日経グッディ様のホームページより下記の記事をお借りして紹介します。(コピー)です。
締めつけられるような胸の痛みが突然起こる狭心症。しばらくすると治まり、その後症状がない例も多い。ただ心筋梗塞や突然死につながる可能性はある。もう痛みがないからと放置せず、医療機関を受診しよう。
(写真はイメージ=123RF)
狭心症では心臓に血液を送って酸素や栄養を届ける冠動脈の一部に異常が起こり、胸の痛みが起こる。冠動脈が狭まって血液が流れにくくなったり、冠動脈に異常なけいれんが起こったりする。
冠動脈に脂質の一種であるコレステロールなどがたまっていくと、「プラーク」と呼ばれる膨らみができる。この状況で運動など負荷がかかって起こるのが「労作性狭心症」だ。進行すると、プラークが裂けるなどして血栓(血のかたまり)ができて、さらに血流が悪くなる。これが「不安定狭心症」。血管が詰まって血流が途絶える心筋梗塞になりやすい状態だ。
脂質異常症や高血圧など生活習慣病が関係しているとされる。昭和大学医学部の木庭新治教授(循環器内科学)は「なかでも不安定狭心症は短期間で心筋梗塞を引き起こす危険性が高い」と説明する。
冠動脈にけいれんが起こる「冠攣(れん)縮性狭心症」は必ずしも運動などに伴って痛みが起こるとは限らない。夜間から早朝に起こる例が目立ち、目が覚めてしまう場合もある。原因は明らかになっていないが、喫煙やストレスなどが関係すると考えられている。
木庭教授は「血管が狭まっている部分がけいれんして心筋梗塞につながる場合がある。危険な不整脈を起こせば、突然死の原因にもなり得る」と強調する。
どのタイプにも共通する主な症状は締めつけられる、圧迫されるような胸の痛み。胸以外に肩や喉、奥歯、背中、みぞおちなどが痛む例もある。労作性狭心症の場合は普段利用する駅の階段や坂道で痛みが出て見つかることが多い。通常は少し休むと痛みが引くが、長引くようになったり、起こる頻度が増したり、安静時にも起こるようになったりしたら、不安定狭心症に進んでいる可能性がある。
循環器を専門とする小岩医院(東京・江戸川)の海老原敏郎院長は「胸痛が30分以上続く場合、ためらわず救急車を呼ぶべきだ。心筋梗塞を起こすとダメージが大きく、その前に治療するのが大切になる」と助言する。
冠攣縮性狭心症は日常生活に影響のない場合もあるが、やはり放置は禁物だ。胸の痛みが一過性だったとしても、早めにかかりつけ医に相談し、専門の医療機関を受診するようにしたい。
問診や血液、心電図、超音波などの検査で狭心症と診断されれば治療する。薬物治療のほか、冠動脈の内部に円筒形の網(ステント)を留め置き、血流を改善する「ステント治療」や「冠動脈バイパス手術」がある。冠攣縮性狭心症では薬物治療が中心だ。
薬は痛みの発作が起きたときに一時的に使う薬(ニトログリセリンなど)、発作を防ぐため日々継続して服用する薬がある。日常服用する薬には血管を広げるもの、血栓を防ぐもの、心臓の負担を減らすもの、高血圧や脂質異常症を治療するものなどがある。
治療中にもかかわらず、しばらく発作がないからと自己判断で薬をやめていて、体調が悪化するケースも少なくないようだ。木庭教授は「処方された薬の服用を勝手にやめないことが何よりも重要だ」と注意を促す。
狭心症は生活習慣病に加えて、喫煙やストレス、肥満なども関係するという。こうした要素が多いほど動脈硬化の危険が増し、発症しやすいことが分かっているそうだ。薬の服用などの治療はもちろん、食生活の改善や運動の習慣も欠かせない。
(ライター 坂井 恵)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます