元旦の東京は雪こそ降らないものの、かなり寒く、初詣も深夜のうちに最寄りの神社で済ませたし、お店も開いていないしで、一日家から出ませんでした。
昨年身内に不幸があったため、今年は年賀状の整理もお返事書きもなく、何となくのんびり(だらだら?)モードの元日に何をしたかと言うと、『王の帰還』エクステンデッド・エディション鑑賞だったんですね。
なかなかこういう時でもないと、まとまった時間は取れませんし。家族も一緒に観る都合上、吹替での鑑賞になりましたが、指輪の吹替はけっこう好きですし、それはそれで良かったです。
それにしても、今回もまた「原作のデネソール侯はあんな人じゃないんだよ~」と説明したり、「はっ、そう言えば王→執政への癒しの手はカットされちゃってたのよね」と、嫌なこと(?)を思い出したり、フロド&サム+ゴラムルートの「レンバス事件」はなあ~…と改めて脱力したり、王様のヘタレ度はこのSEEの方が寧ろアップしてるよなあ、と思ったり、いろいろツッコミ所満載の『王の帰還』ですが、全体としてはやはり面白いし、感動します。
私にとっては、ファラミア大将と、かれを演じたデイヴィッド・ウェナムさんに入れ込むきっかけとなった記念すべき映画でもあり、改めて見直すと、この映画でのデイヴィッドの演技は、他のどの映画の彼とも違うなあと思いました。
またそれ以上に、今回久しぶりに観て感じたのは、「ホビットは素晴らしい!」ということでした。
いろいろ迷ったり、しなくてもいい諍いなどしてしまう人間たちが、彼らの持つ根本的な「強さ」や力や優しさにどれだけ助けられたか、ということが、このSEEではより明確になっているように思います。
メリー、強くて優しくて賢くて、ほんとに「いい男」だなあ。ピピンの存在には、あのドロドロ執政家(…)の皆さんが、ボロミアも含めてどれだけ救われたか。もちろん本人の成長ぶりも目覚ましかったし。
いつもメリーに助けられてばかりだったピピンが、傷ついたメリーに「僕が助ける」と言う所は、いつ観てもじーんと来ます。
そして、フロド……彼の背負わされたものの重さと、その旅の困難さを思えば、誰が彼を責められるでしょうか。事実、すべてを知っているサムは、一度たりとフロドを責めたりはしてません。
それでも、その「罪」をも含めた彼の傷と痛みを癒すものは、海のこちら側には存在しなかったのです。
「この世」では決して癒されず浄化もされない罪や傷が存在する、ということは、原作者の信仰と深く関わってくると思いますが、そのことと、上述したホビットたちの素晴らしさをとにもかくにも描いてくれた点で、やはり私はPJを悪くは言えません。
本当にこの三部作は、映画史に残るエポックメイキングな映画だったと、改めて思いました。