冬休みに入ってすぐに注文した宮本輝の小説。日本のアマゾンからわずか数日で配達届き、ちびちびと読んでいました。
宮本輝は好きな作家の1人です。彼の小説は大阪神戸方面から始まり、北陸地方や、海外、最近はアメリカのカルフォルニアを舞台にした小説などがあります。知っている地名が小説に出てくるというのは嬉しいものですよね。
朝の歓びは私がまだ20代か、30代の時に読んだ小説ですが、45歳になった今もう一度読み返してみました。奇しくも主人公の年齢が45歳。働き盛りに病気で長年連れ添った奥さんを亡くしたところから小説が始まります。
朧げにストーリーを覚えているのですが、まるで新刊を読み返したように感じました。たかが20代そこらで読んだ時と、感じ方がまるで違うことも感じました。
恋愛小説だと知らずに買ったのであんまり共感できないのかなあと思っていたのですが、涙する場所や、感じ方が変わっていて自分は歳をとったなと思いました。45歳が人生の境目のように取っているのも面白いと思いましたが、現在日本で働いていない私にはあんまり共感できないなものだなと思いました。それでも、昨日の夜読み終わってからずっとその小説の事ばかり考えてます。読み終わってからやっと意味がわかったような気もしますし、間違いなく読み応えのある小説でした。
宮本輝の小説には、良い言葉がたくさん出てきます。小説の中で紹介されていた中国の故事がとても良いと思いました。
“あなたが春の風のように微笑むならば、私は夏の雨となって訪れましょう。”
春風和煦,夏雨滋润
主人は、何もしなくても春の風や春のひだまりになれる人です。ただそこにいるだけで周りの人たちが穏やかな気持ちになれます。私は夏の雨になれる時があるかもしれないけど、春の風にはなれない人だなと思いました。
もう一度、最初から読んでみたいと思います。
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