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映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

ひそやかに歌う六甲おろし

2005-10-10 13:54:56 | 雑記

晴れの特異日と言われる今日の日付ですが、朝から雨。
家でおとなしくしています。俳優さん関連の話題もお休み。
あ、ジャイアンツファンのかたは本日のエントリーはお読みにならない方がいいと思います。まあタイトルで警戒しますよね。

せっかく優勝したって言うのに、思わぬ所から火の手が上がってしまった感のある阪神タイガース。
別に熱狂的ファンて訳でもないし、今年の試合だってちゃんと観てた訳じゃないけど、父親が長年のファンなので、その影響でひそかに応援はしているのです。『六甲おろし』もフルコーラス歌えます。
と言うと、「え?関西ご出身ですか?」と訊かれたりしますが、すみません、江戸っ子とは言わないけど、四代くらい前から東京以外の土地に住んだことのない東京者です(笑)。
父の兄姉(父は末っ子)も全員「関東の虎ファン」。これは濃いですよ~。
以前、ジャイアンツの親会社系テレビで、自称熱烈Gファンアナウンサーが「ジャイアンツの優勝なくして日本の未来はありません!」とか言っているのを聞いて、「何言ってやんでえ!ふざけんなよ!」と(本当にこういう口調で)怒っていたくらいです

なんでそうなったかと言うと、父によれば、戦後間もない頃のプロ野球界に於て、ジャイアンツは野球に興味を持ち始めた頃の子どもにとって魅力あるチームではなかったようです。主力選手が戦争に取られた事情もあるにせよ、「弱い上にドン臭かった」とのこと。
それにひきかえ、タイガースにはその後球史に名を残すような綺羅星の如きスター選手が揃って、豪快かつスマートなプレイを見せてくれていたのだそうです。
そんな訳で、父と同世代には「東京の虎ファン」がかなり多いみたいですね。
実はジャイアンツのV9時代にこそ、彼らの「心の結束」が強まった面もあるのではないでしょうか。
当時のタイガースは、その後のように低迷していた訳でもなく、「ジャイアンツを倒せる位置にいた唯一のチーム」ではありましたが、その「決してナンバーワンになれない者の悲哀」が、東京っ子の反骨精神や男心(笑)に触れたと思われます。
しかし、チームがどれほどドン底にある時でも、激しく罵倒しつつ決してタイガースを見捨てないのが、虎ファンの虎ファンたる所以と申せましょう。

文化人類学的な見方をすると、V9時代からのファンを中心とするジャイアンツファンには、「千年王国幻想」を感じてしまいます。長嶋さんへの崇め奉り方なんて、殆どカルトですよね。
一方、雌伏と屈辱の時代のタイガースファンには、中南米のククルカン(ケツァルコアトル)崇拝に通じるもの、つまり「王(もしくは去って行った神)の帰還」を待ち望む人たちの姿を見てとることが出来ました。

と言う訳で、日本に於て野球とは、一スポーツであるに留まらず、文化であり、時には宗教の代替物でもあったのだな、と思います。だから野球を語る時、日本人はあんなに熱くなるのだろう、と。野球に限った話ではなく、現在「スポーツ」と呼ばれるものの中には、かつては神事でもあったものがかなりありますしね。
まあ、これらの論考(?)に「お遊び」以上の意味はありません。
とは言え、『博士の愛した数式』(小川洋子)の「江夏の背番号(28)が完全数であること」の発見には、やはり感動を覚えたりもします。

何はともあれ、非常に遅ればせながら優勝おめでとうございます!

蛇足:でも自分がリアルタイムで見た最強チームって言ったら、森監督時代の西武ライオンズだったよな~。V9時代のジャイアンツは知らないけど、あれほど隙なく完璧に強かったチームは、その後見たことがありません。
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