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太陽光発電の設置で持続可能な電気エネルギーを活用と蓄電池式 2/2

バッテリーによる蓄電システムの構成

バッテリーについて、リン酸鉄リチウムイオン電池を使用した24Vシステムでは、例えば仕様の公表値12.8V 100Ahを4個で、2個並列の接続とそれを直列の接続で25.6(22〜26.4)V 200Ahとなり、約5KWhの電力量を蓄電することが可能です。
48Vシステムでは、同様に仕様の公表値12.8V 100Ahを4個で直列の接続として51.2(44〜52.8)V 100Ahとなります。
このバッテリーはモニターのBMS(バッテリー管理・保護システム)内蔵がお勧めです。

参考までに、軽自動車などに搭載されている鉛バッテリーの40B19は12V 28Ahです。
バッテリーを直列に接続して充放電を繰り返していると、数週間もすれば夫々バッテリー品質のばらつきから電圧に僅かの違いが現れてきますから、個別に電圧計を取り付けて時折に調べて必要に応じて、個別に充電なり放電なりをして各電圧差のバランスを0.1V程に揃えます。

バッテリー間を接続する配線と安全ブレーカー

48Vシステムでは、12.8V 100Ahのバッテリー間とAC出力用の、昇圧インバーター容量2000Wと接続する配線は、IV 1線芯 8sq(AWG8)(2.3mΩ/1m)許容電流60Aが必要になり、24Vシステムの配線では同様に、IV 8sq(AWG8)を2本並列の接続にするか、或いは少し許容不足なIV 14sq(AWG6)(1.3mΩ/1m)許容電流88A、或いはIV 22sq(AWG4)(0.8mΩ/1m)許容電流120Aを使用します。
銅線の断面積が2倍になっても放熱作用と効果が悪くなり許容電流は2倍になりません。
インバーターとバッテリーを接続するケーブルの端子は、専用の裸圧着端子で確実に接続しカバーをして、さらにインバーターとバッテリー間、及び直列したバッテリー間の接続には夫々にDCミニサーキット安全ブレーカー保護の、遮断容量63A(IV 8sq)、或いは遮断容量120A(IV 22sq)を取り付けます。

尚、ソーラーパネルとチャージコントローラー間、及びチャージコントローラーとバッテリー間の接続にも、夫々にDCミニサーキット安全ブレーカー保護の遮断器(必要な遮断容量25〜50A)を取り付けます。
チャージコントローラーとバッテリー間の接続には、充電電流に応じてIV 1線芯 3.5sq(AWG12)か、或いはIV 1線芯 5.5sq(AWG10)(3.3mΩ/1m)許容電流48A以上を配線します。

発電量と蓄電量を増強すれば、チャージコントローラーは複数が必要になり、エアコンや電気ストーブ・ホットカーペット・オイルヒータ・パネルヒーターなど、大量な消費電力に応じてAC出力インバーターも、エアコンなど1台に対して1個(容量2000W)と言う具合に複数を使用します。
ここで、AC出力インバーターの容量2000Wと言うのは、商用電力から引き込んだ給電設備の配電盤にある安全ブレーカーが主に20Aですから、それに合わせて話を進めています。
更に出来れば、独立電源用コンセントを必要な部屋に取り付けて、AC出力インバーター間との配線を済ませて置くと良いでしょう。
特に停電の場合には冷凍冷蔵庫の冷却機能を維持することが必要になります。
更には、テレビ用やインターネット関連機器用やパソコンやタブレットとか、上水道が断水していなければ洗濯機用も必要になります。

構成例として例えば5KWhの蓄電量では、AC出力用の昇圧インバーター容量2000W程との組み合わせで、小型エアコンや電気ストーブ・電気コタツ・ホットカーペットなどの使用も可能ですが、バッテリーの消耗は著しいです。
エアコンの場合、例えば暖房の定格能力が3.6KW(冷房2.8KW)までの1台を使用するのであれば、8〜10畳間の室内で外気温2〜10℃として暖房の設定温度22℃で朝から夜までの使用ですと、建物の構造にも依りますが蓄電量は少なくとも6〜10KWh程は必要になり、ソーラーパネルの発電量もそれに合わせます。
節電には先ず、設定温度を1℃下げると10パーセントもの電気代を節約出来ると言われ、消費電力は少なくなり蓄電量を抑えられます。
因みに、経済産業省は冬の室温は20℃を推奨しています。
しかし、大寒波の到来で雪が降ったり外気温が3℃〜マイナス3℃程になれば、室外機には霜が付いて霜取り(除霜、デフロスト)が始まり暖房は10分間程も止まったり、底冷えがして設定温度を24℃にしても思った程に室温は上がらないでしょう。
極端に寒い日は普段より1、2度低く設定すると室外機の結露を抑制する効果があります。

尚、バッテリーの残量が5%以下になるとBMSが作動してシャットダウンしたり、ACインバーターは低電圧を検出して保護により自動的に出力をシャットダウンしますから、残量が20%程になれば注意と確認が必要になります。
特に消費電力が1KW以上になれば例えば24Vシステムの5KWhでは、バッテリーの内部抵抗と配線抵抗と接続端子の接触抵抗などにより、バッテリーの電圧は急に低下して24Vの値は0.5〜0.6V程は低くなったり、AC出力用の昇圧インバーター入力端子では幾つもの抵抗の要因で、電圧降下が発生して0.6〜0.8V程は低くなりますから、残量に余裕を持たせる必要があります。
ここで、上記の事柄から金銭面とかソーラーパネルの設置場所の確保と、蓄電量などの確保からバッテリーの置き場所もそれなりに必要となります。
尚、商用電力から給電設備の安全ブレーカーがある配電盤とか、建物の配線設備には触れない様にしますし、天井の照明器具とかその他の電化製品の給電は切り替えませんし、消費電力の多い一部の電化製品を独立電源で使用するのに留まり、完全なオフグリッド生活には無理があります。

バッテリーと充電パラメーターの設定

バッテリーの充電パラメーターについて、リン酸鉄リチウムイオン電池はアマゾンで販売している各社の説明では、12Vシステムで満充電の電圧に14.4〜14.6Vとありますが、この電圧は主なバッテリーのBMSの過電圧保護が作動して充電が拒否される手前です。
それで、無負荷の満充電値としてフロート電圧 ⒱  Float は13.8〜13.9Vと、ブーストチャージ ⒱  BCV は14.0〜14.1Vとして、過電圧(過充電)  ⒱  OVD は14.4Vとします。
参考までに、携帯電話やスマホやタブレットなどでは、電池の寿命を延ばす方法としてバッテリーケアモードがありますが、その様な考え方を参考にし効率も考慮して無負荷の満充電値よりも少し低い充電値で、充電が止まる様に設定するのがベストでしょう。
それで例えば、フロート電圧 ⒱  Float は13.6〜13.7Vと、ブーストチャージ ⒱  BCV は13.7〜13.8Vとするのがベストで、さらに、24Vシステムでは0.1Vと48Vシステムでは0.2Vを下げた設定にするのがベストでしょう。
尚、チャージコントローラーに表示されるバッテリー電圧は製品によりばらつきがあり、表示される電圧に合わせて増減して設定する必要があります。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)12.8Vは、3.2Vのセルユニットを幾つも並列に接続して必要な蓄電容量(〇〇Ah)を得て、さらに必要な電圧を得るのに複数のセルユニットを直列に4個接続したバッテリーパックで構成されています。
LiFePO4セルは下記に明記します様に、高電圧に長時間晒すことが可能だと言われますが、14.4Vの電圧以上では成る可く避けた方が無難で寿命の劣化に影響します。
このバッテリーが充放電で比較的に安定に入る電圧は、13.3〜13.2V程で、充電により13.4V以上に達すると逆放物線を描く様に急速に上がりますが、充電を止めると僅かな放電(負荷)でやがて13.3〜13.2V程に一旦は落ち着き、さらなる放電で13.1〜13.0V辺りでも安定して平坦な電圧降下を続けます。
その後、放電(負荷使用)では12.8V位までは比較的に平坦で安定した電圧降下を続けますが、それ以下の12.5Vを切って下がり続ければ急速に電圧降下が起こります。
バッテリー容量に対する充放電の仕様・特性は、公表値12V 100Ahのバッテリーを1時間で完全放電させる場合は、劣化とセル損傷を保護する上で最大出力電力値「1C」=1200W以内に収める必要があります。
標準とか理想的には、充電電流を20A(PP40A)以内として、放電電流を50A(PP75A)以内とするのが望ましいとメーカーの資料にあります。
参考までに、自動車などに搭載されている鉛バッテリーは、満充電の電圧は13.8Vとあり無負荷でも内部放電により電圧降下が起きて、安定して平坦に入る電圧は12.5V程になります。

関連の記事として、2022/2/26「災害時の大停電時に切り札は「地域のマイクログリッド構築」にあり」とか、同/6/2「電力需給の逼迫を見通し電力使用の制限で停電の危機を乗り切る」があります。

ここで、主なリチウムイオン電池の重量エネルギー密度は170〜220Wh/kgで、体積エネルギー密度は330〜520Wh/L程です。
ガソリンを燃焼させて得られる熱エネルギーを、有効活用できる実効の重量エネルギーは約2,200Wh/kgとなり、同様に体積エネルギー密度では約1,900Wh/Lになります。
公表容量の10KWh・重量95kgの蓄電池として、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使用しても、重量エネルギー密度の比較ではガソリン1L分とほぼ同等で、体積エネルギー密度の比較でもガソリン2L分とほぼ同等しかなく、ガソリンなどとは比較にならない程にエネルギー密度が低いのが現実です。
やはり、高いエネルギー密度と効率からして暖房には灯油ストーブとか、灯油ファンヒーターなどとの併用が必要で、北陸や東北や北海道では灯油温水器や灯油ボイラーなどを使用した、本格的なセントラルヒーティング・システムの床暖房設備が不可欠になるでしょう。

資料
タイプに基づくリチウムイオンバッテリの分類

コバルト酸リチウム(LCO)
マンガン酸リチウム(LMO)
ニッケル・マンガン・コバルト酸化物リチウム(NMC)
ニッケル・コバルト・アルミニウム酸化物リチウム(NCA)
チタン酸リチウム(LTO)

リン酸鉄リチウムバッテリ(LiFePO4またはLFP)

LFPは最も安全なリチウムイオンのタイプの1つで、非常に平坦な電圧放電曲線を備えることで有名です。
リン酸鉄リチウムはこれらのバッテリの正極に使用され、負極には炭素が使用されます。他のタイプと比較して、これらのバッテリは通常は低容量で自己放電率が高くなります。これらのバッテリは他のほとんどのリチウムイオンバッテリより、広い温度範囲に渡って使用可能です。

LiFePO4の特長
鉛蓄電池および他のタイプのリチウムバッテリと比較して、LFPバッテリは温度と化学変化に対する安定性が高くなります。
過充電や短絡などのデフォルト条件時にも発火せず、熱暴走も起こしません。
また、これらのバッテリは-40℃~+70℃という他のリチウムイオンバッテリより、広い温度範囲で使用することができます。
安定性が高く、エネルギー密度が高く、軽量であるため、高温性能、高出力、低自己放電率で十分に優れています。
LCO、LMO、NMC、NCAセルは放電深度(DOD)が100%の場合、通常は1000サイクル以下であるのと比較して、LFPバッテリは3000~4000サイクルというより長いサイクルと、最大10年の耐用年数も提供します。
LFPセルはメモリー効果なしで繰り返し充電および放電が可能で、どのような状態であっても充電して使用できます。
LFPセルは高電圧に長時間晒すことが可能で、その時のストレスは他のタイプより大幅に低くなります。
このバッテリは瞬間的に最大25Cという非常に高Cレートでの放電が可能です。
これに比べて、他のリチウムイオンバッテリは通常は1C以下で放電します(但し、一部の極端な場合では瞬間的に最大10Cでの放電が可能です)。

LiFePO4の欠点
LFPバッテリは公称電圧が3.2Vで、LCO、LMO、NMC、NCAセルの公称範囲である3.6V~3.8Vより低く、これは比エネルギーが低いことを意味します。
また、これらのセルは湿度および水に対して敏感です。
これらのバッテリが水と直接接触すると正極活物質の喪失が発生し、材料のエネルギー密度が低下します。
そのため、厳格な防湿処理と品質管理の下で生産される高品質セルのみが、ある程度の外部湿度条件に耐えることができます。
他のタイプのバッテリと同様、LFPバッテリも低温下では性能が低下する傾向があります。

参考
スマートグリッドの基礎知識
https://www.ipros.jp/technote/basic-smart-grid/

エネルギーの地産地消に貢献!停電被害も軽減するマイクログリッドとは?
https://www.rd.ntt/se/media/article/0013.html

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