自然食品店・オーガニック珈琲店「ろばや」のブログ

小金井にある自然食品店『ろばや』のブログです(※2014年2月閉店しました。珈琲、紅茶、一部の雑貨等は国分寺店にて継続)

ろばや珈琲

2009年04月17日 08時17分20秒 | 【コラム】 ロバの深呼吸
 珈琲の生豆を熱した釜に入れる。はじめは、焼きむらを作らないよう低温で。豆の水分が抜け白っぽくなり、続いて、薄く色づきはじめると、温度を上げる。そして待つ。180度を超えたあたりで「パチパチ」と豆がはじけ始める。これが1回目のはじき。2回目のはじきは200度を超えた辺りからはじまり、1回目よりしっかりした音になる。

 どこで焼き止めるかは珈琲豆の種類によって異なる。水分の含有量、新豆かどうかや外気温によっても異なる。温度計は目安で、最後ははじきの音や目で確認して、焙煎を終える。ろばやの焙煎時間は一般の2倍近くかかる。焙煎温度やブレンドの割合などで、珈琲は多彩な味をだすことができるのです。

  17年前、たぶん関東で初めての、有機栽培とフェアートレード珈琲の専門店と出発したのは、固い決意があったわけではなく、生協で働いたり、三里塚の無農薬野菜をとっていたり、バックパック旅行で海外をかいま見てきたボクの生活スタイルとしては自然な流れでした。でも、珈琲通からは好かれていなかったかもしれません。何故なら、銘柄物がほぼ無いのですから。

 当時、有機栽培珈琲といっても種類も少なく、味の面でも決して評価が高いとはいえない状況に思えました。現在、種類は増えましたが、味への評価はどうでしょうか。これを高めるのがろばやの役割のひとつです。17年が経ち、有機栽培もフェアートレードもビジネス性が増し、これがいいことなのかどうか立ち止まって考えることがあります。有機栽培認証がなくても農薬なしで栽培をしている農家はいるし(認証をとるには、生産者の金銭と事務の負担が大きいとききます)、フェアートレードという名称はなくても協同組合で助け合ってやっている生産組合もあることを理解しておきたいところ。また逆に、どうしてこれがフェアートレードなの?と思えるものもでてきています。

昨年、ろばやで扱っていたフェアートレード珈琲が3つ無くなりました。その内の2つは、産地側から止められたものです。

 ろばやが仕事をする上でもう一つ大切にしていることがあります。放射能や平和の問題です。
 チェルノブイリ原発事故のさい、足下をすくわれた思いでした。放射能が降り注ぎ、お茶などが廃棄され、母乳からは放射能が検出されました。安全な食べ物の保証が何処にもないという恐怖。ドラスチックに生活が変わることがあるということ。日常的な仕事をこなしながらも、放射能とか戦争とか、根底から生活をくつがえすものには目をそらせないでおきたいと思っています。(とも)

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