『ろばや』のブログ

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上野さんからの手紙 6月「あれよあれよの一日です」

2017年06月21日 | 生産者

ろばやで販売している「いろいろ米」と「コシヒカリ」の生産者、上野長一さんからの6月のお便りを紹介します。上野さんは栃木県上三川町で長年農薬を使わない米づくりに取り組んでこられました。お便りには農薬を使った一般的な農業での最新の稲作り事情(鉄コーティング?!)も紹介されていて、驚きの連続です。無農薬の農業というのは単に農薬を使わないということだけでなく、種まき、田植え、中干し、すべてが違ってくるんですね。 (早川)

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 いつもいつもありがとうございます。(2017年6月 あれよあれよの一日です)

稲のたねまきから田植えも残りわずかとなりました。たくさんの方々に支えられながら、野良仕事が続いております。ありがたい。みなさまに、感謝。

特に父が入退院の繰り返しもあり、今までになく緊張感の中での稲作り、スタートです。順調に進められるか、何か心配をかかえての作業、不安が先に走りましたが、父も元気にしております。

稲の苗も大きなトラブルもなく、機械の故障もほとんどなく、残り二割ほどの田植えと、そのあとすぐに小麦の収穫に入ります。その後、ライムギの収穫へと。そして田んぼの除草やら畦草刈りへと七月末までは仕事の終わりはなく、ひとつ区切りつくと次の仕事へ。天候もこの時期異常乾燥注意報が出るほど乾ききっておる栃木です。

水不足を心配しましたが、田植えはおくれましたものの水が流れております。晴天続きの為、早くから水を入れ、草対策をとっておる田んぼ、場所によっては緑の藻が田の水面をおおいつくし、田植えができず、足踏み箇所が何か所か出まして、すぐ床をかき、一度藻をしずめて田植えを行ったところも田植え後すぐ藻が浮き上がり、今も稲がどこに植えてあるのか心配になるところがあります。

そんな田は藻の為に草が極めて少なくなることも経験してますが、地温が上がらず、稲の生育の遅れも多々あります。

またよくクログワイの雑草が生える田はあえて田植えを遅らせました。

五月に入が来たら床かき放置して一ヶ月、草がビッチリ生えて田植えをしたようでしたが、先日二回目の床かきを行い、草処理。そして昨日、田植え前の床かきをして、草を少しでもおさえて、稲作りへ、とします。

このような田は、五月中旬に田植えしてしまうと今頃は草なのか稲なのかわからず。そんな経緯のもと、昨年田植え後草がビッチリになり稲か草かわからなくなり、再度床かき、田植えをしたところ、草をめっぽう少なくなったことも考え、あえて遅い田植です。

近所の五月連休のころに田植えした稲の田んぼは中干し(なかぼし)と言って、田んぼの水を切る。地面を出して、稲の生育をおさえはじめます。このままですと稲の茎数が増えすぎて、倒れたり、不稔(ふねん)になるためなんです。機械の田植えになってから始められたV字の稲作りです。が、稲の生理をコントロールしての稲作りの主流です。私の場合は中干しもあまりせず、苗も昔の苗のように大きくしてからの田植え、と、V字稲作りとは生育ステージを変えての稲作りですが、それぞれの稲に対する技術は様々ですが、ね。

今は種もみを直接田んぼにまく、直播き(じかまき)の稲作りも見られるようになりました。直播きの方法も種をまく前に機械の力で先は田面を平らにします。大きなキカイでレーザーを使って50a(50m×100m)の田面の高低を1cmぐらいにおさえ、除草剤を何回かかけて草一本も生えてこない状態にして、種まきも三月末か四月上旬には蒔いておるようです。これは乾田直播です。また湿田直播と言ったものもあります。

通常のように床かきを行いまして、土もねり、平らにして水を落として芽出しをした種もみを、鉄コーティングをして専用の種まき機で蒔きます。鉄コーティングをすることで、種もみを水に沈める、鳥の害をおさえる、発芽時の酸素不足をなくす、と言ったことのようですが、ともあれ、除草剤抜きに考えられない栽培方法です。稲の労力を軽減する技術ですが、田植え作業も変わりつつあります。

が、百姓誰もがこの先の稲作りはどうなるのかね、が合言葉となりました。20~30代の若い姿が田んぼにいないのです。未来はどこへ。

(2017年6月)

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