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のち
eiga.com で知ったニュース。
'50年代アメリカSF映画の代表作『禁断の惑星』(MGM)がワーナー・ブラザースによってリメイクされるそうです。
古典SFの名作「禁断の惑星」を、ジョエル・シルバーがリメイク
『[eiga.com 映画ニュース] 20世紀フォックス映画が、1951年のSF映画「地球の静止する日」(ロバート・ワイズ監督)を、キアヌ・リーブス主演でリメイクした「地球が静止する日」(スコット・デリクソン監督、12月19日公開)をクリスマス・シーズンに全米公開するが、その余波に乗り、ワーナー・ブラザースが、1956年のSF映画「禁断の惑星」(フレッド・マクロード・ウィルコックス監督)をリメイクすると発表した。
オリジナル版はMGMの総天然色SF映画の代表作。物語の舞台は宇宙への移民が始まった23世紀で、アルテアという惑星に移民したきり消息を絶った人類を捜索するため、探検隊を率いたアダムス船長はその惑星で、たった2名の生存者であるモービアス博士と娘アルティラの父娘を発見。惑星に先住していた宇宙人による高度な文明が滅びた謎を解く。
シェイクスピアの「テンペスト」を物語の下敷きにした宇宙探検ものであり、60年代の人気SFドラマ「スター・トレック」の原作者ジーン・ロッテンベリーに多大な影響を与えたと言われる作品。その後のSF映画のロボットの原型となった“ロビー・ザ・ロボット”の絶大な人気もあって、今なお語り継がれるカルトSFだ。過去に、ジェームズ・キャメロン監督がニューラインとドリームワークス共同製作のもと、リメイクを画策したことかある。
その名作を今回脚色するのは、人気SFドラマ「バビロン5」の原作者・脚本家として知られ、アンジェリーナ・ジョリー主演のクリント・イーストウッド監督作「チェンジリング」(09年春公開)で重厚な人間ドラマを書き上げたJ・マイケル・ストラジンスキー。09年に公開されるピ(Rain)主演のアクション映画「ニンジャ・アサシン」(ジェームズ・マクティーグ監督)も手がける。』
上の記事にもあるように、今年公開されるキアヌ・リーヴス主演『地球が静止する日』の余波に乗って、ということなのかも知れませんが、オリジナルの『禁断の惑星』は、SFファンなら一度は観ておくべき作品です。
DVDジャケットにも使われているポスターの図柄は、ロボットが美女を抱き上げる「いかにも」なものですが、ロボットキャラクターの原型ともなったこのロビー君、実は万能執事ロボットです。
彼が後のSF映画やジャンルムービーに与えた影響は、そのデザインだけではありません。或る意味 HAL9000 に通じる部分もあり、その血脈(?)は、今年公開の映画『アイアンマン』の機械執事ジャーヴィスにまで受け継がれています。
人類が宇宙へ進出している23世紀という時代設定、未知の惑星を探検・探査する宇宙船クルーたちが、『スター・トレック』(オリジナルTVシリーズの方)の原型であることは言うまでもありません。
'50年代の映画ということで、セットやコスチューム、特殊効果などは、いま観ればレトロだったり稚拙に感じられたりするし、ストーリー展開ものんびりしたものですが、それでもこの作品が不朽の名作と呼ばれるのは、そのテーマ性のゆえです。ネタバレになるので詳述は避けますが、この映画のテーマが古びることはないでしょう。
そして、それを支えるのが、シェイクスピア晩年の傑作『テンペスト』を下敷きにしたプロットであり、名優ウォルター・ピジョンの存在です。
ピジョンという俳優の格を考えると、当時はまだまだ「子供だまし」と思われていた宇宙SFへの出演は勇気あることだったと思いますが、作品をそのジャンルゆえに軽んじることなく、正しくテーマを理解した彼の演技があってこそ、この映画は今に残る傑作たり得たのだと思います。
そんなわけで、このたびのリメイク企画も、期待半分不安半分といったところです。セットや視覚的な効果は今の技術で幾らでもキレイに見せられるとして、あのテーマをどう料理してくれるかが見どころでしょう。
モービアスは誰がやるのかな。ロビー君はもちろんあのデザインのままですよね?
付け足しみたいで悪いけれど、現代的視点からのオリジナル作品の見どころをもう一つ上げるなら、宇宙船の船長役の俳優がレスリー・ニールセンだったということでしょうか。後に『裸の銃を持つ男』シリーズで一世を風靡した彼が、いたってフツーに二枚目として主役(一応)を演じています。
そして、やっぱり一家に一台(一人?)ほしいロビー君……