横浜の電業会館のビルがついに解体・・・
今年の6月、平日に休みを取って横浜のホテルニューグランドへ行った帰り、旧横浜市役所を偵察がてら関内駅まで歩き、
そういえば関内駅の北側って全然知らないなとふと思い立ち、ちょっと歩いてみることにしたのだった。
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おっ、なかなかいい昭和のビルがあるな、と、いくつかのビルを撮りながら先へ進んでいくと、公園越しに何やら
モヤモヤしたビルが目に入った。おや、あれは・・・
よくある水平連続窓の小規模なオフィスビルなのだが、そのファサードがどうも気になる。
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公園をズバッと斜めに横切り最短距離で近寄って行くと、おぉ、おぉ・・・?なんじゃこりゃ~~~!!
水平連続窓のオフィスビルと言えばファサードは渋い小口タイルと相場が決まっている。なのに、このビルは、
ブルー、グリーン、イエロー、ピンク、オレンジ・・・・とりどりの色のタイルをわざわざ粉々に割ってそれを
再びモザイクのように集めて構成し、水平窓のガラスを挟んだ各階の壁に貼ってあるのだ。
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と言っても壁いちめんを埋めつくしているのではなく、格子状の目地を残して几帳面に貼ってある。
それも水平の格子と斜め格子のダブル格子だ。何だかなまこ壁にも見えてくるな・・・
いや、それだけではない。よく見ると格子のパターンの上に何とウェーブ状の模様が浮かび上がっているではないか!
これはすごく計算されたデザインだ。絶対素人の作ではないな。。。
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このクラッシュタイルはもともとは小口タイルだったものとみえる。色は一枚の中で濃淡があり味わい深い。
対角線できれいにカットされているものも多く、単に砕いたものではないようで、どこかで使った残りなのかもしれない。
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「電業会館」という袖看板が掲げられており、入口脇のプレートには、一般社団法人神奈川県電業協会、
神奈川県電設健康組合、神奈川県電設厚生年金基金、とある。中のオフィスに人がいるのが見えた。今日は平日なのだ。
このモザイクの設計者が誰なのか知りたくて、オフィスに声をかけて尋ねてみると、○○年史のような本を見せて下さった。
それによると、設計・監理は(株)創和建築設計事務所、施工は大成建設(株)横浜支店。
『昭和40年3月15日(月)、旧会館の取り壊しを完了し、同月18日(木)15時より、現地において、神奈川県
副知事ほか県・市その他来賓及び関係者46名出席のもとに起工式を挙行した・・・(中略)・・・落成式は、
津田神奈川県副知事、飛鳥田横浜市長以下、来賓168名、会員関係者103名出席のもとで厳粛に執り行われ、
式後、3階・4階において盛大な披露パーティが展開された。』
晴れやかな光景が目に浮かぶ。
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そしてこのビルのイラストが描かれた冊子まで下さって感激!!
・・・しかしモザイクの作者は不明。ネットで検索しても電業会館のこのモザイク壁についての情報は見つからなかった。
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ところで同時にショックなニュースも・・・「もうすぐ建替えになります」。ええ~~~~っ!?
「いつですか?」「はっきりとは決まっていませんが、年内には」。ええ~~~っそんなぁ!?
恋に落ちたとたんに失恋した、そんな気分。。。
こんな素晴らしいモザイクが、作者もわからないまま、瓦礫になってしまうのか!?悲しすぎる・・・
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残念でならないが、ビルを買い取るお金もない(涙)。今は、壊されてしまう前に見つけられたことを
幸運と思おう。。。
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ハートブレイクのまま、ビルの裏へ回ってみたら・・・
なんと、細い道に面したビルの裏側も表側と同じような水平連続窓のファサードだ。
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こちら側の壁は茶系のモザイクタイル貼りで、壁全体が抽象画のような格子模様になっている。
両面が同じように水平連続窓とは珍しい。
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そしてこちらには「堂ノ下ビル」とかいてあった。これが電業会館の正式名なのか、それとも中で分かれているのか?
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フリーハンドで描いたような線。
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その後私は大阪に帰任したが、ずっと気になっていた。12月中旬、出張のついでに様子を見に行ったら・・・
もうもぬけの殻のようで前の道路にカラーコーンが置かれていた。出てきた工事の人に尋ねてみると、
解体工事はちょうどその週から着工したといい、外観は変わっていないが内部はもう解体を始めているということだった。
悲しみに暮れたまま、あちらから、こちらから、眺めていた。去りがたし、あぁ去りがたし・・・・
12月ももうあと数日となった今、、、あの素敵な電業会館はもうこの世から姿を消してしまったのかな・・・(涙)
せめてこのブログに記録として残しておこう。
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※神奈川県電業協会は馬車道の方に移転しています。
今年の6月、平日に休みを取って横浜のホテルニューグランドへ行った帰り、旧横浜市役所を偵察がてら関内駅まで歩き、
そういえば関内駅の北側って全然知らないなとふと思い立ち、ちょっと歩いてみることにしたのだった。
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おっ、なかなかいい昭和のビルがあるな、と、いくつかのビルを撮りながら先へ進んでいくと、公園越しに何やら
モヤモヤしたビルが目に入った。おや、あれは・・・
よくある水平連続窓の小規模なオフィスビルなのだが、そのファサードがどうも気になる。
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公園をズバッと斜めに横切り最短距離で近寄って行くと、おぉ、おぉ・・・?なんじゃこりゃ~~~!!
水平連続窓のオフィスビルと言えばファサードは渋い小口タイルと相場が決まっている。なのに、このビルは、
ブルー、グリーン、イエロー、ピンク、オレンジ・・・・とりどりの色のタイルをわざわざ粉々に割ってそれを
再びモザイクのように集めて構成し、水平窓のガラスを挟んだ各階の壁に貼ってあるのだ。
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と言っても壁いちめんを埋めつくしているのではなく、格子状の目地を残して几帳面に貼ってある。
それも水平の格子と斜め格子のダブル格子だ。何だかなまこ壁にも見えてくるな・・・
いや、それだけではない。よく見ると格子のパターンの上に何とウェーブ状の模様が浮かび上がっているではないか!
これはすごく計算されたデザインだ。絶対素人の作ではないな。。。
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このクラッシュタイルはもともとは小口タイルだったものとみえる。色は一枚の中で濃淡があり味わい深い。
対角線できれいにカットされているものも多く、単に砕いたものではないようで、どこかで使った残りなのかもしれない。
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「電業会館」という袖看板が掲げられており、入口脇のプレートには、一般社団法人神奈川県電業協会、
神奈川県電設健康組合、神奈川県電設厚生年金基金、とある。中のオフィスに人がいるのが見えた。今日は平日なのだ。
このモザイクの設計者が誰なのか知りたくて、オフィスに声をかけて尋ねてみると、○○年史のような本を見せて下さった。
それによると、設計・監理は(株)創和建築設計事務所、施工は大成建設(株)横浜支店。
『昭和40年3月15日(月)、旧会館の取り壊しを完了し、同月18日(木)15時より、現地において、神奈川県
副知事ほか県・市その他来賓及び関係者46名出席のもとに起工式を挙行した・・・(中略)・・・落成式は、
津田神奈川県副知事、飛鳥田横浜市長以下、来賓168名、会員関係者103名出席のもとで厳粛に執り行われ、
式後、3階・4階において盛大な披露パーティが展開された。』
晴れやかな光景が目に浮かぶ。
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そしてこのビルのイラストが描かれた冊子まで下さって感激!!
・・・しかしモザイクの作者は不明。ネットで検索しても電業会館のこのモザイク壁についての情報は見つからなかった。
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ところで同時にショックなニュースも・・・「もうすぐ建替えになります」。ええ~~~~っ!?
「いつですか?」「はっきりとは決まっていませんが、年内には」。ええ~~~っそんなぁ!?
恋に落ちたとたんに失恋した、そんな気分。。。
こんな素晴らしいモザイクが、作者もわからないまま、瓦礫になってしまうのか!?悲しすぎる・・・
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残念でならないが、ビルを買い取るお金もない(涙)。今は、壊されてしまう前に見つけられたことを
幸運と思おう。。。
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ハートブレイクのまま、ビルの裏へ回ってみたら・・・
なんと、細い道に面したビルの裏側も表側と同じような水平連続窓のファサードだ。
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こちら側の壁は茶系のモザイクタイル貼りで、壁全体が抽象画のような格子模様になっている。
両面が同じように水平連続窓とは珍しい。
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そしてこちらには「堂ノ下ビル」とかいてあった。これが電業会館の正式名なのか、それとも中で分かれているのか?
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フリーハンドで描いたような線。
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その後私は大阪に帰任したが、ずっと気になっていた。12月中旬、出張のついでに様子を見に行ったら・・・
もうもぬけの殻のようで前の道路にカラーコーンが置かれていた。出てきた工事の人に尋ねてみると、
解体工事はちょうどその週から着工したといい、外観は変わっていないが内部はもう解体を始めているということだった。
悲しみに暮れたまま、あちらから、こちらから、眺めていた。去りがたし、あぁ去りがたし・・・・
12月ももうあと数日となった今、、、あの素敵な電業会館はもうこの世から姿を消してしまったのかな・・・(涙)
せめてこのブログに記録として残しておこう。
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※神奈川県電業協会は馬車道の方に移転しています。
菊畑茂久馬の長男が主宰しております「菊畑茂久馬美術青家協会」でプロデューサーをしているYです。
ブログで神奈川電業会館を取り上げてくださりありがとうございます。
差し支えなければ公式Instagramで紹介したいのですが、ビル外壁の写真使用とブログへのリンクをさせて頂ければありがたいのですが、ご許可頂けませんでしょうか?
Instagramのurlも貼っておきますのので、(謝礼はありませんが)ご検討の程、よろしくお願い致します。
電業会館のモザイク作者は菊畑茂久馬という美術家だったのですか!
ずっと分からなかったので、教えて頂きありがとうございます!
同じような水平連続窓のビルはこの時代に無数に建てられていますが、
通常はタイルの色や質感を選んで個性を出す程度で、
この部分の壁をモザイクで飾るというのは珍しいですし
高名なアーティストが手がけたというのは本当にすごいですね!
このビル本当に好きでした。壁まるごと保存してほしかったです。。。
年は越したようですね。。。そろそろ工事が再開されるでしょうか。
素敵なビルだったのに残念です。。。
前から気になっていた建物です。
モザイクの作者は不明とのことですが、少し建設当時のことなど教えていただき、ありがとうございました。