まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

北陸の旅 ~伏木の建築

2010-10-31 14:25:05 | ディテール
氷見で泊まった翌日は伏木で途中下車。伏木は以前も来たことがありとても楽しかった
思い出があるので、初探訪のyumeさんと一緒にもう一度うろつく。

前回も訪れた旧伏木測候所。これはその宿直室。
引き戸を開けたとたん吹抜けのように上へ開けた縦長の空間に驚く!
床面積より壁一面の面積の方が広いんじゃないか!?窓の大きさ高さといい・・・・
こんな落ち着かない和室はあまりないかも(笑)。

前に来ているので写真を割愛して、yumeさんの記事をご参照→外観内部

元々あった塔屋が昭和13年に撤去され、玄関正面の階段を上った2階は
今は単なる物置となっている。


こちらは伏木北前船資料館となっている、旧秋元家住宅。屋根の上に木造の望楼が
飛び出したこんな特徴的な外観なのに、なぜ前回来たとき目に入らなかったんだろう。
私の観察力もまだまだだ。


以前行った信州の豪雪の館や、岩村の旧勝川家住宅など、
純和風建築にもマジョリカタイルや色ガラスやきれいな便器などが使われていることが
よくあるので、ここでも建物の中へ入ってみることにした。

やっぱりあった!渡り廊下の手前に色ガラスが使われていた。ここを通るたびに
色ガラスから中庭の風景を見て楽しんでいたのだろう。

おっちゃんが北前船についての説明をしてくれた。北前船とひとことに言っても、船ごとに
寄港地は違っていたといい、引き札(チラシ)を配ってひいきの客を呼び込んだとか。
廻船問屋は1回の航海で数億円の利益を得、その利益でまた船を造って雪だるま式に
財を増やしていったようだ。お金はお金を呼ぶのである。私のような小市民のところには
なかなか回ってこない(苦笑)。

さてこの奥に見えているのが、裏の棟の望楼へ上る階段である。
二階からさらに上へ続く階段は、半間で1層ぶん上るぐらいの急峻さ。
省スペースにもほどがある!やたら狭い踊り場で向きを変え階段はさらに続く。
それでもこの階段室の壁や天井の押さえ縁には竹が使われていたり、手すりも
装飾があったりと、さすが豪商の邸宅だ。


おお!!望楼は四面とも開放できるようになっていたがこの日は風が強く
1面だけしか開けられないとのことだった。それでもここから見る伏木の町並みと
その背景となる富山湾、さらに奥に見えるのは立山連峰だろうか。
すばらしい眺め!


あぁそして、降りるときにきづいたのだが、さっき上ってきた狭苦しい階段が、
外から見た望楼にへばりついていた半円筒だったのだ!大工棟梁の腕により、
階段までも、取って付けたようでなく、美しく仕上げられていた。



伏木は初めてのyumeさんを案内して伏木商工会議所へ行くと、営業していた。
そうだ、今日は平日だったんだ。中へ入り建物を見せて頂けますかと聞いたら
慣れておられるのだろう、資料を持ってきて下さり、部屋の内部も案内して下さった。




銀行の面影ありありでほとんど手を加えずに使われているように見えるが実は
中央部が吹き抜けになっていたのを後に床を張ったのだという。


執務スペースの奥にある小部屋は応接室で、ドア周りの装飾のすごさといったら。。
内部も天井の照明の座刳りや窓まわりなどふんだんに装飾が施されている。


別棟の蔵を見せて頂いた後、2階へ。上り口の四半円弧の手すりが優雅。

後から床を張ったという2階の中央部は会議室として使われている。そして
小部屋が2つ。どの部屋もデザインの装飾が異なっている。
最後に外へ出て、分銅がモチーフとなった瓦屋根を見て感嘆。。。

商工会議所を出て如意の渡しの方を目指して歩いていると、港近くに古い列車の車両がたくさん
並べてあるじゃないの!?どうもイベントがあった後のようだ。中には入れなかったが
旧い車両が見れてラッキー!


如意の渡しの乗り場へ着いたら・・・・なんと!!なくなっている・・・・
伏木万葉大橋が完成したことにより廃止されたらしい(涙)。うわ~ん!!

長い長い取付道路を歩いて、ビュービュー強風が吹き付ける伏木万葉大橋を、20分ほどかけて
歩いて渡り、また10分ほど歩いて、万葉線中伏木駅へとたどり着いた。車には便利になったの
だろうが、徒歩の人はどうすればいいの!?

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 直方のシュークリーム | トップ | 北陸の旅 ~城端駅と城端のまち »

コメントを投稿

ディテール」カテゴリの最新記事