4月1日(日)快晴 気温34℃ 湿度48%
今朝も5時5分のアザーンで目が覚めた。日本は桜が満開の頃だろうか。
朝は20℃程度で涼しい。露点に近く、湿気が高い。午後1時ごろには34℃を記録、湿度が下がるが、直射日光がきつくなる。現場に行くにはサングラスが必須になる。
朝、Officeに到着してしばらくすると、「ボス、コーヒー?」とインディアンの若者が顔を出す。「イエス、サンキュー。70%。」と答えると、すぐ紙コップ7部目のコーヒーを持ってくる。最初は満杯で持ってきたが、甘さが足りないので、7割でちょうどいい。約2時間ごとにコーヒーを持ってくる。彼は一日、コーヒーばかりを入れている。愛想のいい若者だ。先日、机の上でコーヒーをこぼしたが、すぐにティッシュを1箱持ってきて、ティッシュがなくなったらいつでも言って下さい。すぐに代わりを持ってきますと謝るので、怒る気にもならない。
相変わらず、トイレは水浸しで汚い。ここも、インディアンの若者が毎日掃除している。手拭のペーパーをセットしているローラーがいつも不調で、ついに送り出し装置を使わず、手動で引き出すようにしてうまく使えるようになった。しかし、今日は紙が切れて、代わりに手拭用にトイレットペーパーを洗面台の上に置いていた。
プロジェクトマネジャーの秘書にレターのタイピングを頼む。彼も男。これまで、ブエノスアイレス、東京と常に2~3人の女性秘書がいたが、ここには女性はいない。男性秘書、男性クラーク、彼らは、少しの仕事を大事に、長時間かけて処理する。時々「どうなっている?」と確認しない限り、仕事は進まない。
この工場には女性がいない。ここは男だけの世界だ。
女性の顔は、昼食時のテレビに映るアルジャジーラの彫りの深いアラブ女性だけだ。
レストランの厨房も全て男性。昼食で列を作っていると、前に並んだ男が、通りかかった男に声をかけて、「久しぶりだなー」と話しかける。二人はきつく抱き合って、手を握り合って話している。見つめる目と目はゲイの世界だ。
コミュニティーでたまに見かける女性は、全身黒いマント(アバヤ)に身を包み、顔はまったく見えない。たまに出かけるジェッダのショッピングマートで、東南アジア系と見られる女性、西洋人だけは、顔を出しているが、サウジの女性は相変わらず、黒い覆面をしている。
中東のイスラムの世界では、女性は、高級家具と同じ扱いだ。ご主人様以外には顔を見せない。結婚は、親が決めた相手とする。たまにある恋愛結婚は、小さい頃から顔を知っているいとこ同士くらいだという。顔が見えない相手では、品定めのしようがない。
彼女たちは、テレビがあるので、よその世界を知っているはずだが、そんな外の世界へのあこがれはないのだろうか。しかし、ショッピング意欲は旺盛のようで、休日のショッピングセンターはアバヤの女性であふれている。あの黒いマントの下に、夜会にでも着ていくようなドレスを着て、化粧をして、それを見せるのは、彼女のご主人様だけ。異様な世界に思えるが、それは違う世界から来た部外者の、勝手な思い込みに違いない。
慣れてしまえばどうって事は無いが、女性と言葉を交わすことが皆無の世界は、やはり潤いに欠ける。
やぁやぁと言って肩を抱き合う位はまぁ良いとして、ブチュブチュとほっぺキスをする濃厚な挨拶を。
そこで考察 - 昔(アラビアのローレンスの頃)、オアシスから一歩外にでたら無事に帰ってこれるか判らない。砂漠で嵐にでも起ころうものなら絶対絶命!行方不明間違いなし! 自分の現在居る場所から離れるってことは決死の覚悟が必要なのでしょう。
それで久しぶりの我が同朋に会うとお互いの生存を喜び濃厚な挨拶となってします。
いかがでしょうか?
男女なら羨ましい光景ですが、ひげ面の男同士では、ただ不気味です。