佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

放射線科医の日常や、診療紹介、推薦図書などをご紹介します。問い合わせ先等、詳しくはカテゴリー「はじめに」をご覧下さい。

開幕

2008年10月30日 22時23分58秒 | オフタイム
 今日から、佐賀インターナショナルバルーンフェスタ(正式名称かな??)が開幕しました。ウチから、大学までの河川敷が会場となっていて、数十機の気球が飛んでいます。

 自転車で通勤途中に(会場を横切るコースなのでうっかりしてた…)DJに「そこの自転車降りてください!」とスピーカー越しに怒鳴られ、周り中から冷たい目で見られ、朝からブルーな一日。

 初日の写真はありませんが、おそらくバルーンに乗れるスタッフがいるので、良い写真が紹介できると思います。来月リニューアルする予定のホームページにも使用する予定です。

 明日は、下の道を通ろうっと。

Common diseaseの画像診断 (1)

2008年10月28日 19時10分42秒 | 独断!放射線科医の推薦図書
 少し前の画像診断からで、初期研修医や新入局員によく薦めている雑誌です。

特集 読影レポートのエッセンス(1)-common disease診断の要点と表現のコツ-
 
画像診断 (Vol.26No.11)

秀潤社

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 この号では、

・脳神経疾患
・頭頸部疾患
・脊椎疾患
・循環器疾患
・呼吸器疾患
・骨軟部疾患

 における、common diseaseのCT,MRIがまとめられてます。日常の読影業務でよくオーダーされる疾患、よく目にする所見を呈する疾患が集められています。
 経験があまりないうちは、いざ初回で書こうとすると「どう書こうかな?」とか、「臨床上、必要な情報は?」というところで、迷うものが結構あります。
 たとえば、いわゆる脳の白質病変や、変形性脊椎症、脊椎圧迫骨折、人工血管置換術後フォロー、孤立性肺結節、股関節痛など。

 このような疾患の画像とエッセンスを見開きでまとめてあります。教科書を調べようとすると時間がかかってしまうものばかりで、今でも手放せません(もうそろそろ卒業したいのですが…)。

 放射線科医のいない病院に勤務している研修医や、一般内科医などにもオススメと思います。
 2006年の本ですが、バックナンバーがあるようなので是非一度ご覧になってみて下さい。
   

エリンギの炒め物

2008年10月27日 20時35分43秒 | オフタイム
 今日は、秋季大会に行っていたスタッフが帰ってきて、読影室がにぎわっていました。科研、発表とひとつ山を越えたせいか、なんとなく明るい雰囲気でした(まだまだ仕事が山積みのスタッフもいますが…)。
 
 お土産がたくさん並んだ読影室の写真をとろうかなと思っていたのですが、夕方までには既に空き箱すらなくなっていました。

 よって、今日はあまり書くことがないので、昨日上手くいったエリンギの炒め物について。

 材料:エリンギ、ニンニク、カマンベールチーズ
    オリーブオイル、塩、粗挽き胡椒 それぞれテキトウ
 1.ニンニクを縦に切り、芯を取った後に包丁の腹でつぶしておく。
 エリンギは太さをそろえるように裂いて、ちょっと厚めに輪切りにしておく。
 カマンベールチーズを粗めに切っておく。
 
 2.オリーブオイルとニンニクをフライパンに入れて弱火でじっくりと香りをたてる。

 3.エリンギを入れ、少し火を強くして炒める。塩胡椒をふって、焼き色がついたら、ふたをして蒸し焼きにする。

 4.水分が少し出てきたら、カマンベールチーズを入れる。フライパンをふって、溶けてきたカマンベールチーズをエリンギにからめる。最後に塩胡椒で味を調える。

 思いつきで作った割に、まあまあでした。ビールのつまみに良さそう!な仕上がり。応用でパスタソースにもなりそうです(ゴルゴンゾーラほどくせがないし、高くないので)。

 ではまた。

頭蓋底解剖 眼窩-翼口蓋窩2

2008年10月26日 09時34分53秒 | オリジナル解剖アトラス
 前回頭蓋底解剖 眼窩-翼口蓋窩1で告知したとおり、横断像および冠状断像を組み合わせた画像を作ってみました。



 VR法で作成した頭部3D画像を傍正中線でカットし、背側へ60°傾けたものを頭側から眺めています。正円孔レベルの横断像、翼口蓋窩-上眼窩裂レベルの冠状断像を挿入しています。赤点線より下方が横断像、上方が冠状断像となっています。イメージは伝わりますでしょうか?

 以前の画像で、下眼窩裂に不正確な→がついたのは、このように頭蓋底と下眼窩裂が直接交通していないためです。

 次回は、通常の画像診断で用いる、横断像および冠状断像をもう少し載せようかと思います。
 

頭蓋底解剖 眼窩-翼口蓋窩1

2008年10月25日 15時16分00秒 | オリジナル解剖アトラス
 久しぶりの解剖です。
 カテゴリー「オリジナル解剖アトラス」を作ったので、そちらをクリックしていただくとこれまでの記事が出てきます。

 今回は、眼窩~翼口蓋窩の解剖です。
 

 3D再構成した顔面を正面から見ています。左半分は、翼口蓋窩のレベルまで顔面をカットしています。今回は翼口蓋窩に開口する、下眼窩裂、正円孔に矢印をつけてみました。

 各経路の連絡と、通過する内容物は以前の記事頭蓋底解剖 頭蓋底の主な経路をご覧下さい。

 次回は、水平断、冠状断を組み合わせて、より立体的に理解できる絵作りを試みてみます。

秋季大会 in 福島

2008年10月24日 23時05分16秒 | 研究会・学会
こんばんは。先程、帰ってきました。

とりあえず症例検討の解答です。
(mune先生がしっかり解答を考えていたみたいですが、そのままになっていましたので)

1.endolymphatic sac tumor(ELST;内リンパ嚢腫瘍)

2.シトリン欠損症(成人型シトルリン血症)
 成人発症の尿素回路異常症で、鑑別のポイントは病歴の「豆類・乳製品・生野菜・魚・卵を好んで食す」だったようです。

3.relapsing polychondritis

4.癌性リンパ管症(胃原発)

5.Peutz-Jegher 症候群

6.lymphoepithelial cyst


英語の綴りが間違っているかもしれません。
今年は解答集の配布がありませんでした。学会HPに解答は掲載されるそうです。(もう載っているかもしれませんが)

片道7時間以上はやはり遠いです。疲れたので今日はこれくらいにしときます。次があるかわかりませんが、気が向いたら解説部分を追加します。


marthy

続 右足の痛み

2008年10月22日 23時42分38秒 | オンタイム
 今日は久しぶりに雨が降っています。この雨が上がったら、またひとつ季節が進むんだろうな、という雨です。

 秋季臨床が始まりましたが、今年は演題を出していないので、留守番です。去年、名古屋に行ったのがつい最近のような気がします…

 さて、先週末に出した足関節の3D-CT、ご覧になっていただけたでしょうか?
 扁平足?そうですね、確かに。

 では、もう一つは…



 外脛骨です。
 実は、昔からちょっと運動したり、時には少し長い距離を歩いただけでも
土踏まず(ほとんど無いけど)の上がひどく痛むときがありました。臨床的にも疑っていたのですが、ようやく、長年の疑問が解けました。

 診断:有痛性外脛骨
 外脛骨自体は、日本人の10%~見られる舟状骨のnormal variationです。分離の仕方によって、数タイプに分類されます。一部は、疼痛の原因となり、有痛性外脛骨と呼ばれます。基本は、保存的に加療されますが(安静、抗炎症薬、足底板など)、手術適応のものもあります。

 もしや、という方は整形外科受診をオススメします。専門家以外は、案外、知られていない疾患かもしれません。

Aiは愛か?

2008年10月21日 08時27分58秒 | 研究会・学会
東京でautopsy imaging (以下Ai)を特集した研究会があって参加してきました。講演や議論の中で印象深かったのは
(1)日本はとてつもない死因不明社会であること
(2)これが、現在の医療不信の一因になっていること
(3)Aiを医療の最後とするという原則と、これで経済的問題も解決するという方法
(4)AiをB医やH医には、まかせられず放射がイニシアチブをとるべしということ
(5)あんがい、各施設で臨床機器で既に多数おこなわれていること
(6)診断率3割ということ
(7)Ai所見や診断は、死亡診断書/検案書の中での参考所見としての取り扱い
しかし、結局この忙しい中どうするのよ?ということです。ちなみに600床位の都市型市民病院で年間約100例(半数は院内、半数は救急CPA、あと少しは警察から)だそうです。院内事例は、基準を設けた上で施行されておられました。 MIZ


膠原病の画像診断 update

2008年10月20日 22時05分39秒 | 独断!放射線科医の推薦図書
 先週末に読んだ雑誌です。久しぶりにおもしろかったのでご紹介です。

 特集は、タイトルの通り「膠原病の画像診断 update」です。
 
 当科では、単純写真のレポートも通常業務の一環なので、胸腹部単純写真以外にも四肢の写真にもレポートをつけなければなりません。当然、外傷の他に、関節リウマチをはじめとする、膠原病・リウマチ性疾患の評価も依頼内容に入ってきます。初期研修が終わって、放射線科医になりたての頃は、”erosion”も、何のことかよくわかっておらず、とっかかりにくい領域だなぁ、と苦手意識を持っていました。もっと早くに、この本が出ていれば良かったのに…

画像診断 Vol.28No.10 (28)

秀潤社

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 基本的には、成書で勉強すべき事項だとは思うのですが、あの厚い本をみるとどうも…時間もないし…という方や、最新の知見をキレイな画像で見てみたい!という方にオススメの一冊です。

 現在の、膠原病・リウマチ性疾患の概念と分類は、知識を整理するのに非常に役に立ちます。膠原病に伴う各臓器の病変(肺、肺の血管炎、消化器病変、脳・脊髄病変、心血管病変)も、それぞれの章にまとめられています。
 なんといっても、診断の最初に行われることの多い、単純X線の所見の基本と、最近オーダーの増えてきたMRIについて、しっかり書かれているのが良いです。

 例えば、
 mouse ears signと、gull wing signは有名な所見ですが、病態がわかると、より画像の理解が深まります。他の関節についても、応用が利くような気がします。

 膠原病・リウマチ性疾患は、横断的かつ縦断的に学ぶことでより理解が深まる疾患だと思います。まずは、この本で(それこそ、1日くらいで)ざっと網羅してから、リファレンスを使って勉強するのはどうでしょうか?

 ま、まず僕がしなければならないんですけどね。

右足痛の原因?

2008年10月18日 21時48分26秒 | オフタイム
 木曜日夜に突然、右足踵内側が痛くなりました。
 その後、疼痛が強くなり、踵を着くのがちょっときつくなってきたので、ある疾患を除外するために、テスト用と称してCTを撮ってみました。

 踵骨には著変無かったのですが、このような所見がありました。
 長年の疑問が解けたので、3D-CTまで作ってみました。


 
 さて、どうでしょうか?
 続きは来週。