部の 顧問教師の祈りの儀式で部室は、神聖な空気? になっていた。
僕がただ呆然と、その姿を見ていると先生は、閉じていた目を開けるや否や、僕の方を睨んだのだ。
「先生の私が独り身なのに、どうして雉山君は、うらやましくも、通学路で野花さんと、いちゃついてるのかな?」
登校中の由利との、あのやり取りを見ていたのか……。
「質問内容と格好が全くあってないな」
犬養が苦笑した様子で呟く。僕は、美樹と由利の様子を窺《うかが》う。
由利は、そっぽを向いているが、美樹は、興味津々なのか? 僕を見つめていた。説明するのは、ややこしいな。まぁ、由利とは何もなかったんだからな。
「してませんよ」
「Liar!」
軽くごまかそうと答えた僕を先生の怒号が僕の心をへこませ、身体を硬直させる。
なんなんだよもう……。
「昨日の晩から今朝まで、乳繰《ちちく》り合って、二人で鎮魂しあってたんじゃないのかな?」
この先生は、何を言っているんだ。そのような行為は、あなたの願望では?
「鎮魂をエロく思わす人を初めて見たぜ」
犬養が呆《あき》れた感じで呟いた。
楽しかった部室の雰囲気は、神聖を通り越した。完全に、お通夜状態になってしまったのだった。