犬が重い口をひらいた。
この犬には忘れたくても忘れられぬ
涙なしでは語れぬ過去がある。
それは、齢6ヶ月頃、人間が食べている食事の
たいそう美味しそうな香りに心と鼻が惹かれ、
欲しくて欲しくてもうたまらなくなった犬は吠えた。
ワンワンワンワンワン
ワンワンワンワンワン
貰えるまで吠え続ける覚悟で、一所懸命
吠えて吠えて、「その食いものをよこせ!!」と
飼い主に訴えた。
それはそれは凄まじい勢いで吠えた。
が、しかーし、飼い主は人間の食べ物を自分に分け
与えてくれる、もしくは何か代わりの食べ物を与えて
くれるなどの心優しい対応は一切してくれなかった。
むしろ、吠えれば吠えるほどに、飼い主から
完全シカトを貫かれたのだ。
※飼い主談※
五月蠅すぎて飯が食えん。吠えるやつは許さぬ。
吠えても吠えても、シカトされ飼い主の視界に入る事さえ
許されなかった悲しく辛い思い出だと語るQさん。
犬は吠えれば、飼い主がこっちを向いて食べ物をくれるん
じゃないかと淡い期待を込め吠えていたのに、その結果は
吠えるほどに飼い主がそっぽを向き視界にすら入る事を
許されないという、意に反した散々な結末であった。
或る時、犬は吠えている最中に自分が飼い主の
視界にすら入れていない事に気が付いた。
だから、飼い主の顔の前に移動して吠えた。
しかしその結果は、無念にもまたそっぽを向かれた。
※飼い主談※
吠えてもシカトされ視界に入れない為、小首をかしげ
ながら移動して吠えてますた(笑) (←ホントです)
こうして犬は悟るのであった。
吠えても無駄だという事を。
おまけに、ソファーの肘掛の部分に乗って吠えていた為
「小生意気だ!!」と、強烈なゲンコツを落とされ、散々な
結果に終わった事で、おねだり吠え(要求吠え)はしない
ほうが良い事を体をもって学んだのであった。
振り返っても、それはそれは
辛い過去だったと語るQさん。
過去を語ったQさんの、その目には涙が滲んでいた。(←大ウソです)
最終的に犬はこの経験を通し、人間の食べ物が
欲しい時は、一瞬の隙をついて盗む事と、ヨダレを
ボッタボッタ落としながら、ウルウル瞳で飼い主を
見つめる演技をするという秘策を身につけたのであった。
そのほうが欲しいものを手中に収められる成功率が
かなり高いからだ。
Qさんが、そんな秘策を身につけて、早や1年
以上が経過していた。
今では、その秘策を思いのまま操る事ができる
とQさんは語る。
昨夜、そんな秘策を秘めたQさんにものすっごー機会が
思いもかけず、それは突然訪れた。
まるで恋のお相手が目の前に突然現れたかのように、
それは突然の訪れであった。
なんと!! 昨夜の人間のご飯は、寿司!!
回る寿司ではない。宅配寿司。
(※北海道の宅配寿司をナメるでない。宅配であっても美味しいのだ。）
しかも、茶碗蒸しやらオードブルやら、何やら
おまけがいっぱいついている。
その食卓から漂う香りは、ただ事ではない。
そんな状況は、この犬の秘策を華麗に披露するに
もってこいの絶好の機会である。
もちろん、Qさんは秘策披露の絶好の機会を
逃さなかった。
ヨダレをこれでもかー!!という程に床に垂らし
声を発せず、うるんだ瞳で飼い主を一途に見つめる。
滴り落ちるヨダレの量は尋常ではなくなっていた。
するとどうだろう。効果はてき面であった。
犬生初の中トロゲットに見事成功したQさん。
幼き日に習得し日々磨きあげた技が今まさに
華々しく日の目を見ているではないか!!
初体験の中トロのそのお味を、堪能する間など
なく思わず贅沢に一口でいってしまった。
しまったー!!と後悔していたら…
なんと、気を良くした飼い主から中トロを2回もゲットし
嬉しいイモのおまけまで付いてくるという素敵事態に
遭遇したQさん。
もう今年の運を全て使いきってしまうような勢いに
この日のQさんの心は天まで飛翔するような思い
であった。
そんな贅沢なものを初体験したQさんは、
いつまでも、いつまでも夢心地であった。
めでたす、めでたす♪
★お詫び★
寿司写真撮り忘れましたｗ
しかもオードブル写真、食べかけですみません。
贅沢なワンコで本当に、どーもすみません(笑)
ペコm(_ _;m)三(m;_ _)mペコ
一日限りの夢です。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
ランキング参加中です。応援して頂けたら嬉しいです。
(どちらか、ひとつクリックお願いします)
Please click here!! --BlogMura mixdog m--
Please click here!! --BlogRanking Pet(dog)--
