まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

函館の建築めぐり カフェ三日月

2017-11-13 22:47:29 | 建物・まちなみ
函館の続き。

時折吹きつける突風のせいで傘の骨は一本、また一本と折れていく。曲った骨を反対向きに力を加えて戻すが
またすぐ曲がり・・・(苦笑)

おや、この建物は何だ?奥行が深く複雑な形だな。


右側のガラス張りのファサードはみかづき工房という雑貨屋、左の古そうなドアはカフェ三日月。いい感じ~
ここらへんでちょっと休憩しようと、中へ入ると・・・


うわぁ!玄関の上が吹き抜けになっている!!ただ天井が高いだけでなく、まるで銀行のように吹き抜けを
取り囲む回廊がめぐっているのだ。


吹き抜け空間が小さすぎるので実際は2階の床に井戸のような四角い穴が空いている感じだろう(笑)。


宮田商店、という表札が。


玄関の先には広い土間があって、薪ストーブが置かれていた。夏なので火は入っていなかったが
冬は暖炉を囲むようにぬくぬくしたくつろぎスペースになるんだろうなぁ~
写真の左奥が雑貨屋のスペース。手作り作家の作品など、かわいくてほしくなる品々が並んでいた。


土間に面して蔵の入口があるのが面白いなぁ!
あとから店主らしきお姉ちゃんと話して知ったのだが、宮田商店は質屋だったそうだ。
この建物は築100年以上のもので、玄関部分は昭和4~50年ごろの増築。ドアもどこかから持ってきた
ものだとか。吹き抜けの回廊に見えるところへは上がることができず、明かり取りのみだという。


ところで土間に置いてあったこれはなに!?かわいいタイル貼りの八角形の筒に目が釘付け!!


今のものかと思ったがまじまじ見ると、縁にはストレートエッジの役物タイルが使われているし、
目地にも使い込まれたつやが出ている。それに台座を見るとやはり古いもののようだ。


これは火鉢ですか?そうなんですよ。古いものなんですか?大正時代のものです。えぇ~~っ、素敵ですね!!


この台座は床に固定されてるんですか?いえ、動きますよ。・・・確かに、2ヶ所に取っ手がついている。
もともと火鉢だったんですか?そうですね、下がコンクリート詰めになっているんです。
一時は灰皿として使われていたみたいです。へぇ~~面白い!

カワイイ火鉢のとりこになってしまい、なめるように眺めまわした(笑)

もちろんお茶を頂く。写真撮影の許可は頂いたが常連さんらしきお客さんがいたのであまり写真を
撮れなかった。もともと和室だったところにソファーが置かれ暗めの明かりでとっても落ち着く空間だ。
一部がカウンター席になっている。


宮田商店は質屋をやめてから、今三日月工房になっているスペースでよろず屋のようなお店をされ、
15年ほど前まで住んでおられたとか。


階段は洋風。2階も見てみたかったが、上は設計事務所が借りているとのことで上がれなかった。


建具などはほぼそのまま。1枚ずつ違った柄のすりガラスや型板ガラスがはめられていて素敵だなぁ!!



外から見ただけでは、内部がこんなだとは分からなかったなぁ。お姉さんも気さくで、私がいろいろ聞いても
愛想よく答えてくれた。
強風と雨から一時逃げて、思いがけず魅力的なお店に出会うことができてよかった!

続く

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 函館の建築めぐり 旧相馬邸 | トップ | 函館の建築めぐり 大正湯 »

コメントを投稿

建物・まちなみ」カテゴリの最新記事