昨日は上記講座に行ってきました。今回で折り返し地点。
5回に分けて龍馬の生涯をお話ししまして、今回から「手紙」編です。
大河ドラマに連動したほうがわかりやすいと考え、今回は龍馬がお龍をどのように家族に紹介したのかを手紙から見ました。
そして前回放送の「龍という女」でお龍が包丁を振り回している話をお龍の回顧録と一緒に読みました。
「続反魂香4」より お良の憤怒
未だお良と母と妹二人が、父親に死別れて一家は落魄し、京都の木屋町に居た頃でしたが、お良が用あって他処へ行った留守に、或日の事、下河原の芸者屋の玉家といふ家の女将で、お吉という狼婆が訪て来て、お貞に面会し、先づ将作の死亡した悔みをのべて、以前、種々世話になった事や、生前の逸話なぞを、かつぎ出した末に、妾(わたし)もいろいろお世話になりましたから、何うかして御恩報じを仕たいと思ひますが、ついては大坂の去る大家に、小間使が欲しいと探して居るを幸ひに、何うでございます、御宅も失礼ながらお困りのやうですから、光枝さんをお遣りになっては。なあに貴婦、向ふは御大家の事ですから、決して御心配には及びませむ。そうすれば貴婦もお楽になり、第一、光枝さんも、先きへいって出世をするやうなものですから、総ては妾が取計って、宜いやうに仕て上げます。お遣りなさい、お遣りなさい。かういふ宜い口は、亦とありませむよ、ほゝゝゝゝと爪をかくした猫撫声に、お貞はうかと乗せられて、それでは如何か宜しくお願ひ申しますと、承知仕ましたので、狼婆奴、〆たと腹の中で笑ひながら、愛嬌の有るだけ振り蒔いて、光枝を拉れてゆきました。
そむな事とは知らぬ、お良は帰って見ると、妹の光枝が居ませむから、如何したのかと母に聞くと、これこれと訳を話しましたので、そりゃ大変です。彼の婆が一通りや二通りの悪婆ぢゃありませむよ、彼女の手へ渡したら最後、満足では帰ってきませむと聞いて、母もふさぎ出し、お良、如何仕たら宜いだらうと早や涙ぐむで、おろおろ仕て居ますから、お良は、宜しいお母さん、御心配なさいますな、妾しが行って取り返して来ますからと、金子を調へて、先づお吉の家へゆき、此処で亭主と言ひ争った末に、愈大坂の居処が知れて、お良は大坂へ渡り、ドブ池(大阪の船場)といふ処に、お吉と他に男が三人無頼漢(ごろつき)風の奴が、光枝を取りかこむで何か言って居ります処へ、突然坐り込むで白眼み廻すと、流石の四人も不意にお良が来たので、唯、呆然と仕て居りました。
お良はやがて口を開き、おいお前さん方は、何だって妹をこんな処へ連れてきたんです。母に聞けば、大家へ小間使ひにやるとか、いふそうですが、妾の眼の黒い内は、めったに妹を他処へは遣りませむよ、さあ、妾が妹を連れて帰りますから、其積りで居て下さいと、立上って妹の手を執ると、一人の男が、矢庭にお良の腕を捉らへて、やい阿魔、何でい、此女を如何するといふんでい、と眼を怒らせて今にも飛かゝらむ勢ひ。お良は平気で、何だとい、此女を如何する、フン自分の妹を自分が連れてゆくに何か如何したとお言ひだい、ふざけた事を言ひなさむな。手前達は何だい、気の毒だが真白昼、往来を両手振って歩ける身分ぢゃあるまい、いけづうづしい畜生だつと、最早、怒り心頭に発して居るものですから、思ひ切って男の横面を火の出る程撲りました。をやつと、外の二人が立上らうとする奴を、傍にあった火鉢を執って投げつけますと、ぱっと上る灰神楽。即意即妙の目つぶしに、三人とも目をやられて、言ひ合したやうに台所へ馳せゆく隙を窺ひ、光枝の手を執って表へ出ますと、お吉婆が、背後から帯を捉へて引戻そうとするやつを、エイツと蹴飛ばして逃げ出し、八軒屋の京屋という船宿に飛び込むで、三十石船に乗り京都へ帰って我家へ着きました。
この話が龍馬の手にかかると・・・
十三歳の女は殊の外美人だったので、悪者がこの子をおだてて島原の里へ舞妓として売り、十六になる女の子は、だまして母に言いふくめ大坂に出して、遊女に売ってしまいました。五歳の男の子は粟田口のお寺に出してしまいました。それを姉(お龍)が気づき、自分の着る物を売り、その金を持って大坂に行き、(妹を売った)悪者二人を相手に死ぬ覚悟で、刃ものを懐にしてけんかし、とうとう大口論になったので悪者は腕の刺青の彫り物を見せながら、乱暴な口調で脅しをかけてきましたが、もともと姉(お龍)は死ぬ覚悟ですから、跳び掛って悪者の胸倉をつかみ、顔を思い切り殴りつけ、「お前がだまして大坂に連れてきた妹を返さなければ、命をもらうぞ」と言うと悪者は、「女め殺すぞ」と言ったので、女(お龍)は「殺すか殺されるかではるばる大坂に来たのだ。それは面白い。殺せく」と言うと、さすがに殺すわけにもいかず、とうとう妹を受け取って京都へ帰りました。
ということで、5両の借金のためではないことがわかります。弥太郎の材木商売の話もしました。
さすがに、手紙の講座は初めての方が多く好評でした。
帰宅後、「池田屋に走れ」を見ました。
今回も突っ込みどころ満載でした。13日の講座でじっくり解説します。
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