まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

彰化近郊のタイル民居めぐり3

2019-08-23 21:20:26 | 建物・まちなみ
3月の台中の旅の続き。



次に来たのは、かなり規模の大きい邸宅。赤レンガ積みの平屋建てで、外から見ただけでも、左右にある棟(護龍)
が三重になっているのがわかる。


あっ!マジョリカタイルが!!ひときわ古い正面の建物(正身)の壁と、屋根の上に、鮮やかな色が見えた。


うわぁ~!!すごい!入口の左右の壁に3ヶ所ずつ、マジョリカタイルのコンポジション。ブルーが眩しい!!


どれもよく見かけるタイルだが、上段左右の2枚は手描きの彩絵タイルだ。マジョリカタイルとの組み合わせ。




右側の壁に貼られていたのは、台北故事館に貼られていた英国製のタイルと同じ柄。しかしこれは日本製のマジョリカタイルだろう。
いろんなメーカーが作っていて、武雄温泉など日本国内でもときどき見かける柄だが、この色合いは変わっているな。。。


微妙な紫色。。。


こちら側は前に机や鉢植えなどが置かれていて全体がよく見えないが、こういう自然なタイルシーンも好き。


そして屋根の上のマジョリカタイル。


ここの屋根は本瓦葺のようにゆるやかに沿った薄い瓦と半円筒形の瓦を組み合わせてある。軒先に装飾瓦もついていて
さすがに凝っているなぁ。閩南式の民居でも何種類かの屋根の葺き方があるようだ。


こちらは上の邸宅とよく似ているがまた別の場所である。赤レンガが敷き詰められた前の広場は敷地内のようだが、
ここまでは誰でも入ってこれる。


ここも屋根の上にマジョリカタイルが見えるな!


さっきのお宅よりもさらに規模が大きく、ここも護龍は三重になっていて、外側のものは二階建てだ。屋根の重なりがとても美しいなぁ!


そこのご主人がおられ徐さんの顔バスで(?)中へ入れていただくことができた。本当にありがたい~~
建物は扉や梁などあらゆるところに絵が描かれている。


ほら、大正十二年と書いてあるよ、と。あっ本当だ!ということはほぼ100年前か。


奥の正身の建物は全体が格子で防護されていた。やはり盗難などあるのだろうか。その中へも入らせて頂けるとは、
何とありがたいこと。。あぁ感謝。


屋根の上のタイルも割と近くで見ることができた。マジョリカタイルと彩絵タイルがあるな。


正庁の内部は外部に比べてやはり状態がよく鮮やかな色が保たれている。絵の価値はさっぱりわからないが(汗)
有名な絵師が描いた貴重なものなのだろう。この家になじんで一段と風格を増していた。
無地の壁を背景に絵を飾るというのでなく、壁自体に描くというのはやはり日本とは違った感覚だ。それは
現代の台湾のまちの壁画(ウォールアート)と関係あるだろうか。


金門島の民居にはよく見られた。魚の形をした吐水口。


ところで邸宅の前にドンと置かれていた、これはなに!?どんぶりに菅笠を載せたような風変わりな形は新潟で見た
「薪ニオ」を思い出す。しかしこれは貯蔵庫かな。白くペイントされていて材質が何かよく分からないが、、、
板切れを順番にはめ込んでいく形の窓は古そう。伝統的なものだろうか??建物の前に2つあり、一方には
「昭和39(?)」年、もう一方には「民国43年」、いずれも「陳金水建造」と書かれていた。それほど古くないのか。


帰って手持ちの本を見てみたら載っていた。清代に使われていた穀物倉で、穀亭●(ムの下に大と田)と呼ばれる
ものらしい。もともとは竹を編んで骨格を作り、ワラを混ぜた粘土や牛糞を塗り込んだあと漆喰で仕上げ、
屋根は藁葺きだったが、のちに材料がコンクリートになったり、屋根もトタンに変わるなど改良された。
米やピーナッツ、トウモロコシ、サツマイモなどの貯蔵に使われた。どんぶり型で開口部が上の方にあるのはねずみよけの
ためという。昔から使われていた古いものがあって、造り直したということだろうか。
面白いなぁ!!

そろそろ日が暮れてきたので民居めぐりはこれにて終了。高鉄台中駅まで送ってもらってゴハンを食べてお別れ。
あぁ今日もたくさんの美しい伝統民居とタイルの数々を見ることができて本当に充実した。
築100年にもなる古い木造の邸宅を維持するのは大変な苦労があるだろうが、長年にわたり維持され、突然の訪問にも
快く入れて見せて下さった各家のご主人、そして忙しい中一日案内して下さった台湾花磚博物館の徐さんに心から感謝します。

続く
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