主党さんに、「臨床試験の応援は、未来のヘルスケアの大事な資産ですよ!」ってご理解いただいて。

試験のような積極的なアプローチに参加することで、きっと医療はよくなっていくと思って治療に望めることは、患者さんにとっても、医療者にとっても、しあわせなことなのかも、と本気で思うのです。

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上野先生の講演「患者さんが納得のいく医療を受けるために」を聞いてきました♪

2009-10-17 | 先生&病院譚
今日は、上野直人先生の講演を聞かせていただいてきました~!

腫瘍内科医で、がんサバイバーでもある先生ですが、いい医療を受けるために患者さんができること、という視点で、いろんなお話をされている先生でもあります。わたしにとっては、『最高の医療をうけるための患者学』(講談社+α新書)の著者というイメージが強いです。

診察のとき、記録や質問の準備をしておくといいとか、今の医療ではこれが絶対いいというアプローチ以外の治療を考えるとき、ちゃんと科学的根拠があるか確認すると、先生もしっかり考えてくれるようになるはずとか、標準治療をきちんと勉強しつづけている先生の治療を受けるのがいいとか、たくさんのお話があったのですが、「患者さん中心のがんチーム医療のために:チームオンコロジー.Com」で、繰り返し、なるほど!と読ませていただていたお話です。

わたしが、今回、おぉ!!と思ったのは、「夢の共有」というお話でした。

先生がビジョンのお話をされているのは、医療者が、目の前の患者さん、目の前の業務に向き合うだけでなく、5年後、10年後、20年後、30年後、よりより医療、よりよい環境をみんなで作っていこうというムーブメントだと思ってました。そして、そのためには、その夢を語り、おぉ!という共感のエコーを拡げるということが大切というお話だと。

でも、もしかしたら、この「夢を語り、共感のエコーを作る」のは、実は、患者さんにも求められていることなのかも!?
患者さんの方で「わたし、こういうのがつらいんです。」「こういうのがうれしいんです。」ということを、他の人に「なるほど」と思わせる語りができて、向かいたい方向をはっきり共有できたら、ドクターと治療方針について闘わなくても、自然な形で、いい選択ができるんだろうなぁと思ったのでした。

共感、とか、納得、というのは、患者が医療者に与えることも大切、という大発見!逆はよく言われますけれどね。

身近なことなら、「風邪を引いたけれど、明日は大事な試験があるから、眠くなる成分のないお薬がいいんです。」ということもあるだろうし、歌手なら「歌を歌うために、喉が乾燥しやすい副作用のある薬は、避けてもらえるといいんです。」ということもあるでしょう。
お子さんが小さければ、強めの治療でも、治療期間を短くしたいという希望があるかもしれません。
そういう自分の描いている方向性を、「なるほど、そりゃあ、そうだな。」と納得してもらうと、闘わなくてもふさわしい方針が提示されるし、ドクターから別のいい提案を受けることも出てくるかもしれません。

「この薬を使ってくれ」ということを、素人である患者が主張すると、いろんな考慮すべきポイントが抜け落ちてしまうことがあるかもしれないけれど、でも、「この薬の副作用はつらくて、つらくて…」と主観的な話をしつこく伝えるのは、向かって生きたい方向を理解してもらうのには役に立ちそうです♪
「でも、治療には必要ですから、ガマンしましょう」と言われても、「この効果は○○と先生はおっしゃったけれど、それを捨ててもいいくらい、副作用がつらいです。」と言うとか。

そういえば、わたしも甲状腺の機能が暴走していたとき、機能を抑えるメルカゾールを飲みたかったのですが、これは、長期使用でごく稀にAncaという血管炎を誘発する抗体が高くなるような副作用が出ることがあって、すでにAncaが高かったわたしは、やめていたことがありました。でも、しばらく経って、体調があまりによくなくて、「かなりつらいから、副作用が出るまででも、この薬を使いたい」と言ったことがあります。実は、血管炎が起きる仕組みについては、まだ研究が進められているところで、まだよくわかっていないところがあるそうです。
しかも、起きた場合、非常に危険な可能性が高くなるので、先生たちは力いっぱい反対しました。
でも、10m歩いたら座り込む状態で、人にも会えない、ご飯も作れないという状況がつづいたら生活できない。他の治療法がない、と言われても、泣いちゃいます、と具体的に困っているところを話したら、「それは、わかるなぁ。」という話に。
結局、「患者がリスクもよく理解しているから」ということで、Ancaを定期的に観察する条件で、試験的に飲むことになりました。

そのときに、加わってくださった先生が、「これまでの報告では、プロパジールと比べると、メルカゾールのAnca関連血管炎の発生は10年以上の長期投与の場合が多いので、しばらくは大丈夫だという可能性がありますよ。今、TR-αブロッカーという、あなたのような症状を抑えるのに役立つ薬は、開発を進めているところだから、10年もメルカゾールを飲み続けなくてもいいことになるかもしれませんね。」と話してくれたのは、「このあと、メルカゾールが飲めなくなったらどうなるんだろう…」という不安を取り除いてくれました。

自分の向かいたい方向、そのために引っかかっているところ、うれしいところを、率直に伝えられると、先生の言うことを聞かない…ということでなくて、いい方向に向かえることもあるんじゃないかなぁと思うのです。

日本ではこういうコミュニケーションは「性格」と呼ばれるけれど、アメリカの視点でいうと、これは「スキル」なんだ、と先生はおっしゃっていました。性格を変える努力はとってもたいへんだけれど、スキルだとしたら、訓練で変えられそうな気がして、ちょっと希望がわいてきたり♪
患者コミュニケーション・ワークショップってあるけれど、いろんなプログラムが出てくるといいなと思います!

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診療報酬、引き上げ?

2009-10-12 | 先生&病院譚
決定したわけではないけれど、厚生労働大臣が、次の診療報酬の改定で報酬の引き上げを要求する方向で、調整しはじめたようです。
つい最近、4月1日、診療報酬も変わると書いた気がするのですが、あっという間に2年が過ぎるのですね。

診療報酬上げへ3000億円 厚労相、10年度予算で概算要求

 長妻昭厚生労働相ら政務三役は、2010年度の診療報酬改定分として3000億円程度を来年度予算で概算要求する方針を固めた。約4%の引き上げに相当する計算で、実現すれば10年ぶりのプラス改定になる。長妻厚労相は医師不足などで医療体制が揺らいでいる救急や産科、外科などを抱える大病院に手厚く配分する考えだ。

 診療報酬は国が医療行為ごとに決める医療費の単価。手術や投薬、検査などの行為ごとに点数で決めている。全国の医療機関に同じ点数が適用され、患者の自己負担分を除いて医療保険から病院や薬局に支払う。2年に1度見直しており、10年度は改定期にあたる。民主党はマニフェスト(政権公約)に「(入院患者を扱う)医療機関の診療報酬を増額する」と明記している。(11日 18:11)


診療報酬を引き上げるということは、3割負担のわたしたちの負担も当然、上がるということではあるけれど、わたしは賛成です。今の診療報酬は、あまりに価格を抑制しすぎです。

例えば、30分の心臓マッサージは250点(約2500円)だそうです。駅のチェーン系マッサージ店だって、30分マッサージをしたら3000円ですよね。
やったことがある人はわかるけれど、心臓マッサージをつづけてやると、やっている方が倒れそうです。しかも、心マをするときって、命に関わるとき。それに対する適正な価格とは思えません。
医療者が頑張ったことに対して、「ありがとう」とも言われず、お金も払われず…というのがつづけば、頑張れなくなってしまうのはごく自然なことです。病院も、経営が維持できなくなってしまいます。

予算が認められることはもちろん、期待していますが、それまでの動きとして、日本の誰もがこの現実とむきあって、「そうだ、必要」と思えるコミュニケーションが展開されるといいなぁと思います。

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医師免許って更新するもの?

2009-10-03 | 先生&病院譚
今日は十五夜。
十五夜っていえば満月だと思っていたら、そうでもないんですねー!「だいたい満月」ということみたい。驚いた!!
今日が十五夜。満月は明日だそうです。

そんなわけで、気がついたら、もう10月に入っていたのですね。頭の働きがゆっくりだったり、関節が痛かったり、じんましんの大陸ができたり、熱があがったり、微妙なところで本調子ではないのですが、この数年のなかでは、こんな元気に10月を迎えられたような気もします~。

さてさて、日経メディカルで『中年から米国で臨床医として働く秘策』という記事を発見。
お世話になった日本のお医者さんのなかにも、アメリカで勉強されたり、臨床をされていた先生たちがいらっしゃいますが、こういう先生方、日本で医師免許を持っていても、すぐにアメリカで医療行為ができたわけではありません。研究はできても、臨床に出るには、免許を取るのに時間がかかったり、いろんな試験があったりして、たいへんなんですね。
「どなたかお医者様はいらっしゃいますか?」というアナウンスが流れて、一市民としての応急処置はできても、医療行為ができないからどうしよう…と思って、躊躇していたら、子どもに「パパはお医者さんなのに、どうしていかないの?」と聞かれて、切なかった…なんて話を聞きました(笑)
そんな話を聞いていたので、日本でも臨床で活躍された先生が、40歳になって、アメリカに行って、現場に行かれたレポートをおもしろく読みました。

ちなみに、日本では、医学部の人たちが、国家試験前、クリスマスの楽しみも放棄して、お勉強していた姿を見かけましたが、逆に、そこで取った免許は、よほどでないと、死ぬまで有効です。でも、今のアメリカの医師免許は、更新が必要だそうですね。
そういえば、ドイツの運転免許も死ぬまで有効で、80歳のおじいちゃんが、18歳くらいのかわいい写真を貼った運転免許証を提示していて、写真つき身分証明書の意味がない~!!と腰を抜かしたことがありますが、外国の人が日本の医師免許をみたら、おんなじように、腰を抜かすんでしょうか?

週刊医学界新聞によると、アメリカでは「医療行為を行う」法的資格としての医師免許と,「専門医療行為を行う」能力的資格としての専門医資格が明確に区別されているそうです。日本の医師免許は、両方を兼ねています。
昔は、アメリカの医師免許も有効期限がなくて、古い先生は更新が必要ないようですが、今は、州によって1-2年ごとに更新するそうです。臨床で必要になる専門医の資格も、約10年で更新が必要なんだそうです。更新には試験が必要で、たいへんそうです。

さらにおもしろいのは、専門医の更新には、患者の評価という項目があること。
ちゃんと挨拶したか、とか、上から目線じゃなかったか、とか、症状だけじゃなくて全人的に治療しているかとか、わかりやすく説明し、質問しやすく配慮しているか、なんてことに、答えます。

きっと患者目線が必要!という事態が起きたから、そうなっているのだろうけれど、これは、日本に取り入れられてもいいのかも♪

昔、お世話になった田舎のお医者様で、おじいちゃん先生がいらっしゃいましたが、難しい病気や新しい治療法をどれくらい吸収されているかは疑問ながら、笑顔で「今日はどうしました?」と診察室に迎えてくれるだけで、ちょっと元気になれる先生でした。こういうタイプの先生が、免許更新の費用や勉強が必要なら…と引退する流れになるとしたら、それは、ちょっと残念かも。

でも、お医者さんをいぢめたりしないので、気持ちがフィードバックできるチャンスがあるのがいいなと思います~。

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遺伝学的検査に関するガイドラインってあるらしい

2009-09-11 | 先生&病院譚
ちょっとバテてきたかも…と思いながら、やることがいろいろ。いつもフォローしてくれる人たちも不在で、日ごろ、いっぱいサポートしてくれてるんだなぁと思いながら頑張りました♪

ベルリンの陸上世界選手権の、女子800メートルで優勝した18歳の選手が、男性ではないかという指摘があったようですが、今日、オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルド(電子版)が、両性具有であったと報じられましたね。
国際陸連では、選手の金メダルは剥奪せず、2位の選手にも金メダルを与える方向で、調整されているようです。

この選手は、優勝しなければ、この事実を死ぬまで知ることはなかったかもしれません。この方にとって、知りたかった事実なのだろうか…と想像して、「知る権利」ということで、ふと遺伝子検査のことを思い出していました。

わたしも甲状腺ホルモン不応症の検査のために遺伝子の検査をしましたが、最近は、いろんな場面で遺伝子検査を受けたという話を聞くことが増えました。この10年で技術が飛躍的に発達したと言います。
でも、遺伝子のことは、患者にとっては、かなり逃げ場が少ないもので、家族や親族など周りの人にも影響が与えるものです。臨床的に必須の検査項目でない場合には検査するかどうか、時間をかけて考えるのもいいなと思うようになりました。

わたし自身の遺伝子の検査のことを振り返ってみると、
「カウンセリングがあるから利用すると、いろいろ納得して検査ができるかもしれないから、いつでも言ってね」
「この検査で、確定診断ができるかもしれないけれど、治療法が変わるわけではないんだけれど。」
「採血したあとでも、検査が進んだあとでも、やっぱり止めますっていいからね。」
「検査の結果が出たけど、知りたい?」
と、何度も聞かされてました、そういえば。
あまり意識をしなかったけれど、こういう細かい一言一言の積み重ねって、大事なのかもしれません。

京都大学の「いでんネット(臨床遺伝医学情報網)」には、
ヒトGermline遺伝子・染色体検査オンラインデータベース遺伝相談施設(カウンセラー)情報が提供されています。

遺伝医学・遺伝医療に関するガイドラインは、臨床で遺伝子診断にかかわる先生には、ぜったい読んで欲しい1つ。

なかでも、2003年8月に日本遺伝カウンセリング学会日本遺伝子診療学会日本産科婦人科学会日本小児遺伝学会日本人類遺伝学会日本先天異常学会日本先天代謝異常学会日本マススクリーニング学会日本臨床検査医学会家族性腫瘍研究会という、遺伝医学関連10学会がまとめた遺伝学的検査に関するガイドラインは、必読です!

たくさんのことが書かれていますが、たとえば…

・カウンセリングを含めた、総合ケアが必要で、検査後のケアも用意する
・分析的・臨床的妥当性、有用性がない場合は遺伝子検査をすべきでない
・想定される利益と不利益をきちんと説明し、理解を得なければならない
・検査を受けるかどうかは、受ける人が自由意志で決められることをよく伝えなければならない
 検査を受けないという選択が可能であること、検査を途中で中止していいことを伝えること
・治療法・予防法が確立されていない場合は、研究目的であることを伝えるべき
・未成年の場合は、将来の自由意思の保護という観点から、すぐに治療・予防ができる場合や緊急の場合以外、成人するまで待つべき
・検査の結果についても、「知る権利」「知らないでいる権利」があることを伝えなければならない

など、患者さんのお話を聞きながら、議論されたらいいのにと思ったことが、何年も前にすでに書かれてる~!と、びっくりしました。

もうひとつ、日本遺伝カウンセリング学会では、 学術集会における症例報告を含む研究発表に際しての個人情報保護の考え方について、患者の住所や診療科も必要がない場合、出さない、というようなガイドが出ています。論文のタイトルや概要(アブストラクト)は、一般の人でも検索できてしまう時代だけに、ほんとに大事なことですね。希少病の場合、すぐわかっちゃいそうですし。

臨床の先生の間で、問題意識が広がってくれるといいなぁ。

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混合医療を認めるのは、不平等?ビジネスクラス方式で有効?

2009-09-08 | 先生&病院譚
ちょっと元気になってきた…と思ったら、たまっていたお仕事がどどどーーっとやってきて、いろんな会議がつづいています。おもしろいからいいけれど、調子に乗って、ダウンしないようにしないと♪

そんなことを言いながら、民主党の政権になって、医療がどうなるか気になりながら、混合診療のことをお勉強しています。

混合診療とは、ロハスメディカルの「混合診療ってどうなの?」という記事によると
「保険が適用される医療行為」と「適用外の医療行為」を同時に同じ医療機関で行い、保険適用部分の保険給付を受けることを指します(07年9月号「先進医療」特集参照)。そして現在では、いくつかの例外を除き、保険適用外の医療も行った場合には、その費用を請求しない(医療機関が負担する)か、保険適用分まで全額患者さんが自費負担することとされています。これが、混合診療の禁止と言われるものです。

歯医者さんで、「銀歯なら保険が適用されますが、このセラミックの歯だと、自由診療になります。」というような話があると思います。この自由診療と、保険診療を混在させてはいけない、自由診療を選ぶなら、ぜんぶ自己負担になる、というのが混合診療禁止です。

これに対しては、いろんな意見があるようです。

まず、よく言われるのが、医療の平等性。お金持ちだけが自由診療を受け、お金がなければ、おざなりの治療になるんじゃないか、という心配の声。

全額が自費になるなら…と、自費診療の選択肢をあきらめている人がいる、だから、混合診療を解禁するべきだ、ということもよく聞きます。特に、自費診療になるような医療では、血液検査や画像検査(レントゲン、CT、MRTなど)が頻繁に必要なものもいろいろあるから、そんな検査まで100%負担するのは、苦しいということがあるようです。

さらに、今、医療が高度化して、今、指定されている診療報酬で、病院の経営をしようとすると、なかなか十分な施設やスタッフを確保することがむずかしいのだから、お金を払える人が余分に払ってくれるのは歓迎じゃないか?という人もいます。

この混合診療を支持する考えを説明するのに、よく航空会社でのビジネスクラスのたとえがあげられます。
ネットで検索すると、どんどん古い記事が出てくるので、どなたが最初にこのたとえを使ったか、わかりませんが、なかなかわかりやすいです。
航空会社が、価格競争のなかで、十分な収益をあげられなくなっていたとき、新しい機体を買ったり、安全点検のスタッフを拡充することがむずかしくなっていました。見えないところで、安全がおびやかされる自体になっていたのです。
そのときに、導入されたのが、ビジネス・クラスです。文字通り、個人は格安航空券を使っても、ビジネス客は定価で買ってもらう、そして少しいいサービスを提供するというもの。これによって得られる収益によって、新しい機体を買い、安全点検を行い、便数を確保することができたというのです。これは、ビジネス客だけでなくて、安価で旅行するお客さんにとっても、同じ機体に乗るわけですから、非常にメリットがあったわけです。

お金を出してでも個室がいい人もいれば、大部屋に入院する人もいる、ということと同じ話で考えることができるのかしら。
そういえば、産科では、きれいな個室で、おいしいご飯を選択できるような、そんなところもありますね。高次医療が必要ない患者さんが、総合病院のベッドを埋めずに、オプションがついた病院に行ってくれるのは気分的にはありがたい気がします。

現状、いろんな病院で、赤字で診療科が減らされたとか、病院が閉鎖されたとかいうニュースをみると、このビジネスクラスのような発想があってもいいかもしれないと思います。多少、格差を感じることがあっても、近くの病院がなくなるより、ずっとみんなのためになる気がします。
混合診療で発生した副作用は誰が保障するかということも議論の余地がありそうだけれど、自由診療であったとしても、それは同じ問題があるようです。

賛否両論を読みながら、なんとなく混合診療を認めてもらった方がいいのかなぁなんて気持ちに傾いているけれど、まだ、問題点がよくわかってないからなのかなぁ。

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