佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

放射線科医の日常や、診療紹介、推薦図書などをご紹介します。問い合わせ先等、詳しくはカテゴリー「はじめに」をご覧下さい。

断層映像研究会

2008年07月28日 10時43分38秒 | 研究会・学会
暑い日が続いていますが、みなさん夏バテしていませんか?
私は夏バテ&子供たちの相手をすることでさらにバテバテです。

さて、研究会のお知らせです。10月3日-4日にアクロス福岡にて、第37回断層映像研究会が開催されます。この学会は、昨年度からミッドオータムセミナーとしての位置づけを考えているらしく、各領域のエキスパートのご講演をまとめて拝聴できるようになっています。

テ-マ: いま必要な画像診断学講座 in福岡:リフレッシュから最新情報まで 大会長は 本田浩先生です。 参加費: 5,000円
ホ-ムペ-ジ(http://www.secretariat.ne.jp/danso37/)より事前参加登録が必要らしいです。また、Evening Seminarは医療安全講習会を兼ねており、出席者には受講証明書を発行するそうです。Evening Seminarのみの参加は無料だそうです。

参加登録の締め切りは9月16日(火)まで、定員は250名です。参加希望の方はお早目の登録がよろしいかと思います。

プログラムはhttp://www.secretariat.ne.jp/danso37/program.htmlです。佐賀大学からは入江先生が膵嚢胞性病変の画像診断でご講演予定です。また、佐賀大学出身の松尾先生も骨盤腫瘍の鑑別診断:読影の心構えとの演題でご講演予定です。

私自身は一度もこの研究会に参加したことはありませんが、今回は、参加してみようと思っています。  kuma


2008.07.24

2008年07月24日 23時31分09秒 | オフタイム
 暑い日が続きます。
 実は、昨日大変なことに気がつきました。なんと、認定医試験まで1ヶ月を切っていたのです。

 このまま勉強をしなければ…落ちる…

 どうやら、のんびり(でもないけど)ブログを書いている時間は無いようです。
 大したことは書いていませんが、しばらくは更新できないかもしれません。とりあえず、ごめんなさい。

 

 本日は、比較的早く仕事が終わったので、預けてあった自転車を引き取りに行ってきました。その時の写真です。大通りから、お堀の向こうで夕陽を反射している県庁(だと思います…)をパチリ。

2008年度ミッドサマーセミナー ランチョン 造影剤投与により腎で何が起こるのか?

2008年07月23日 22時03分46秒 | 研究会・学会
 蒸し暑い日が続きます。ぼーっとしているとあっという間に日が過ぎていくような気がします。

 先日のミッドサマーセミナーの2日目ランチョンセミナーが大変興味深かったので、主に自分が勉強になった点をメモしていきます。

 講演していただいたのは、京都大学大学院医学研究科内分泌代謝内科の笠原正登先生でした。

 これまで聴いた腎臓の話の中で、もっともダイナミックで、腎臓への愛にあふれた講演でした。とても、その内容をお伝えすることができないのが残念です。

 まず、腎について懐かしい基礎から復習していただきました。

 ・腎皮質と髄質、糸球体~近位尿細管~遠位尿細管それぞれの機能について。腎についても機能とマクロおよびミクロの形態が見事に一致していること。
 たとえば、機能的・進化的には劣った血管系である終末動脈がなぜ腎で残っているのか。皮質寄りにあるネフロンと、髄質よりにあるネフロンの機能の差とは?そして、それぞれの障害に伴う臨床像の違いとは。
 ・腎血流の分布とその調節の難しさ。皮質と髄質の血流調節能が異なること。特に調節困難な、髄質血流を維持することが重要であること。
 ・急性尿細管壊死とは。急性腎不全とは。
 ・急性尿細管壊死の臨床像は、どのようなものか。臨床経過を通じて、何が起こっているのか。
 ・血中クレアチニンは、決してその時点での腎機能を反映しない。
 ・一見正常の血中クレアチニン値でも、年齢・性別では著明なGFR低下がある場合が多々ある。
 
 後半は、造影剤と腎についてです。
 
 ・造影剤投与後、2分で腎血流が低下する。
 ・造影剤が近位尿細管を通過する際に、近位尿細管のendocytosisによって、造影剤が取り込まれる!
 ・遠位尿細管で円柱が形成されることで、近位の構造である近位尿細管~糸球体の流れが止まり、障害が惹起される。
 ・それでは、造影剤腎症の予防には何がよいのか?

 ・血液透析:上記の理由により造影剤腎症の予防効果は疑問である。有効性が期待できるのは、透析をしながら造影するしかない?また、どちらかというと、血液濾過(hemofiltration)のほうが、造影剤を抜ける。
 ・輸液:なるべく早くネフロンを通過させることが狙い。有用性が期待できるが、推奨される2㍑程度は実は糸球体濾過量から考えると微々たるものである。
 ・重曹:尿をアルカリ化し、円柱の形成を予防する。造影剤の投与(前後?)で尿pHを測定し、少なくとも3日間(どうしてだっけ…?)は必要に応じて継続。
 ・hANP:研究段階だそうです。髄質の血流を増加させる。近位尿細管でのナトリウムの再吸収を抑制し、集合管での水再吸収を抑制することにより、造影剤腎症を予防する可能性がある。


 ついつい、書きすぎてしまいましたしかも、項目の羅列で。興味のある方は、教科書をご覧下さい。または、第一三共の共催だったので、資料の取り寄せができるかもしれません。

 では、お付き合い下さりありがとうございました。

2008.07.21 海の日

2008年07月21日 12時19分44秒 | 波乗りなど
 海の日ということだったので、海に行ってきました。

 朝3時30分起きで、4時に集合。5時過ぎから海に入ってきました。
 台風スウェルを期待していったのですが、大ハズレ

 湖の様な水面にたまに来るウネリもせいぜい膝~腰セット腹程度…
 結構カタチが良かったので、まぁまぁ楽しむことはできたのですが。 

 キレイな朝焼けと、早朝のくっきりとした虹を見ることが出来たのが早起きのご褒美だったかな(写真が無くてごめんなさい)。

 なんと、オフタイム100個目の記事でした。

2008年度ミッドサマーセミナー とりあえずのご報告

2008年07月20日 21時04分49秒 | 研究会・学会
 昨日から、神戸ポートピアホテルで開催されたミッドサマーセミナーに参加してきました。

 まず。
 学会等はいつも連れて行ってもらってばかりなので、少しは覚えないといけないと思い、メモさせていただきます。

 佐賀~福岡~新神戸~ポートピアホテル(リムジンバスは20分毎)

 1日目の講演は、
 ・初心に戻って脳腫瘍を診断
 ・苦手な頭頚部を極める

 を聴いてきました。
 脳腫瘍の項では、DNT, PXA, Pilocytic astrocytomaの画像が難しかったので復習しなければ。
 頭頚部の項では、診断に最も重要な解剖をわかりやすく解説していただきました。そのうち、キレイな絵を作れたらアップして残そうかなと思います。疾患としては、頸長筋腱炎・腱炎が新しく知った事項でした。 
 耳鼻と臨床 53, 14-21. 2007に

 1日目の講演が終わった後は、三宮で飲み会でした。新しいプロジェクトを立ち上げた松尾先生の主催で、聖路加国際病院放射線科のDr.と飲むことが出来ました。残念ながら、途中でおなかを壊してしまったので、一次会で退席 しかし、齋田先生はじめ、みなさまウチの子の写真を「どうしても見たい」と仰るので、恥ずかしかったのですが、ついついお見せしてしまいました(誰も見たいなんて言ってませんでしたっけ?)。
 飲み会については、4次会まであったそうで、若者のパワーにびっくり。

 2日目の講演では、主に、
 ・骨軟部の画像診断のポイント
 ・腎臓、膀胱、尿管診断:入門編

 を聴いてきました。
 いずれも、なかなか自分で系統的に学ぶのが難しい分野なので、よい勉強になりました。個人的にはPapillary RCCはCT所見の復習が必要と感じました。

 そして、フィルムリーディング。
 なかなか確定診断に至らず、残念ながら、二匹目の泥鰌はいませんでした
 まぁ、クイズだから、と思ってもやっぱり悔しいものです。精進しなければ。
 ところで、発症機序からChiari Ⅱ型には髄膜瘤の合併が必発と思うのですが、通常診断としてはChiari Ⅱ型+髄膜瘤とするものなのでしょうか?

明日から

2008年07月18日 22時52分19秒 | オフタイム
 ①台風接近(直撃はないみたいですが)。

 

 

 本日は、昼間まとまった雨が降っていたので、比較的涼しい夕方でした(19時過ぎです)。いろいろな雲が重なり合う、ドラマチックな夕焼け空でした。まさに、台風が接近しているぞ、というような感じです。楽しみにしているサーファーもたくさんいるハズ(不謹慎な

 ②神戸でミッドサマーセミナーに参加。 

 佐賀から神戸までは特急+新幹線で3時間強。結構、佐賀はいろいろな所に交通の便が良いのです。また、のんびり本を読めるのが密かな(?)楽しみです。

 それでは、よい連休を。

2008.07.17佐賀胃懇話会

2008年07月17日 22時23分45秒 | 研究会・学会
 台風が近づいているせいか、夕方から一気に蒸してきました。

 本日は、大学で佐賀胃懇話会が行われました。
 どうも、ブログでの胃懇話会の報告は初のようです。同会は、内科・病理をはじめ、熱心な技師さんも参加される会です。

 今回の発表はいずれも珍しい症例で、大変勉強になりました。後々、報告されるかもしれないので要点を述べると、

 ・大きなXanthoma様の扁平な白色調隆起性病変では、一部に発赤部分などの異常部位をみとめる時には、癌を合併している場合がある。

 ・Double cancerが疑われる場合も、それぞれの病変を詳細に観察する(悪性リンパ腫の合併がごく稀にある)。

 いずれも病態は不明ですが、ピットフォールとして頭に入れておきたいです。同会では、非常に経験のあるDr.のコメントが聞けるのも、勉強になる点です。


 会終了後は、じん吉という店で懇親会があったのですが、本日はプチ・ショックニュースが入ったので(前から判っていたことですが)そのまま帰宅しました

初そうめん

2008年07月16日 07時03分10秒 | オフタイム
 暑い日がつづきます。いつの間にか、7月も半ばを過ぎてしまいました。今週末は神戸でミッドサマーセミナーですね。

 さて、先日の休みの日に、今シーズン初のそうめんを食べました。
 当直あけでへばっていたので、ヨメがふつうの冷やしそうめんではなく、具だくさんのそうめんを作ってもらいました。

 そうめんのレシピもいろいろあるのですが、まずは第一弾として
  
 納豆と豚バラ肉のそうめん

 をご紹介します。

 材料:そうめん、豚バラ肉薄切り、大葉、納豆(いずれも適当な量)
 調味料:めんつゆ、ごま油
 作り方:
 ①豚バラ肉は一口大、大葉は千切りにします。
 ②納豆はたれや芥子を入れてしっかり混ぜておきます。
 ③豚バラ肉はごま油で炒めて香りとコクを出します。とくに味付けは無しですが、めんつゆで炒め煮にしても美味しいかもしれません。さっぱりしたのが好きな方は、豚しゃぶ風にしてもよいかもしれません。
 ④そうめんをゆで、しっかりと冷水で締めます。
 ⑤器に盛ったそうめんに、豚肉、大葉、納豆をトッピングして、最後にめんつゆを回しかけます。

 以上。
 つるつる食べられる割に、しっかりと栄養もあるので夏バテ気味の時にオススメの一品です。
 そうめんの食べ方はいろいろあるので、ネタに困ったときにはこれで行こうかと思います。皆さんのご家庭ならではのそうめんがあれば教えてください。

スポーツ障害と外傷の画像診断

2008年07月15日 06時53分01秒 | 独断!放射線科医の推薦図書
 もうすぐ、北京オリンピックです。なんだか、毎年スポーツの祭典があるように感じるのは歳をとったせいなのでしょうか。

 さて、今回ご紹介するのは

画像診断 Vol.28No.8 (28)

秀潤社

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 特集「競技種目別スポーツ障害と外傷の画像診断」です。

 オリンピック種目から、日本の国技まで、そして成長期アスリート、中高齢者アスリート、女性アスリートまでそれぞれの病態に合わせて各記事がまとめられています。

 例を挙げると、

 P729-738 小橋ら バスケットボール,バレーボール:ジャンプと切り返し動作 
 には、前十字靭帯損傷、外側半月板損傷、ジャンパー膝などのなじみ深いものから、腹壁筋ストレインと言った聞き慣れないもの(勉強不足?)、各関節の腱の障害も解説されています。

 実習に来る学生さんと話をしていると、スポーツ医学に興味のある子が、結構たくさんいます。卒前や初期研修でも、知っておくと大きな武器になる分野です(まぁ、国試には出ないですが)。成書と比べてだいぶ安いし、手軽に読めるし、画像もキレイなので1冊もっていると後々まで使えること間違いないと思います!

 また、僭越ながら、普段骨・関節の疾患(腫瘍など以外)をみることが少ないけれど、バイト読影ではたまに遭遇することがある、という放射線科医にもオススメと思います。