雑記

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アーカイブという言葉の意味するところ

2016-11-05 19:49:09 | QGIS_その他
2年ぶりにFOSS4G 2016 TOKYOに行ってきました。
まあ体力も戻ってきたし検査入院とかないし、ということでコアデイだけ参加。

今回のテーマは「アーカイブ×FOSS4G」だそうで。

  アーカイブ (archive) とは、重要記録を保存・活用し、未来に伝達することをいう。(Wikipedia)

講演を聞いてて改めて思ったのは
「アーカイブという言葉はエモーショナルな意味を含むことがそこそこあるんだな」ということ。
私は建設コンサルタントの世界でしか地理情報に噛んでないので、
アーカイブと聞くとアセットマネジメントと組み合わせて考えることになりがちで
思い出と組み合わせるというのは、なんというか、とっさに出てこなかったりする。


土木の世界だと、高速道路を通したとかトンネルを作ったとか再開発をしたとかでなければ
道路は設備更新しながら平気で100年同じ場所にある。
橋とかトンネルも作ってから50年とか普通にある。それはそれで問題なのは置いといて。
下水道とかだと場所によって明治時代の下水管が現役だったりする。
上水道は衛生面とか厳しいから100年使ってる設備は無いだろうけど農業用水なんかはありそう。

河川改修だ護岸工事だってのは災害と密接につながってるし、
エモーショナルな部分と絡まないわけではないんだけど
それよりも「今をしのいで先につなぐために必要な情報の一部」をデータ化するという感覚が強い。
そう簡単にオープンにするわけに行かないものもあるのだけれども
(ものによってはテロの対象になりかねなかったりするので)。

報告書だの設計図書だの竣工図だのいろんなものが、ガリ版だったりワープロだったり
黒表紙だったりくるみ製本だったりマイクロフィルムだったり電子データだとおもったらフロッピーとかMOだったり
そんな感じのものが業務によっては段ボールに10箱くらい来たりするので
「夜中に小人さんが来てテキストデータとCADかGISで扱える形式に変換してくれないかなー(夜中も仕事してるけど)」と思うというのが
たぶん建設コンサルタントの人間にとっての切実なアーカイブ化の希望だと思う。

手書きの数値データや図面をデータ化するのって大変なんだよ…。
図面とか、手書きだと見落としても図面になるけどポリゴンにするとなるとどこで閉じてるのか分からないとか。
ダムの環境アセスメントのプランクトンのリストを入力するとか考えたくない。
何十ページもある上にほぼラテン語なんだぜプランクトンのリストって。たまに日本語もあるけどカタカナだし。
電子納品って話が出てきてからまだ十数年だから、更新の役に立つのはまだ数十年先だし
最初の数年はPDFっていっても紙に印刷した報告書をスキャンしただけとかあったし。
AIとかディープラーニングっていっても、図面って類型というよりは書いた人の意図を読む必要があるから厳しそうだし。


ということで、土木の世界の人間というのはもしかしたら世間一般とちょっとずれてるのかも、と今更思いました。
まあFOSS4Gに絡んでる人が世間一般と完全に一致しているというわけでもないと思うけどw。