子どもの甲状腺がん 福島では通常の106~333倍
今回発表された内容を詳しく見てみると、1次検査で一定の大きさ以上のしこりが見つかり2次検査(精密検査)を受けた子どもの診断結果は、2011年度の検査では、甲状腺がんと確定したのは7人、疑いは4人で計11人。2012年度は確定が5人、疑いが11人で計16人。
1次検査では、4万764人のうち205人が2次検査(精密検査)が必要とされたが、205人中166人しか検査を受けていない。その166人のうち7人が甲状腺がんで、4人に疑いがある。計算すると次のようになる。40,764×166÷205=33,009 つまり、2011年度は3万3千人のうち7人~11人が甲状腺がん。これは、「子ども3000人~4714人に1人が甲状腺がん」ということになる。
「100万人に1人か2人」が「3000人~4714人に1人」ということは、2011年度では、通常の106~333倍ということになる。
また、今回の発表でより重要だと思うことは、2011年度と2012年度に検査した子どもたちのうち「2次検査(精密検査)が必要」という子どもが、0.5%→0.7%に増えていること。
2011年度は、40,764人のうち205人(199人に1人=0.5%)
2012年度は134,735人のうち935人(144人に1人=0.7%)
特に注目したいのは、2012年度は、中通りなどの935人もの子どもが精密検査が必要な対象となっていること。原発に近い地域だけでなく、中通りなどに住み続けることの危険性を示している。
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◆放射線の影響否定 甲状腺がん診断確定12人に
(2013/06/06 福島民報)
平成23・24年度 県内実施対象市町村別2次検査結果(5月27日現在)
東京電力福島第一原発事故を受けた県の県民健康管理調査の検討委員会は5日、福島市のコラッセふくしまで開かれた。2月の報告以降、18歳以下で甲状腺がんの診断が「確定」した人が9人増えて12人、「がんの疑い」が8人増えて15人になったとする結果が報告され、新たに就任した星北斗座長(県医師会常任理事)は会議後の記者会見で「現時点で、放射線の影響とは思えない」との見解を示した。
星座長は、チェルノブイリ原発事故に起因するとみられる甲状腺がんが見つかったのは事故の4~5年後以降だったとして、「放射線の影響があるものだとは思っていない」と述べた。
会見には調査主体の福島医大の鈴木真一教授が同席し「(甲状腺がんやその疑いが複数見つかっているのは)検査機器が高性能になり、検査対象も広いためではないか」との考えを示した。一方、「放射線とがんとの因果関係の知見を得るには、時間をかけて調査を継続し、結果を積み重ねていくことが大事」とも語った。
会議では、1次検査で一定の大きさ以上のしこりが見つかり2次検査を受けた子どもの診断結果が報告された。平成23年度の検査で甲状腺がんと確定したのは7人、疑いは4人で、計11人の年齢は13~19歳。24年度は確定が5人、疑いが11人で、計16人は11~20歳だった。県は、24年度の1次検査実施者が23年度と比べ3倍以上に増えたことが、確定と疑いが増えた要因の一つとみている。
■23、24年度市町村別2次検査の結果公表
検討委員会では、平成23、24両年度の市町村別の二次検査の結果が公表された。
検査結果は【表】の通り。23年度は、東京電力福島第一原発周辺などの13市町村で二次検査が必要とされた205人のうち、166人が詳細検査を終えた。その結果、7市町村の11人が甲状腺がんと確定したか疑いがあるとされた。
24年度は、中通りなどの13市町村の935人が二次検査の対象となった。検査を受けた255人のうち、4市の16人が甲状腺がんと確定したか疑いがあるとされた。 (2013/06/06)
http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-13530 より転載