時間が空いてしまいましたが、前回に続いて安倍総理の辞任に関する私なりの意見を書こうと思います。
前回、安倍総理の辞任そのものよりも気になった事が2つあると書きました。
それは辞任表明前に安倍総理が語った「安全保障」と「コロナ対策」のことです。
・「安全保障」について
辞任会見の前段で、安倍総理は「北朝鮮のミサイル開発について」語りました。
その中で、
「攻撃を受けることを甘んじて待つ事が正しいのか」
と発言し、敵基地攻撃能力の保有をほのめかしました。
イージスアショアの頓挫後、敵基地攻撃能力の保有について議論されている事は承知していますが、総理大臣が自ら肯定的に発言するのはこれが初めてだと思います。
憲法9条を根底から覆すこの発言は、辞任会見の影に隠れてほとんど取り上げられていません。
私は9条を絶対とは思っていません。
しかし憲法に明記している以上、それを飛び越えて先制攻撃を容認する発言を総理大臣がするのは異常だと思います。
しかも自身の辞任の前段で発言するなど言語道断と感じます。
・「コロナワクチン」について
安倍総理は「国民全員分のワクチンを確保する」方向で進めると明言しました。そしてその財源は第二次補正予算の予備費であると。
先日、香港で既に新型コロナに感染している患者が別タイプの新型コロナに感染した事が確認され、大きなニュースになりました。
その意味は「ワクチンを投与しても別タイプの新型コロナは防げない」という事だと思うのですが。。
この状況で、辞めていく人間が国民全員分のワクチンを確保する約束をする必要がどこにあるのでしょうか?
しかも財源は第二次補正予算の予備費。
10兆円もの予備費で、
「政権に白紙手形を与えるのか」
と議論を呼び、野党提案で
「半分は国民への補償に使う」
と約束したお金です。
1億2000万の国民全員分のワクチンがいくらかかるのか分かりませんが、かなりの高額となるでしょう。果たして予備費をどれだけ使う事になるのか、、?
ワクチンの効果自体が危ぶまれる今の状況で、なぜ新総理の判断の前に決める必要があるのでしょうか??
この2つの重大な「前段」発表の後、安倍総理は自身の辞任を表明しました。
案の定、世間は辞任と次の総理の話題でもちきりになり、この2つの「前段」発表についてほとんどスルー状態です。
これから辞める人が、なぜこのような重要な案件を決めるのか??
安倍総理の体調よりも、次の総理よりもはるかに重大な問題と感じるのは私だけでしょうか。。