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夜のうちは雨が降ったようですが、朝になるとよく晴れて、また気温が上がりました。
朝ドラを観て洗濯してから、ちょっと早めのバスで娘の最寄駅前へ。今日は待ち合わせて新宿へ行く約束をしていたのです。
しかしその前に——
急いで家を出たせいか、バスに乗ってから杖を忘れたことに気がつきました!平地を歩く分には問題ないし、娘も一緒ではありますが、先日の転倒事故のこともあり、バスや電車の乗り降りや階段の昇り降りなどまだ不安が残るので、念のためダイソーで安い杖を買うことに。前にも何度かこんなことがあり、うちの玄関には杖が溜まっています。
杖を手に電車に乗って新宿へ。目的はその転倒した日に入場断念したSOMPO美術館の「山下清展」です。
まずはその前に腹ごしらえ。京王モールの《こめらく》で、期間限定メニューの鯛と柚子こしょうのおひつごはんをいただきました。
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ご飯を少し食べてからポット内のおだしをかけ、だし茶漬けとして二度楽しめます。テーブルの上に刻み海苔や削りぶし、あられにわさび漬けなども置いてあり、味変も自由です。こめらくは以前ほかの店舗へも行ったことがありますが、店ごとに少しずつメニュー内容が違うようで、ここはご飯ものオンリーの模様。美味しかったです。
お昼を食べて美術館へ。10日ほど前に行って道順は判っていたため、迷うことなく辿り着きましたが、着いてびっくり!美術館の周囲に先日の比ではない長蛇の列ができていました!このたびは前もってコンビニでチケットを買っておいたのですが、それでもまずは列に並ばなくてはいけないとのこと。
入り口前にはいわゆるつづら折り状の列があり、その先も100m以上伸びた列の最後尾は、謎の階段を降りた謎の地下道の中でした。地上は炎天下とあって、日傘を持っていない人には貸し出し用傘が配られていました(自分たちは持っていました)。風があって木陰は意外と爽やかでしたが、それでも暑いことには変わりありません。当初2時間待ちと聞かされて、比喩ではなく目まいがしそうでしたが、約1時間で館内へ入れました。
が、その先がまた長い!あらかじめチケットを持っていても、展示室へ向かうエレベーター前の入場口に到るにはやはりつづら折り行列が……そこでも30分くらい待ったかもしれません。
とにもかくにもやっとチケットを切ってもらい、エレベーターでいざ会場へ——
【生誕100年 山下清展】|SOMPO美術館
映像作品などに登場する、いわゆる「裸の大将」としての山下清は知っていても、その作品を実際に目にする機会は多くありません。
図録の解説によると、もともと「特異児童」作品として注目を集め、画壇や美術界の主流との関わりもほぼなかった山下清の作品について、かつては取り扱うことを忌避する美術館や学芸員も少なくなかったそうです。しかし生誕80周年くらいから美術館の門戸も開かれるようになり、それに伴って作品の一括管理や修復も進んだという経緯があったようです。
そして、その生涯と画業を一気に振り返るこのたびの100周年大回顧展。混雑するのも納得です。
山下清と言えば高度な「貼り絵」の技法が有名ですが、実際は油彩画や、油性ペンを使ったペン画、また陶芸作品なども数多く残しています。自分が心惹かれた若冲モチーフの「群鶏」も油彩画です。そしてその才能は、ヨーロッパへの旅で見た各国の風景を描いた作品群で頂点に達したのではないでしょうか。日本にいる間は花や植物、また花火などを緻密に描いていた清ですが、ヨーロッパに於いてはタワーブリッジやエッフェル塔などの建築物や構造物に強い関心を抱いたようです。日本では目にしたことがない、見られないそれらの物が、清の目と記憶を深くとらえたことが感じられました。
山下清については前述の通りまず「特異児童」として注目され、作品の紹介のされ方も展示も、かつては福祉系の場所や文脈でのそれが多かったようですが、一時期は清と生活を共にし、現在は作品を管理されている甥の浩さんは、それらが「障害者アート」「アウトサイダー・アート」のカテゴリで語られることには批判的です。いわゆるサヴァン的な特性があったことは否定しないけれど、敢えて言うなら池田満寿夫が呼んだ(アンリ・ルソー等のように)「ナイーヴ・アート」あたりが適切であろう、と。
自分もアウトサイダー・アートからの文脈で山下清に関心を抱いていたのですが、その作品については、修飾語なしの「アート」として語られる時が来ているのかもしれません。
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館内の展示物は撮影禁止ですが、こちらは撮影許可されている巨大ポスター。絵は「グラバー邸」です。長岡の花火のポスターもありましたが、撮影に失敗した模様。「長岡の花火」元絵が思ったより小さかったのが意外でした。
展示は5階→4階→3階と降りながら見る形ですが、3階にはSOMPO美術館の所蔵品であるゴッホの「ひまわり」、そして東郷青児コレクション、グランマ・モーゼスコレクションからも1枚ずつ展示されていました。この3枚は撮影自由でしたが、撮っていません。
その後は2階のミュージアム・ショップへ。絵葉書その他と図録を買いましたが、こちらがまた大行列!購入するまで約30分間も並びました。図録は図録だけで買えるようにしてくれれば良いのに……と思います。その列に並んでいた人が、お連れの人と「10時頃来て2時間くらい展示を見てそれからお昼を食べようと計画していたけど、とんでもなかった」と話していました。自分も当初はそうしようかと思っていたのですが、先にランチにして正解でした。窓から見下ろすと、建物の外にはまだ列ができていました。
関連して最後に不満を言うと——館内にエスカレーターはなく、フロア移動はエレベーターか階段のみ。そのエレベーターは台数が少なく、エレベーターホールも狭い。万事に於いて動線最悪でヘトヘトです。美術館が独立した建物ではなくSOMPOジャパンビル内にあった頃の方が、はるかにストレスなく見られました。展示の内容は良かったのに、美術館に入り展示を見て図録も買って外に出る、という一連の流れが「ミッション」でしかなくなってしまったのは残念です。
5月終わりに思い立って静岡市美術館で見て来た「ボタニカル・アート展」も、元はSOMPOで開催されていたそうですが、おそらく見やすさでは静岡の方が遥かに上だろうと思います。
とにかく見たかったものは見られたし、新宿に長居をする気もなかったので、他はどこにも立ち寄らず、帰りの電車に乗りました。自分たちの住む街へ近づくにつれ、空が広くなっていくのがわかります。青い夏空の下の方に、白い雲の峰が見える様は壮観です。
最寄駅に着いて、まずはコメダで一休み。
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暑くて疲れているときにはコーヒーよりレモンスカッシュが沁みます。
長めに体を休めてから、娘の買い物につきあい、自分もパンを買いました。夏休み後の平日だからか、今日はショッピングビル内のどのお店も比較的すいていたように感じます。
そうこうしているうち夕方になったので、つけ麺屋さんで早めの晩ごはん。自分は食べずに帰ろうかとも思ったのですが、しばらくバスは来ないし、家に帰ってから何か作る体力気力もないし、頼んだものを手早く食べてバスに間に合わせよう、というわけで、娘と一緒にお店に入りました。
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久しぶりのまぜ麺、こちらも味変を楽しみつつ美味しくいただきました。
食べ終えてからバスが出るまで3分ほどしかありませんでしたが、どうにか間に合いました。バス停まで着いて来てくれた娘とはそこでお別れ。
日が短くなってきて、バスを降りる頃にはもう日傘も帽子も要りませんでした。
帰宅後間もなく『孤独のグルメ』再放送が始まったので、それを見つつ荷物整理などして、その後すぐシャワー。PCを開いていろいろ確認した後は、延々とこれを書いていました。