惠子が、倒れたァ!! くやしい! くそっ!

果たして、この先どうなるのか。そのドキュメント。

大恐慌、一瞬の奇跡。

2008-12-06 14:30:49 | ワイン
さてさて、100年に一度とかの、大恐慌(不況なんてナマやさしいものではないのでは…)話には、
いささかうんざりです。
先のことを考えると不安材料ばかり、と嘆きに嘆いて、それだけで疲れ切った友人のなんと多いことか。

そんな中彼と彼女を誘って、株の話は一切なし!という条件で酒盛りをはじめた。
ビール(正しくは発泡酒)から始まり、不景気時には絶対おすすめ!安くておいしいワイン!(ディスカウントと店の売り出し文句)1リットル入り紙パック赤ワインに至るとブルゴーニュからチリワイン、ロバートパーカーの批評まで、例によってワイン通の二人の講釈と議論が始まった。

頃合いを見てこんどはビンに納まった赤ワインを出した。ただし、貼られているすべてのラベルはをはがしてである。

「な、なんだこのスッポンポンの怪しげなヤツは!」と株で大マル損。日経平均8,000円を切ったいまは、
かろうじて首の皮一枚でつながっていると嘆く大マル損男。
「このコルクの刻印、アラジンのランプ見たい…、中東のワイン?」とは、1度目は性格だかセックスだかが逢わなくての協議離婚、二度目は豪邸2軒分ほどの投機大損離婚?(ご本人がそう解説)の年齢不明のキャッピー美女。

刻印でばれるかと思ったが、以外や以外、お二人とも知らなかった。(私もつい最近までは知らなかった)
口に含んで、目をぱちくり輝かせる。ゴクリとのどに送って、目を白黒。
そして、二人して、謎のワインのコルクを手にしてじっと見る。
香りを確かめたり、噛だりして、コルクの刻印を異口同音に「すばらしい!!」
そんなコルクを絶賛してどうなるの。
「いやいや、そうじゃない。丁寧に作られたワインはコルクから美しいものだ」と大マル損男。
「で、どこのワイン。ねぇ、ねぇ、」私の手を取り、ボリュームたっぷりの体をくっつけて、あまたるい声で迫る株式大損離婚女。

じらすつもりが、ついつい、「先生方よ。刻印を見てもまだわからんのか。イスラエルのワイン。これはヤルデン。ゴラン高原で造られている」と偉そうに教えてしまった。
つづけて、「ワインは中近東が発祥の地。あのキリストがその水の上を歩いたというガラリヤ湖から35KMほどのところにあるゴラン高原がある。キリストが初めて奇跡を起こしたのが、そこらしい。なんと婚礼の席でワインが足りなくなり、水瓶の水をワインに換えたというのだ。
もちろん、上等なワインにさ。パンは私の肉。ワインは私の血。キリストのおしえさ。マグラダのマリアはキリストの妻だった。ワイン作りがうまかった。最後の晩餐をよく見ろ」とかなんとか、支離滅裂。

酔った勢いでいいかげんなことを口にしてしいると、二人とも、「いいから、あと何本あるのだ。全部飲もうぜ!」「高いんでしょう」というから、「いやこれは2千いくらだ」とか自慢げに言う。「いやそんな価格で、買えるはずないワ」とおだてられ、あとは白が一本だけと言っていたはずなのに、あと1本、あと1本と、結局4本、すべて飲まれてしまった。

そのうえ二人に、ヤルデンのこの4本セットをお歳暮で送る約束さえしてしまった。
まあその夜は、「ヤルデン」でワイワイガヤガヤ。大不況を忘れた一時だった。
いい晩餐会だった。ホント。
          
ゴラン高原・ワイナリーの「ヤルデン」4本セット
そのラベルからして、神々しい。

やや、隠しておいた「ヤルデン」をワイフがあけると叫んでいる。
行かなくちゃ。読み返す時間がない。変換ミス、誤字・脱字があるかも試練が。
ごめんなさい。さようなら。