4月26日月曜日。
もう歩くのはしんどそうだったから、
朝起きた時に、トイレシートの上まで連れて行きました。
シートの上で、すくッと立ったままで、
冷蔵庫の扉しかない正面を、嬉しそうに見ながら、
なぜか、しっぽをフルフル振り続けました。
市は、おいしいものをもらう前でも、ちょっと振ることはあっても、
しっぽをフルフルし続けることは、ありません。
唯一振るとすれば、とても好きなお友達、例えば、ゆらちゃんを見つけた時ぐらいでした。
しっぽのフルフルがやむと、へたり込んで、そのままおしっこと小さなウンチを出しました。
小さかったけど、とてもいいウンチでした。
水入れの前に連れて行くと、たくさん水を飲んで、
まだ、大丈夫だって、カアチャンをホッとさせました。
でも、朝ごはんは、お口に入れても、もう、一切ごっくんしませんでした。
この日も、獣医さんに連れていく予定でした。
会社を休もうか、朝まで悩んでいましたが、しばらくお休みしないといけないかもしれないから、
急ぎの仕事を済ませて、あとの仕事を引き継ぎに、
カアチャンは、会社に行きました。
仕事して、10時半ぐらいに会社を出て
家に帰る前に、もう食事を作っていられないかもしれないから、
コンビニでごはんを買って、
獣医さんの帰りでもよかったのに、車に置いてけぼりされるのが、
市は、大嫌いだったから、先に寄ってから帰ったけど、
もしかしたら、わずかだけど、間にあったかも。
家に帰って、市のいるいつもの部屋で、
市は、死んでいました。
市は、黄色のお気に入りのベットに、
お気に入りの青いフリースの上に寝かせてから、出かけましたが、
いつものように、ベットの上に置いた敷物を蹴り飛ばして、
いつものように、敷物は、畳まで吹っ飛ばされていて、
蹴っているうちに、お尻がベットから落っこちて、
そのまんまで、死んでいました。
大声で叫んで呼んで、抱き上げて、
まだ、暖かくて、やわらかくて、
また、心臓は動き出しそうで、
でも、瞳は、もう、明かりが消えていました。
書いておこうと思っていたのですが、
もう一月以上たってしまいました。
市は、カアチャンには想像できないぐらい、
苦しかったはずです。
でも、最後まで、市は、市でした。
そばにいてあげたかった。