しょっぱなから貧乏と不幸全開だし、阿部寛演じるイサオは驚くほど喋らないし、中谷美紀演じる主人公の幸江は自分から不幸な道を選んでいるようにしか見えないし、、、とホントどうなることかと思いましたが、映画が進むにつれ面白くて空腹も忘れるほど集中してしまい、最後は涙ポロポロ。
イサオがちゃぶ台をひっくり返すシーンばかりが話題として先行しているようですが、それはこの映画の面白さのほんの一部にしか過ぎません。そうそう!エンドロール後にラストシーンがありますので、最後まで席を立ってはいけませんよ~。(今回の試写会では親切に最初のアナウンスでそれを教えてくれました。)『TRICK』が嫌いではない人にはオススメです。
<!注!これ以降は少々ネタバレっぽい記述有りですのでご注意を。>
この映画はキャスティングが秀逸。お寿司をひっくり返された時の中谷美紀の顔ったら…名取裕子に「ココナツのハワイ」ってセリフ言わせる!?…とか、モデル出身&『花男』で派手なイメージのある佐田真由美がこんなに清楚で神々しい感じの役もできるとは…とか、カルーセル麻紀は薄いメークでホンモノの大阪のおばちゃんみたいに役にはまりまくってるじゃん…等々、役者陣のこれまでとは違う魅力を引き出していて感心してしまいました。ま、自分的に一番だったのはエンケンさんこと遠藤憲一ですけどね。エンケンさんのコメディアンとしての魅力満開で、すっごい良かったです。ますます好きになっちゃいました。イサオの一の子分の役の猪野学も脇役の脇役ではありましたが、良かったです。最初、彼だとは気づかなかったくらい別人みたいにチンピラやってました。器用なんですよねぇ、彼は。あ、阿部ちゃんのパンチパーマ姿も必見ですが、マトリックス姿も必見です(笑)。
キャラとして特筆すべきは何といっても「熊本さん」。ニワトリはまだしも、亀を七厘でどうすんの!?うーん、熊本さんワールドにはすっかりやられましたねぇ。「幸せになりてぇすか?」ってセリフ、サイコーです。ラスト間際の関空のシーンはかなり泣けました。
一つ文句を言うならば、イサオが幸江を更生施設に迎えに行ったあと、何故あんなパンチパーマのチンピラになったのか…の部分が全く抜け落ちているところですかね。見ている方としてはこの部分だけ消化不良な感じがしました。
自虐の詩(じぎゃくのうた)@映画生活
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