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映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

チャールトン・ヘストン氏死去

2008-04-07 13:06:34 | 映画・舞台等関連情報や雑感
のち
アメリカ映画界を代表するスターだったチャールトン・ヘストン氏が、今月5日に亡くなりました。享年84歳。
Variety Japan

このところ、子供の頃から観て来た映画のスターや監督、また作曲家さんたちの訃報が相次ぎ、寂しい気持ちにとらわれてしまいます。
ヘストンについては、『ベン・ハー』(1959)『猿の惑星』(1968)という二作を押さえておけば、とりあえず大丈夫──って、大雑把な書き方ですみません。『十戒』は正直、有名な割に映画としての出来は今いちなので。
もう一作選ぶとしたら『大いなる西部』(1958)でしょうか。『ベン・ハー』と同じウィリアム・ワイラー監督作品です。ワイラー監督については、『ローマの休日』の監督と言った方が判り易いかも。超大作から小品、歴史劇からラブロマンスからミステリから心理サスペンスまで、何を作ってもハズレなくA級作品に仕上げることの出来た名匠です。
ヘストン出演の二作も、堂々たる大作ながら冗長な絵物語にならず、エンターテインメント作品としてちゃんと面白い上に、登場人物の心理や感情と映像との見事な合致ぶりには何度観ても感心させられます。
『大いなる西部』のヘストンは、東部から来た男グレゴリー・ペックと対比されるワイルドなキャラクターが魅力で、ペック以上に人気を博しました。歴史劇に出まくる以前には、むしろ「ジーンズの似合う俳優」として注目されていたそうです。

とにかく1950年代から60年代にかけてのハリウッド超大作主演俳優と言えばこの人!という印象でした。とかくそういう大作の主演俳優と言うと、大根っぽい人が多い、寧ろ大根役者であっていい、というくらいで、一作のみに名を残す俳優や、それだけで消えて行った人たちが多数いました。
その中でヘストンが単なる「英雄役者」に終わらず、70年代に到って大作の主流が歴史劇からパニックムービーに移っても活躍し続けたのは、存在感だけでなく、やはり確かな演技力があったからだと思います。失礼ながら、古典的な美男俳優ではないところも幸いしたかも知れません。また、SFを理解できる人であった点も強みだったのでしょう。

全米ライフル協会の会長に就任、銃規制反対の急先鋒として、マイケル・ムーア監督に「突撃」された頃から、何やら「晩節を汚した」感が漂ってしまったのは残念でしたが、ティム・バートン版『猿の惑星』(この映画はバートン監督としては殆ど唯一の駄作だと思っていますが)にもカメオ出演してくれたり、基本的には好感の持てる人だったと思っております。

クリスチャン・ベイルにはまったおかげで観た1990年のTVムービー『デビルズ・パイレーツ』(『宝島』)については、当ブログのここで取り上げたことがあります。
あのジョン・シルバーも良かったですよ。原作に忠実なバージョンとして、ほぼ理想のシルバーでした。彼のシルバーにクリスチャン・ベイルのジムというのは、今となっては奇跡の如きキャスティングだったと思います。

大いなるスターよ、永遠に。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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