佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

放射線科医の日常や、診療紹介、推薦図書などをご紹介します。問い合わせ先等、詳しくはカテゴリー「はじめに」をご覧下さい。

「急性腹症のCT」

2008年03月27日 17時33分49秒 | 独断!放射線科医の推薦図書
syngoです。

急性腹症は放射線科医も避けては通れません。撮像の指示から読影まで短時間での的確な判断が要求され、放射線科医の力量が試されるのではないと思われます。

今回ご紹介する図書は実際に勉強会に使用した本で、昨日で1周り終了しました。
夜遅くまで色々と御指導下さったMIZ先生、guri先生、mune先生本当にどうもありがとうございました。最初は知らないこと、わからないことだらけでしたが、お陰様でかなり賢くなれたはずです。これからも自分なりに勉強が必要でしょうが、学んだことを今後の診療に活かしていきたいと思います。

前置きが長くなりましたが、図書の簡単な紹介です。
徳州会の先生が編集されたもので、文字通り急性腹症のCT画像が約400症例紹介されております。個人的に驚いたことですが、虫垂炎の30症例から始まっております。common diseaseからrare caseまで幅広く掲載されており、臨床経過から手術所見、病理所見と非常に良くまとまっています。それでも全てを網羅しているというわけではありませんが、一言に「急性腹症」といっても多くの病態・病因が存在しうるということを思い知らされます。

元ネタになっていると思われるHPはこちらです。頑張って解答してみましょう。www.qqct.jp/

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おすすめですよね (Ryoko)
2008-03-27 22:22:50
この本、本当にすごいです。これをおいて他にないって感じですよね。

今はマルチディテクターCTになって、急性腹症の診断は随分楽になりましたが、腸管や血管の走行を地道にマメに追っかけることが多分一番の近道です(しんどいけど)。大学にくる急性腹症は紹介が多いため、少し時間がたって、所見も症状も、あるいは診断も完成されていることが多々ありますが、大学を離れると軽微な所見しかない初期像に遭遇して悩んだり、決断できなかったり・・・難易度は上がるように思います。

Mune君、Syngo君は放射線科医として初めて外へ旅立つことになりますね。自分への戒めでもありますが、最初に目に入る所見が一番大事な所見とは限りません。1つ見つけてそれにはまって満足しないように・・・一例一例を大事に頑張ってください。私は自分に余裕がなくて、勉強会にお付き合いも出来ませんでしたが、心から応援しています
返信する
超良本 (kum)
2008-03-27 22:34:15
この本は急性腹症を学ぶのに非常に勉強になる本です。この本の著者である堀川先生は、かなりバイタリティーにあふれるお方で、僕が福岡徳州会に勤めていた時も、2週間に1度の頻度で、研修医および若いスタッフ向けに(沖縄から)講義にきてました。確か、福岡だけではなく、全国の徳州会を回っているというような話でした。

あの頃は、僕も若かった(3・4年目)ので、放射線科医以外の人が急性腹症のCTを講義して、はたして勉強になるのかと半信半疑で講義を受講していた記憶があります。しかし、受講してみると、目から鱗の話ばかり、かなりためになったし、放射線科医以外でも、丁寧かつ的確な画像診断ができる人がいるのだと、驚いたものです。

講義のスタイルとしては、毎回、テーマがあり(たとえば、今日は右上腹部痛を呈した症例とか)、単純写真とCTを提示して、研修医や若い医師に読影させるスタイルでした。もちろん、無料で受講できたのですが、お金払ってでも受講したいと思わせる内容だった気がします。

私の急性腹症の経験症例および知識は、福岡徳州会で勉強したことが大部分です。今は、佐賀の関連病院から外れてはいますが、もし、若い医師の人数が増えれば、1年程度、あの病院で研修を積むのも悪くないと思います。
返信する
おつかれ (bun)
2008-03-29 00:48:34
一年間の抄読会で読み切ったのですね。
がんばりましたね。
研修医の時に買って、読み切ったのはかなり年月を要した記憶が・・・^^;
急性腹症は本通りに診断ができないことが多々あると思いますが、一例一例丁寧に読影することが正確な診断への最短ルートと思っています。
頑張ってくださいな^^
返信する

コメントを投稿