下記の記事は東洋経済様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。
「上質な筋肉」を育てる人は、いったいどんな食事をしているのか? プロ野球選手や、ラグビー日本代表など、さまざまなトップアスリートのパフォーマンス向上に貢献してきたスポーツトレーナーの弘田雄士氏が解説。新書『最速で体が変わる 「尻」筋トレ』より一部抜粋・再構成してお届けします。
トレーニングを開始したら筋肉が育つ土壌を作るために、まずは意識的に良質なたんぱく質をとることにこだわりましょう。しかし、これだけでは下手をすると体重が増えてしまうばかり、という可能性もあります。
脂肪がついた体重オーバーの体になってしまわないように、普段の食習慣から以下の7カ条を意識してみてください。
「上質な筋肉」を育てる7カ条
1.1日3回必ず食べよう! 特に朝食をたくさんとるべし
朝ご飯や昼食を抜いてしまうと、体は一種の飢餓状態になってしまいます。その状態で食事が入ってくると、体は一刻も早く栄養にしようと急激に血糖値を上げることに。動脈硬化や糖尿病の原因となりやすい血糖値の急上昇は、中年世代は特に避けたいところです。
しかも急激に上がった血糖値を下げるため、インスリンというホルモンが頑張って血糖値は下がるのですが、この際に栄養の多くは脂肪に変わります。結果的にご飯を抜いているにもかかわらず、脂肪は蓄積されやすくなります。
体重とともに脂肪も必要な力士は、あえて1日2食にして、血糖値が上がった食事直後に昼寝をしますよね。もっとも効率よく脂肪を蓄えるため、戦略的に太らせているわけです。プロの力士が狙って行っている「脂肪UP作戦」を我々が取ってはいけません。
2.食事の前に水分をとろう
あまり知られていませんが、実は食事中の水分補給はあまりおススメできません。理由は胃酸の働きを妨げてしまうからです。
私たちは、食べたものを消化するのに胃酸の力を借りています。胃に入った食べものを胃酸が溶かすことによって消化しているため、食べものが胃の中にあるときに水分をとってしまうと、胃酸が薄まって消化に時間がかかってしまうんですね。
消化に時間がかかればかかるほど、胃はさらに頑張って働こうとしますから、結果的には胃への負担が大きくなっちゃいます。
普段意識することが少ない部分ですが、胃が活動するということは、私たちの体はかなりのエネルギーを使っています。食事中の水分補給によってなかなか消化できない状態が続くことで、胃腸の疲れが抜けなくなっているケースもけっこう多いのです。
食事前の水分補給は、満腹感を得やすく食べすぎを防ぐ効果もあります。水や麦茶を1杯飲み、まずは味噌汁やスープに口をつけてから食事をとる。これを習慣にしましょう。
3.油の多いものを避けよう
筋肥大アプローチのトレーニングをしていくうえで、たんぱく質は重要なものの、脂質が高いのはミドルエイジ以降はNG。からあげや串カツ、フライドポテトや霜降り肉、カルビ、何にでもつけちゃうマヨネーズ……このあたりはたまにちょっとだけ食べられる「ご褒美メニュー」にしておきましょう。
筋肉の成長を助ける食べ物
4.柔らかい肉よりも硬い肉を選ぼう
油の多いものを避ける、ということでお肉をたくさん例に挙げましたが、すべての肉がよくない、というわけではありません。脂肪が少なくたんぱく質が豊富な赤身肉を積極的にとりましょう。同じ牛肉でも赤身肉のカロリーは半分以下、脂質は約5〜6分の1、たんぱく質は約1.5〜2倍と大きな違いがあります。脂質が多かったり、油で揚げたりするものは避けましょうね、ということです。
悩んだら、柔らかい肉よりも硬い肉を選びましょう。硬い肉は脂肪分が少なく赤身が多いはずです。赤身の牛肉やラム肉は鉄分やビタミンB群を豊富に含んでいます。特に鉄分は血液を生成するのに必要な栄養素で、女性に多い冷え性を改善する効果も期待できます。
鉄は野菜や海藻などに含まれる非ヘム鉄と、肉や魚に含まれるヘム鉄の2種類がありますが、赤身の牛肉やラム肉には体に吸収されやすいヘム鉄が含まれています。ダイエットするために野菜だけに偏った食事を続けていると、貧血でめまいや立ちくらみを起こすことがあるので注意が必要です。
また、ビタミンB群は疲労回復効果があるので、女性の健康や美容を保つためにも赤身肉をとることは有効ですよ。
5.和食を基本に
和洋折衷が当たり前になったいまの日本。それでもできる限り和食を優先するようにしましょう。和食により、全死亡・循環器疾患死亡(特に心疾患死亡)のリスクが低下することが明らかになっているからです。
和食スタイルだと海藻、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶を自然に摂取する機会が増えます。これらの食品により食物繊維、動植物に広く存在する黄色または赤色の色素成分であるカロテノイドなどの抗酸化物質といった、健康にいい栄養素をしっかりとれるからだとされています。
すべての食事を和食に、というのは難しいかもしれませんが、朝はご飯に納豆、卵と味噌汁、海苔……といった典型的な日本の朝ご飯で固定するなど、意識的に和食をとるようにしていきましょう。
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6.野菜・海藻・きのこはどれだけ食べてもOK
食事前に水分をとる、というのと同様、食べすぎを防ぐ有効な方法は「野菜、海藻、きのこ類はいくらでも食べてOK!」というルールを決めてしまうことです。
これらの食材に共通しているのは、低カロリーで食物繊維が豊富なこと。つまり、血糖値の上昇をゆるやかに抑えてくれるんですね。脂肪がつきにくく太りにくくなるわけです。
食物繊維の効果でお腹もふくれるし一石二鳥。ドレッシングの使いすぎにだけ気をつけて、量を気にせず食べちゃいましょう。
高カロリーなものはいつ食べればいいのか?
7.美味しいものは昼間のうちに!
人間ですから時々はカロリーの高いものやジャンクフードが食べたいときもありますよね。そんなときは「美味しいものは昼間のうちに!」という言葉を思い出してください。
夜にカロリーが高いものを食べると、肥満につながる。これは自明の理だからです。人間も動物ですから活動量が減る夕方以降に食べたものは体に蓄積するだけ。暗くなってからは獲物が獲れなくなるので、食べたら食べたぶんだけとにかく貯蓄に回す。夜はもう寝るだけでエネルギーを使わないので、体にたまっていく。哺乳類としてこのシステムは当然です。
とんかつやラーメン、ハンバーガー……どうしても食べたくなったときには、ランチで楽しむ。その夜はいつもよりも抑えた食事でコントロール。デキる人の無理のない自己管理として、こういったバランスはぜひ身につけていきましょう。
弘田 雄士 : スポーツトレーナー
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