“文学少女”と死にたがりの道化 価格:¥ 588(税込) 発売日:2006-04-28 |
物語を食べちゃうくらい深く愛している”文学少女”天野遠子と、平穏と平凡を愛する、今はただの男子高校生、井上心葉。
ふたりの前に紡ぎ出されたのは、人間の心が分からない、孤独な”お化け”の嘆きと絶望の物語だった―――!
”文学少女”と飢え渇く幽霊 価格:¥ 630(税込) 発売日:2006-08-30 |
ある日、文芸部の「恋の相談ポスト」に「憎い」「幽霊が」という文字や、謎の数字を書き連ねた紙片が投げ込まれる。
文芸部への挑戦だわ!と、心葉を巻き込み調査をはじめる遠子だが、見つけた”犯人”は「わたし、もう死んでるの」と笑う少女で―――!?
“文学少女”と繋がれた愚者 価格:¥ 630(税込) 発売日:2006-12-25 |
ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた。
暴走する遠子に巻き込まれ、文化祭で劇までやるハメになった心葉と級友芥川。
垣間見たクラスメイトの心の闇。追いつめられ募る狂気。過去に縛られ立ちすくむ魂を、”文学少女”は解き放てるのか―――?
各所のランキングや、一般のレビューでも評価の高い”文学少女”シリーズです。
私はまだ読んだことがなかったのですが、「よし、それでは」と既刊三冊を読んでみました。
一作目を読み始めたときには、”文学少女”ゆえの引用の多さや、遠子先輩自体に面食らってしまったのですが、物語を読みすすめていくうち、二作目 三作目と読んでいくうちにこのシリーズが好きになっていきました。
引用にしても、引用でなくても遠子先輩が読んでいる本が自分の好きな本だったり、ちょっと前に読んだ本だったりすると嬉しくなったりしますしね。
私は基本的に文学うんぬんってのは苦手でして、引用されてる作品にしても「教科書で見たことある」だの、「ちょっとしってるかも」くらいなのですが、二作目の”文学少女”と飢え渇く幽霊の中で、遠子先輩が心葉君を待ちながら読んでいたのがチャンドラーの「長いお別れ」だったときはニヤッとしてしまいました。
「あらー、遠子先輩ハードボイルドも読むんだー」みたいな感じで。
(あー、でもチャンドラーは文学っぽいかも)
これを期に文学作品ってのも読んでみようかなー、ってな気にもなりましたしね。
でも食べようとは思いませんが(笑
このシリーズでは各作品ごとにそれぞれモチーフとなっている文学作品があり、それに絡むようにストーリーが進んでいきます。
ミステリアスな謎を”文学少女”が推理ではなく妄想――想像することで読み解いていきます。
ただ シリーズを重ねるごとに、謎解きよりはシリアスな面が濃くなっていくような気がします。
作品の紹介に「ミステリアス学園コメディ」とありますが、コメディってのはどうかな~と思いますね、そいいった要素も無くは無いんですが。
シリーズ三作目で物語のちょうど中盤くらいだそうです。
三作目で動き始めた物語の核となる部分も気になるし、これからが楽しみですね。
ちなみに私は登場キャラの中で、”不遇のツンデレ”琴吹さんがお気に入りなのですが、この後の展開はどうなるのでしょうか・・・。
このシリーズ、竹岡美穂さんが描いてらっしゃるカバーや挿絵もすごくポイント高いですよ。