『屍境 ニューギニアでの戦争』
昭和十八年(1943年)からのニューギニアが舞台。大東亜戦争の最前線として日本軍は精鋭部隊を大量動員してこの作戦にのぞみ、米豪軍も戦況挽回に向けて正面突破の体勢でこれに挑んできた。未開の土地でぶつかり合う戦争にかり出された戦力は帝国陸軍だけで約14万人。そのうち生きて終戦を迎えられたのは1万3千人に過ぎなかった。その凄まじさ悲惨さは、帝国陸海軍という巨大な官僚機構がもたらした眼を覆わんばかりの破局を示している。70年前、日本はどのように戦いどのように敗れていったか。知らなかったとか忘れ去ってしまったとかで、済まされることではない。
国民が初めて実現させた「政権交代」劇がぶざまに瓦解し、東日本大震災という悲劇にあってマフィアとも言うべき既得権益集団や官僚が暗躍跋扈している現状を見るにつけ、70年前の悲劇を現在の日本がどこまで教訓化しているのか心許ない。おかしてしまった失敗を、まずはっきり見つめなければ、未来への保証は持ち得ない。戦争や大災害は、一部の人間に限られた問題ではなく、国民全体の運命にかかわる問題なのだから、国民自身が真相を直視すべきなのだ。
著者紹介
福井孝典は1949年生まれ。76年から横浜市の中学教師として35年間働き、定年退職した。その間、浜教祖執行委員や在サウジアラビア、ジェッダ日本人学校へ派遣された経験もある。高校時代は剣道部と文芸部の部員で、創作活動はずっと継続。作品は、柿本人麿や藤原不比等を扱った『天離る夷の荒野に』や70年代の学生運動を扱った『眠らざる孤塁』や日教組400日抗争を扱った『不惑の年に』等、多数。
「昭和32年の広島と子ども支援法」
話題提供者:清水照信さん(映像作家)
★11月16日(土)15:00~ 座談会
「かしこい消費者講座③-医療保険の実際」
★11月23日(土) 祝日によりなし
★11月30日(土)15:00~ 座談会
「私の歩んできた道」
★12月7日(土)15:00~ 座談会
「大間原発建設反対現地集会参加の報告」