下記の記事はダイアモンドオンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。
美しい肉体をつくろうとするビジネスパーソンに人気のプロテイン。手軽に大量のタンパク質を摂れる一方で、多くの危険性があることも事実だ。飲む前にきちんと知っておきたい、その危険性とは? 20万人以上の臨床経験と、生化学×最新医療データ×統計データから、医学的エビデンスに基づいた本当に正しい食事法をまとめた牧田善二氏の新刊『医者が教える食事術 最強の教科書』から、内容の一部を特別公開する。
人工的なタンパク質は腎臓を疲弊させる
――手軽な大量摂取の知られざる危険性
重要なことを「肝腎(かんじん)」と言います。これは、肝臓と腎臓から来ています。
私たちが生きていくために必要不可欠な臓器としては、心臓や肺、脳などがすぐに思い浮かぶでしょう。
しかし、栄養素の合成や老廃物の排出などを行う肝臓や腎臓がやられてしまったら、私たちは命をつなぐことができません。
詳しくは新刊『医者が教える食事術 最強の教科書』で書いていますが、肉など自然の食べ物には含まれていない「つくられたタンパク質」は、大事な腎臓を悪くする可能性があります。どういうことか簡単に説明しましょう。
タンパク質は、私たちの血肉をつくる非常に重要な栄養素です。ただ、糖質や脂質と違って、分解の過程で尿素窒素などの毒素を産出します。これら毒素は腎臓の濾過機能によって尿として体外に排出され、私たちは健康を保っています。
もし、腎臓の濾過機能がすっかり駄目になれば体中に毒素が回る尿毒症となって死に至ります。それを避けるために、機械に血液を通して毒素を濾過しているのが人工透析です。
人工透析を必要としている患者さんは「身体障害者1級」の手帳を持ち、医療費が無料(*1)になります。腎臓が機能しないということは、それほど重篤な状態だということです。
このように腎臓は非常に重要な臓器なのですが、人工的に大量のタンパク質を摂取することは、その働きを腎臓に強要し疲弊させ、重大な被害を生みかねません。
また、タンパク質の大量摂取は骨に悪い影響を与えるという論文もあります。こうした人工物で健康体をつくろうというのは大きな間違いなのです。
追記:*1 医療費が無料となるのは、年齢や所得等の条件に当てはまる対象者に限られます。詳しくはお住まいの行政機関にお問い合わせください。(2019/4/1)
プロテインやアミノ酸は腎臓を壊す!?
不自然な大量摂取は逆効果
では、人工的なタンパク質とはなんでしょう。代表的な例が、パウダータイプなどのプロテインやアミノ酸です。スポーツクラブに行くと、摂取している人をよく見かけます。とくに男性に多いですね。
どうせ運動をするなら、筋肉がつくプロテインや疲労を取り除くアミノ酸の力を借りたほうが効率的だと考えるのでしょう。
しかし、私はいますぐやめたほうがいいと思います。こうした人工的な商品には、自然な食品とは比べものにならないほど大量のタンパク質が含まれています。もともと腎臓が悪い患者さんは、普段の食生活でも肉や魚、豆腐などのタンパク質を厳しく制限します。ただし、健康な人が食品からとっている分には過剰摂取にはなりません。
問題なのは、プロテインやアミノ酸など、人工的につくられたものです。こうしたものを日常的に摂取していれば、腎臓を壊す可能性が高いのです。
私の患者さんにも、パウダータイプのプロテインを摂取して、腎機能を示す「尿アルブミン」の数値がいきなり悪くなった人がいます。
尿アルブミン値は、とても重要な指標ですが、測定する医療機関は多くありません。医師がその重要性を理解していないのです。
たいていの医師は「腎臓の状態を知りたかったら血清クレアチニン値を見ればいい」と思っています。しかし、血清クレアチニン値に異常が見られるときには、腎臓は相当ひどい状態になっています。その前に、尿アルブミン値の変化をつかみ、適切な手を打つことが必須なのです。
ところが、会社で行う普通の健康診断では、血清クレアチニン値しか測定しません。そして、人工的なプロテインやアミノ酸を摂取していても、血清クレアチニン値にはなかなか変化は現れないということです。このことがなにを意味するか、知的なビジネスパーソンならわかるでしょう。
(この原稿は書籍『医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)
牧田善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長。糖尿病専門医。医学博士。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。1996年より北海道大学医学部講師。2000年より久留米大学医学部教授。2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業し、延べ20万人以上の患者を診ている。
ダイエットや美容にも効く!プロテインの「効果的な飲み方」基礎知識
筋トレやボディメイクをする人だけではなく、最近はダイエットや美容、健康維持のためにプロテインを飲む人が増えています。プロテイン(protein)の日本語訳がは「タンパク質」で、つまりプロテインとはタンパク質そのものです。目的に合わせて、効果的にプロテインを飲むための基礎知識をお伝えします。(管理栄養士 岡田明子)
以前、本連載でプロテイン置き換えダイエットについてお話しました。今回はその続きとして、すでにプロテインを食事と置き換えて飲んでいる方、トレーニングに合わせてプロテインを飲んでいる方向けに、プロテインにはどんな種類があり、どういう目的で飲み分けたらよいのか、またどういうタイミングで飲むのが効果的かをお伝えしていきます。
→参照記事:プロテイン置き換えダイエットってどうなの?タンパク質の賢いとり方
プロテインの種類と飲み分けのポイント
プロテインには種類があり、それぞれ特徴が異なります。効率良くタンパク質をとり入れるためには、種類の特性を知って飲み分けるのが賢いプロテインのとり入れ方になります。今回は一般的な3種類についてまとめてみました。
(1)ホエイプロテイン
・牛乳由来のタンパク質の一種
・水に溶けやすく、約2時間で吸収される
・ヒトが作り出すことができないアミノ酸であるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)を含む
・熱に弱い性質があるので、料理に使うには不向き
・筋トレ後、傷んだ筋肉を回復するために素早くタンパク質をとり入れたいときにおすすめ
(2)カゼインプロテイン
・牛乳由来のタンパク質の一種
・カゼインプロテインは水に溶けにくく、体内での吸収も遅い(7~8時間)
・腹持ちがよくなるので、空腹を紛らわしたり、次の食事まで間隔が空きそうなとき、食べ過ぎが気になる方などにおすすめ
・カゼインプロテインが分解される過程で生じるCPPという成分が、鉄やカルシウムの吸収もサポートしてくれるので、骨を強くしたい方にもおすすめ
(1)(2)いずれも、タンパク質の純度が高くなるほど高価になります。タンパク質をしっかりとりたいならできるだけ含有量の多いものを選びましょう。ただ、含有量、飲みやすさが上がれば上がるほど価格も上がっていきますので、続けられる価格帯のものを選ぶことも大切です。
(3)ソイプロテイン
・プロテインの元祖。大豆由来のタンパク質
・大豆イソフラボンを含み、脂質が少なく、コレステロールも含まない
・水に溶けにくく、体内の吸収も比較的遅く、5~6時間かかる
・脂質の摂取量を抑えたい方や若々しさを保ちたい方、女性にもおすすめ
・牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしてしまう、乳糖不耐症の方でも安心して飲むことができます
プロテインの元祖ともいえるのが、大豆由来のソイプロテイン。以前に比べて大豆臭さや飲みにくさ、溶けにくさは解消されているように感じますが、気になる方はホエイプロテインやカゼインプロテインが混ざったものにするといいかもしれません。
プロテインは大きく分けて、この3種類になります。それぞれの特徴を考えると、以下のような飲み分けをするのがおすすめです。
●プロテインの飲み分け
・トレーニング後、傷ついた筋肉を回復するには、吸収の速いホエイプロテイン
・朝食時や間食には、カゼインプロテインやソイプロテイン
・夕食以降は、脂質の少ないソイプロテイン
プロテインの効果的な飲み方とは?
理想の体に近づけるため、プロテインを活用する際に気を付けるべきポイントが2つあります。
(1)適量を計算して飲む
ポイントの1つ目は、「適量を計算すること」。運動をしているからといって、むやみやたらにプロテインを飲んでしまうと、過剰分は脂肪に変わってしまいます。まずは自分が必要なタンパク質量を知ることが大切です。
一般的に体に必要なタンパク質の量は「体重×1.0~1.5g」ですが、激しい運動をしている方や筋肉を付けるため筋トレをしている方は、体重1㎏当たり2gのタンパク質が必要とされています。例えば体重が60㎏の方の場合、1日120gの計算になるので1食当たり40gのタンパク質が必要になります。下記の「食材のタンパク質量一覧)を参考に、食事からはとり切れない部分をプロテインで補うようにしましょう。
●タンパク質量一覧
牛もも肉100g:37.1g
豚ヒレ肉100g:22.3g
鶏むね肉100g:21.2g
鶏ささみ2本:23g
カツオ100g:25g
サケ切り身1枚:14.6g
マグロ赤身100g:24.2g
サバ水煮缶(1缶):33.4g
卵1個:6.3g
木綿豆腐200g:13.2g
絹ごし豆腐200g:9.8g
納豆1パック:8.3g
牛乳200ml:6.9g
無調整豆乳150ml:5.4g
プロセスチーズ20g:4.5g
(2)飲むタイミング
もう一つのポイントは「とり入れるタイミング」。筋肉を大きくしたい場合、トレーニング後から30分以内にタンパク質を摂取することで、筋肉の合成がスムーズになり、新しい筋肉が作られやすくなると言われています。食事からタンパク質をとろうと思うと、食事には脂質が含まれていることが多いため、吸収に時間がかかってしまいますが、プロテインは、脂質を取り除いているため、水に溶かすだけで摂取することができます。トレーニング後の短い時間でも手軽に摂取することができます。
こんなものにもプロテイン!
最近ではプロテインも粉末状のものだけではなく、持ち歩きしやすいバータイプやゼリータイプ、コーヒーやカレーにプロテインが入った商品なども出ています。
粉末のプロテインを飲むだけよりも、グラノーラやパン、麺、いつものおやつ、飲み物をプロテイン入りに替え、食事や間食からも無理なくタンパク質がとれるようになると、ストレスも少なく理想の体づくりにつながっていきます。
プロテインを賢く使い分けるように、基本的な食事の内容も見直して整えられるようになると、理想的な体形をキープすることにつながります。食事にまで手が回らないという方も少しずつでよいので、バランスよく食べるようにしたいですね。
岡田明子:管理栄養士
参考:一般社団法人 日本プロテイン協会ホームページ、MORINAGA かんたん、わかる!プロテインの教科書
プロテインで肝臓や腎臓に負担も…正しい摂取方法とは?
近年、日本人の健康意識の高まりや筋トレブームで、多くの人から注目を集めている「タンパク質」。なかでもプロテインは、タンパク質を効率的に摂取できるため、多くのトレーニーやダイエッターに愛用されている。しかし、正しい摂取法を守らないと、むしろ健康を害する要因となる恐れもあるという。(清談社 鶉野珠子)
プロテインの摂取目安量を
正しく知っておこう
過剰摂取に気をつけるとともに、ソイやホエイなどプロテインの種類が自分に合うかどうかも気にかけたい Photo:PIXTA
体づくりに気を使う人にとって欠かせないのがタンパク質だ。特にプロテインは、今や老若男女問わず、多くの人々が生活に取り入れている。
パウダー状のプロテインを水や牛乳などで溶いて飲むドリンクタイプが主流だが、最近はドリンクタイプのほか、「プロテインバー」などのスナックタイプも増えている。また、プロテインではないが、「サラダチキン」などの高タンパク食品もスーパーやコンビニで売り場を増やしてきている。
また、プロテインは筋トレやダイエット目的以外に、美肌の効果なども得られるため、美容目的で摂取する人も少なくないという。
さまざまなシチュエーションで用いられているプロテインだが、人それぞれの体重、運動量によって、1日の規定摂取量が変化するそうだ。薬剤師で、自身も日々の筋トレと、トレーニング後のプロテイン摂取を欠かさないという小谷寿美子氏 が、1日の摂取量の目安を教えてくれた。
「トレーニングをした日は、体重1kgにつき1.5g~2gのタンパク質が規定量です。体重60kgの人であれば120gですね。この量は、食事だけではなかなか摂取できない量なので、プロテインドリンクなどで補うと良いでしょう。一方、運動をしてない日は、体重1kgにつき1gのタンパク質が規定量で、体重60kgの人なら60gとなります。もし体を動かしていない日に、動かしている日と同量のタンパク質を摂取した場合、取りすぎになってしまいます」(小谷氏、以下同)
種類やメーカーによって異なるが、プロテインドリンク1杯で摂取できるタンパク質の量は、約20g。トレーニングの前後に飲む分には問題ないが、デスクワークだけをする日に、水代わりに何杯も飲むなどしてしまうと、健康を害するリスクがあるという。
プロテインの種類によって
体が不調になるケースも
タンパク質の過剰摂取による悪影響で、最も深刻なのが、肝臓と腎臓への害 だという。
「肝臓と腎臓は、タンパク質を分解する臓器です。タンパク質の摂取量が多すぎると分解が追いつかず、負担が増え、肝臓も腎臓も疲れてしまいます。これらの臓器にダメージが蓄積することで、腎結石のリスクが高くなるといえるのです」
とはいえ、腎結石の危険性が高まるのは、体重1kgにつき2.8g以上のタンパク質を毎日摂取している場合だという。体重60kgであれば168g、プロテインドリンクに換算すると約8杯半だ。この量を毎日取ることは難しいため、腎結石のリスクは、それほど心配する必要がないと、小谷さんは語る。
「量ももちろんですが、同様に注意してほしいのが、プロテインの種類です。プロテインは大きく3種類に分けられます。牛乳を原料として吸収が早いとされる動物性の『ホエイ』と、同じく牛乳を原料としていますがホエイより吸収がゆるやかな『カゼイン』、それから大豆を原料とした植物性の『ソイ』です」
筋トレ後の筋肉修復を最も効率的に行う「ホエイ」は、筋肉をつけたいという人には主流のプロテインだ。一方で、腹持ちがいい「カゼイン」や、美肌づくりの効果もある「ソイ」は、ダイエッターや美容意識の高い人々からも支持を集めている。
「動物性タンパク質のほうが早く体内に吸収され、効果が表れるのも早いという特徴があります。しかし、タンパク質は思っているよりも複雑で、『この用途なら、このプロテインを摂取すればOK』と、単純に結びつければいいわけではないのです」
小谷さんは「プロテインの種類と、体質の“相性”が重要です」という。
「人により、相性の良いプロテインと、悪いプロテインがあります。いくらハードなトレーニングをこなし、規定量のプロテインを摂取しても、相性が悪ければ思うようなトレーニング効果が出ません。動物性タンパク質のほうが早く体内に吸収されるとはいえ、自分の体質と合っていなければ、効果は低いのです」
プロテインによる悪影響を知るには
摂取して観察するしかない
トレーニングの効果が出ないだけならまだしも、あまりにも体質に合っていない場合 は、体へ悪影響を及ぼすこともあるという。
「たとえば、『カゼインプロテインを取ると下痢を起こす』『動物性でも、カゼインは問題ないが、ホエイは体がだるくなる』など、相性が悪ければ健康を害する恐れもあるのです。こうした相性の良しあしは、現状、検査などでは見つけられず、実際に摂取する以外に判断方法がありません」
効率よく、かつ安全に体を鍛えるため、プロテインと自身の相性を知ることは不可欠だ。また、規定量内であっても、体質によっては量が多いと感じ、不調の原因になり得るという。体とタンパク質の関係は、非常に複雑なのだ。
しかし、体調不調の原因がプロテインなのか、それ以外にあるのか、見分けることは難しい。見分ける方法はあるのだろうか。
「記録をつけることでしょうね。摂取したプロテインの種類、量に加えて、トレーニングの内容、それから食事のメニュー、睡眠時間などを記録することが、不調の原因を見つける鍵となります」
日夜トレーニングを積んでいる人であれば、毎日のトレーニングメニューを記録している人は多いだろう。そこに、その日に飲んだプロテインの内容を書き加えるだけでいいのだ。
自身に合うプロテインの種類や量を事前に知るすべがない以上、プロテイン摂取の履歴と、関連する情報の記録をつけておくことが、唯一、不調の原因を正しく知る方法といえる。
「プロテインの種類や量を変えたタイミングで不調が起きれば、それが不調の原因である可能性が高いですし、ほかに変化したものがあれば、そこがトリガーになっているかもしれません。記録を見返し、不調の原因を迅速に見つけ出せれば、すぐに問題点を改善することができます。そうすれば、トレーニングの効率を下げずに済むので、おすすめですよ」
ボディーメイクに欠かせないプロテインも、摂取の仕方を誤れば病気や体調不良のリスクを高めてしまう。からこそ、「自分にとって正しい取り方」を知ることが非常に重要なのだ。
鶉野珠子:清談社(せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
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