日経グッディ様のホームページより下記の記事をお借りして紹介します。(コピー)です。
どんな食事が病気の予防になるの? また、どんな習慣がアンチエイジングにつながるの? 世界中で進む、“健康”にまつわる研究について、注目の最新結果をご紹介します。今回は海外発の運動の最新研究を2本です。1本は、香港発「太極拳はお腹やせに効く」、もう1本は英国発「高強度インターバルトレーニング(HIIT)で健康感が増し、ストレス感が減る」という研究結果です。
太極拳を週3回×3カ月、ウエストサイズや体重がゆるやかに減少
太極拳はゆるいので、運動効果は低いのでは、と思っている人もいるかもしれない。
メタボリックシンドロームの診断基準にもなっている腹部肥満。太極拳を続けると、早歩きや筋トレと同じように、ウエストサイズが減って、腹部肥満が解消される可能性が示された。50歳以上の腹部肥満の男女543人を対象にした香港の研究によるもの。
太極拳はゆるそうだが…
太極拳はゆるそうだが…
参加者を、有酸素運動や筋力トレーニングといった通常の運動を行う群(運動群:181人)、太極拳を行う群(太極拳群:181人)、運動介入を行わない群(対照群:181人)に無作為に割り付けた。運動と太極拳は、インストラクターの指導のもと、1時間のセッションを週3回、12週間行った。
運動群では、早歩きと筋力強化の運動(アームカール、アームレイズ、ショルダープレス、スクワット、ヒールレイズなど)を行った。太極拳は、最も一般的な楊式太極拳(24式)が用いられた。楊式太極拳の代謝消費量は約3.24 METs(メッツ)になるという。METsは安静時を1とする身体活動の強度。この研究では太極拳群と運動群での介入は3.0〜5.9 METs以内で行われた。
開始前のウエストサイズは平均で対照群は91.6cm、運動群は92.3cm、太極拳群は92.4cmだった。12週間後、運動も太極拳も行わなかった対照群はウエストサイズが増えたが、運動群と太極拳群は開始前に比べて減少。対照群と比べると、運動群は1.3cm、太極拳群は1.8cm減り、統計学的に有意に減少していた。介入から6カ月を過ぎた38週後でも2群のウエストサイズの減少は維持され、対照群に比べて運動群は3.6cm、太極拳群は4.3cm減っていた。
体重も対照群に比べて減少した。12週時点で太極拳群では0.2kg、運動群は0.3kg減り、38週後では太極拳群で0.7kg、運動群で0.9kg減った。
また善玉のHDLコレステロール値が、対照群では開始前に比べて12週後に低下したが、運動群と太極拳群では変わらず、太極拳群では38週後でも維持されていた。
これらの結果から、太極拳は50歳以上の腹部肥満の成人において、ウエストサイズを減少させる有効なアプローチであると研究者らは述べている。太極拳は「動きながらの瞑想」とも呼ばれる心身運動。激しい運動は苦手な人にも向いているのでは。
職場でのHIITで持久力が向上し、健康感がアップ
ボクシングや階段昇降などの運動を組み合わせる高強度インターバルトレーニングを職場で行って、持久力の目安となる最大酸素消費量が向上することが、英国の研究でわかった。
高強度インターバルトレーニング(HIIT)とは、最大心拍数の約85%になるような短時間の激しい運動と、休息あるいは低強度の運動を交互に行う運動のこと。この研究は「Brief Exercise at Work(BE@Work)」という職場でのHIITの有効性を確認するための探索的パイロット試験として行われた。
週3回、職場でのHIITの結果は?
週3回、職場でのHIITの結果は?
英国の2つの職場に勤務する男女54人(平均46歳)を、週3回、ボクシング、階段昇降、ステップ運動をベースとした60秒間のHIITを、75秒間の休息を挟んで4〜7回行い、これを8週間行う群(介入群:30人)と、HIITをしない群(対照群:24人)に分けた。
ボクシングの場合、例えば、高速のジャブやアッパーカット、フックを10回と50mのシャトルラン(往復持久走)かパワーウオーク(早歩き)を行う。階段昇降では、30段の階段昇降を繰り返す。ステップ運動は、ステップ台の昇降を20回とジャンプ運動(ジャンピングジャック)か、左右の足を交互に開脚するサイドタップを20回行う。
運動は職場のミーティングルームや屋外で実施し、運動開始前のウォーミングアップと終了後のクールダウンを含めて、各セッションは15分から22分で行われた。なお職場での実施であったため、手首に装着した心拍計の記録から、最大酸素消費量(VO2max)を推定した。
この結果、介入群は合計24回のセッションに平均で20回出席していた(82%)。心拍数のピークの平均は最大心拍数の87%だった。介入群の最大酸素消費量は、開始前に比べて介入後は平均4.7[mL/kg・分]増加し、対照群に比べて3.9[mL/kg・分]多かった。また健康関連の生活の質(QOL)の調査では、活力と全般的な健康感が介入群で向上しており、幸福感(well-being)も良好で、ストレス感は軽減していた。利き脚でないほうの脚の伸展筋力も対照群に比べて良い傾向があった。
また一部の参加者にBE@Work の介入について、グループ(2〜4人)で1時間ほどのディスカッションをしてもらった。3回のディスカッションに男女9人(セッションへの出席は平均21回)が参加。HIITを行っている間は息苦しさや局所的な筋肉疲労など、不快感や疲労感を感じたが、終了後には注意力と活力を感じたといった意見が出された。
この結果をもとに、職場でのHIIT介入の有効性を定量化するための無作為化比較対照試験の実施が求められるとしている。
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