さて、赤ならず、白ならず、「黒ワイン」なるものをご存じかな。
なに、まだお目にかかったことも、飲んだこともない。
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「十分に熟した(熟しすぎた?)ぶどうを使い、
小樽で熟成させてバニラのような樽香をつけ、
色が黒に近いほど濃くて、甘みがある凝縮したワイン」
それが「黒ワイン」だと葉山考太郎著「偏愛ワイン録」にある。
| 四大帝王を直撃! 偏愛ワイン録
葉山 考太郎
講談社
●パーカーへの直撃インタビューあり。これが、傑作。
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生産者は競って、そんな黒ワインを目指すのだという。
なぜか。それがロバート・パーカーが好むワインであり、
彼がいつも高得点を付けるからだと言われている。
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さて、おわかりだろう。
生産者がいいと思うワインではなく、
パーカーに迎合する濃厚な赤ワインを「黒ワイン」と呼ぶのだ。
その点数で売れ行きが、俄然、違ってくる。
かくして、世界中のワインはすべて「黒ワイン」となってゆく。
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ワインの「パーカー化」。
そのシンボルが、すなわち「黒ワイン」というわけ。
でもこれは、「濃厚でビッグ」好みと批難するアンチパーカー派が
「黒ワイン」などとおもしろくおかしく仕立てた話ではないだろうか。
かならずしも濃厚でないワインにも
パーカーポイント(PP)高得点は、ちゃんとあります。
いちど「PPを飲む」をのぞいてみて下さい。
赤でも白でも黒でもよいから、
彼が高得点を付けたワインを飲んで、あれこれ論争しましょうよ。
「PPを飲む」
葉山考太郎著「偏愛ワイン録」にはパーカーをインタビューした記事あり。
他に四大帝王を直撃インタービュー。かなり高得点の本です。
ついでに、ロバート・パーカーも勉強しましょう。
| ワインの帝王ロバート・パーカー
エリン マッコイ
白水社
●これを読まずに、パーカーは語れない。
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