専門家会議の尾身副座長が日本のクラスター対策の特徴について語った記事があります。
なぜ日本は死者数が少ないのか?という謎について、説得力のある話だと思います。
日本のクラスター対策の特徴は
新規感染者がどこで感染したかを特定し、共通の感染源にいた濃厚接触者を洗い出す「さかのぼり接触者調査」
であり、他国ではほとんどされてないそうです。
日本が「さかのぼり接触者調査」を行った理由について、以下のように語っています。
「今回の新型コロナウイルスでは、疫学調査を行った保健所の人たちの報告によって重症、軽症にかかわらず、感染者が5人いたら4人は誰にも感染させないということが、かなり早い時期にわかっていました」
「初期の頃から、押谷先生がしきりに、このウイルスの感染伝播の傾向は『不思議だ』とおっしゃられていた。通常のインフルエンザとは感染伝播の傾向が違いますので、特に初期の段階でクラスター制御ができれば一定程度感染拡大も制御できるという戦略でクラスター対策を実施してきました」
この「さかのぼり接触者調査」による結果として
「3密」での感染が多いことを突き止め、水面下での感染も防ぐことがてきた
その結果として隠れ感染者数を抑えられ、不測の重症患者も減り、死者数も少なく抑えられたということでしょう。
この尾身さんの説明はとても説得力があると思います。
今回の尾身さんの説明について、詳しい方にしてみれば
「前から専門家会議はずっとそういってたじゃないか」
という内容かも知れません。
一つ一つの話は聞いたことがあるけれど、こうして点と点を繋いで全体として説明を受けて、私は初めて「さかのぼり感染者調査」について理解ができました。
こうして全てを関連付けて総括してもらった方が、多くの方にとってもわかりやすいと思うので、こうした発信はぜひ続けて欲しいと思います。
一方で、政府は専門家会議の議事録を作っていないと言います。
議事録こそ、こうした対策全体を皆で確認できる唯一のものではないでしょうか。
しかも3月に
新型インフルエンザ等対策特別措置法
が成立する際に「記録は全て残す」事を約束したばかりなのに、最も重要な対策会議の議事録を作成していないとは。。
世界中で対策を模索している新型コロナ、日本の対策の中心となる会議の議事録がないことを、世界にどう説明するつもりなのでしょうか。