5/6「死人に口アリ」
昔の言葉に
「死人に口無し」
と言う言葉がある。
多分この言葉の奥には、
仏教で言う所の
「死者と生者」
を区別する為の意味が込められていると思っている。
他の意味として、
日本古来の「言葉に対する霊的意味」
つまり、
言霊(ことだま)信仰なるものがあってのことだろうと思う。
憲法にも、
「知る権利」を補完するものとして
「生存権」がある。
つまり
「死人に口無し」なのだから、
生きてこそ、言論や知る権利が与えられる
と言う考え方のようだ。
しかし、
そうなると、
災害や戦争の映像で写される
「遺体写真」
はどうなのだろうかと考えてしまった。
そこで撮影された被写体は、
「言葉を発しないが、その時の状況や自分自身を物語っている」
のであって、
決して
「語っていない」
のではないと思うのである。
つまり、
遺体にも
「遺体の言い分」
があるのではないかと言う事である。
日本ではこのような考え方は不自然と思うらしいが、
以前、
書店で見た本のタイトルには
「死体は語る」
という様な題の本があった様に記憶している。
そうなると、
日本では余り見かけない、
災害時の「遺体写真」は
ある意味で報道性の価値のある物ではないかという理論が成り立つと思う。
しかし、
大手マスコミ界ではこの理論が余り通用しないようで、
ほとんどの写真はこの論理からすると
相反する「綺麗事」な写真になってしまうと思う。
事実とは
「ありのまま」
を世間に晒す事であって、
「汚い」とか「綺麗」と言う
しきりを設けてしまうと
偏向報道を生み易くなるのではないかと思う。
人間と言う生き物には必ず
「ウラとオモテ」があるのだから、
「遺体にも言わせて」あげないと、
「ウラ」
の部分が伝わらないのではないかと思うのは私だけだろうか。
と思っている。
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