蓮月銀也

小説、呟き等々……。

time goes on 物語 第12話 追及教室

2024-08-03 19:58:26 | 小説

 部の 顧問教師の祈りの儀式で部室は、神聖な空気? になっていた。
 僕がただ呆然と、その姿を見ていると先生は、閉じていた目を開けるや否や、僕の方を睨んだのだ。

「先生の私が独り身なのに、どうして雉山君は、うらやましくも、通学路で野花さんと、いちゃついてるのかな?」

 登校中の由利との、あのやり取りを見ていたのか……。

「質問内容と格好が全くあってないな」

 犬養が苦笑した様子で呟く。僕は、美樹と由利の様子を窺《うかが》う。

 由利は、そっぽを向いているが、美樹は、興味津々なのか? 僕を見つめていた。説明するのは、ややこしいな。まぁ、由利とは何もなかったんだからな。

「してませんよ」

「Liar!」

 軽くごまかそうと答えた僕を先生の怒号が僕の心をへこませ、身体を硬直させる。
 なんなんだよもう……。

「昨日の晩から今朝まで、乳繰《ちちく》り合って、二人で鎮魂しあってたんじゃないのかな?」

 この先生は、何を言っているんだ。そのような行為は、あなたの願望では?

「鎮魂をエロく思わす人を初めて見たぜ」

 犬養が呆《あき》れた感じで呟いた。
 楽しかった部室の雰囲気は、神聖を通り越した。完全に、お通夜状態になってしまったのだった。



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