まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

彰化近郊のタイル民居めぐり2

2019-08-21 23:48:31 | ディテール
3月の台中の旅の続き。

鹿港のまちを離れ、再び郊外へタイル民居めぐりに出かける。どこをどう走ったのかよくわからないが・・・
ちょっと迷ったりしながら田園地帯の中にある小さな集落に到着した。道路から塀も何もなく、中庭はまわりの
草むらとひと続きになったような、素朴な感じの三合院。右護龍の屋根は落ちてしまっているな・・・(涙)


その正面の「正身」と呼ばれる棟の屋根の上に、、、ん?タイルじゃなくて透かしブロックじゃないの??
・・・と思ったら。


あっ!!いちばん上の細いラインがマジョリカタイルだ!!通常の正方形の半分の幅のタイルが一列にずらりと!!
おぉ~~見逃すところだった。こういうのはあまり見かけないが、金門島では見た気がする。


次に来たのは小さな集落の中のくねくねした道を入ったところにある、割と規模の大きいお宅。
門が2段構えとなっていて、扉のついた2番目の門が実質的に内外を分けるラインとなっている。
外側の庭は洗濯物干し場や、作業場のように使っているようだ。


赤レンガの壁に青くペイントされたドアはよく見る配色で、とても絵になるな!


そしてこの門の屋根の上に、マジョリカタイルがあった!正方形、ハーフサイズのタイル共に牡丹柄で揃えられている。


そして外側の庭に面した護龍はすでに廃墟化していたが、その入口の上にタイルが貼られていた!


額縁の中に、2種類のボーダータイルで縁を飾り、中央部には6枚組の彩絵タイルが。
中国式の建物と人と風景が描かれ、文字も見える。何かのストーリーを描いたものだろう。
こういう彩絵タイルも台湾には多いが、ベースの白タイルは日本製で、台湾で絵付けされ焼付けされたものだ。


住人のおばちゃんが家の前に出ていたので徐さんが会話して中へ入れてもらえることに。やった~
この家がちょっと変わっているのは、正身の前に亭子脚のような深い軒があって、その上にバルコニーのような
手すりがついているのだ。実際に上へ上れる構造にはなっていないと思われる。


その中央にもまた彩絵タイルが貼られている。タイルは18枚あるが、6枚組のものが3種である。


窓や通路の開口部の上にも、あちこちにタイルが。。。これらの意味をひとつひとつ聞いてみたいなぁ。




おばちゃんは収穫してきたニンニクを中庭に広げて干していた。生活の中に溶け込むタイル・・・
やっぱりそれがいいね!




護龍も2段構えになっていて、その間の中庭はだいぶ荒れていたが、奥の方の建物にもやはりタイルが。




こちらはステンシルタイプの組絵タイルが。




各部屋の入口の上にみなそれぞれ違ったタイルが貼られていて、各自の部屋の目印になっていたのかもしれない。
牡丹の間とか菊の間などと呼んでいたのかな。




しかし、これほどあちこちにタイルが散りばめられた家もなかなかないだろう。しかもいろんなタイプのタイルを
自在に使って家中を飾ってある。こういう貴重なタイル民居、保護してほしいなぁ。。。




こうやってタイルの使われた民居を見て歩いて思うのは、ほんとに台湾人はタイルを単なる実用的な建材と
してでなく、深い意味をこめて使用してきたのだ。タイルの一枚一枚にに思いが詰まっている。
それが日本との違いだったのではないだろうか。


しかし、この近所にあった閩南式の古い民居も、住む人がいなくなって廃墟となり自然に崩れ落ちたようだ。
棟の上から長年人々の暮らしを見つめていたタイルが、今や地面に転がり草に埋もれかけている。忍びない。。。


続く

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