自信があるのとないので、断然違う。
大聖堂への道のり。バスが時間よりも遅く来て、それはいつものことだから良いのだけど、途中で、運転手が変わるはずなのに、代わりの運転手が来ない。というわけで、そこから地下鉄の駅まで歩きました。グラスゴーの地下鉄って、山手線みたいに、グルグル回ってるんです。その一方向しか動いてないって言われて。地下鉄を待っていたのだけどなかなか来ない。しばらくすると、反対のホームに、レール沿いを歩いて来た人たちがぞろぞろと登って来た!どういうこと!?
なんかよくわからないけど、もうリハーサルに間に合わないから、指揮者の携帯にメッセージを送ったのだけど、返事もないし。息子からメッセージで、地下鉄が動いてないから、息子も遅れるって。でも私も遅れるよ。ようやく地下鉄が来たのだけど、今度は、サッカーの試合があったせいで、酔っ払いがたくさん乗ってる~。
他にも遅れた人がいました。でも息子は、もっと遅れた。バリトンは今日は二人しかいなかったから、もしも息子が来れなかったら一人になってた。
リハーサルなしでも歌える曲ばかりだったので良かったのだけど。
本番中、あれ?楽譜が一つない!?どうして!?
以前の私なら、そこで、歌わないで済ませて、あとで謝ったのだと思うけど、今日は楽譜なしで歌いました。楽譜なんて、いらなかった(笑)。自信があるかどうかなんですよね。自信がないと、こういうこともできない。
前は、楽譜が目の前にないと、不安で仕方がなかった。実際には見ないで歌っていることが多いのに。お守りみたいなものだったのかな。
少しのことなんだけど、なんだか、自分がちょっと前進できたような気がして。
今日、入って来た悲しい知らせ。
もう20年ぐらいの付き合いになる知り合いがいるのだけど、彼女は、とても素敵な人で、綺麗で、仕事もできて、小学校の校長先生やってます。もうすぐ定年かな?1955年生まれだから。あんなにキレイなのに、どうしてずっと独身なのか、不思議だったんです。でも今日、わかった。
彼女には、ずっと付き合っていて、婚約までした恋人がイングランドにいた。お互いに仕事があって、なかなか一緒になれなかったのかなあ~。そのお相手の方が、亡くなったのだそう。だから、お葬式でかけて欲しい曲があって、そのレコーディングがたまたまうちにあるものだから。
なんかね、はっとしたんだよね。後悔のないように。
私が息子と二人暮らしの頃、色々助けてくれた人なのだけど、全然そういう話をしたことがなくて。頭が良くて、仕事ができるから、バリバリ働いて、恋愛とは遠い人だと思っていた。でも、あんなに輝いていたのは、やっぱり恋をしていたからなのかな?
色んな人生がある。彼女はきっと、定年したら、彼の所へ行こうとしていたんだよね?
そう思ったら、せつなくて。
なんか、彼女に、私、また助けられたかも。後悔の無いように生きなくちゃ。