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89歳のシスター・鈴木秀子「悩みを溜め込まずに吐露することが、心安らかな人生の第一歩」

2021-08-28 10:00:00 | 日記

下記は婦人公論jpオンラインからの借用(コピー)です

〈NHK『シブ5時』に登場〉修道士として、50万人の悩みに向き合ってきた鈴木秀子さん。悩みを受け止める側だからこそ、ご自身の心身の健康にも気を配っているそう。鈴木さんが明かす「機嫌よく」いられる秘訣とは(構成=丸山あかね 撮影=本社写真部)
心安らかに暮らせるのは自分次第
私は仕事柄、日々たくさんの相談を受けます。時には世間的に大成功をおさめている方からも。周囲から羨望の的になる人も、人知れず苦悩を抱えているのです。
しかも、程度の差こそあれ、私たちは死ぬまで不安や苦しみから逃れることができません。人はみな、いくつもの苦難を越えながら成長を遂げるように作られているのですから。悩みやつらい経験は、神様が私たちに与えてくださる成長のチャンス、人生の恵みなのです。
とはいえ、苦しいばかりではたまりませんね。でも大丈夫です。自分次第で心安らかに暮らすことができます。私は「苦しい時ほどあえて機嫌よくいるようにしましょう」と提唱しています。
不機嫌でいても現状が好転するわけではありません。そればかりか、誰かに八つ当たりをすれば喧嘩になるかもしれないし、自分を責めればうつ状態になってしまうかもしれません。つまり、原因とは別の苦しみに見舞われてしまうのです。
では、どうすれば苦しい状況であっても気持ちをコントロールできるのか――もっとも効果的なのは、悩みを溜め込まずに吐露することだと思います。
これは、意地の悪いお姑さんとの関係性に悩んでいた女性の話です。私は相談を受ける時には、傾聴に徹すると決めています。この時も黙って聴いていたところ、彼女はお姑さんからどんな嫌がらせを受けてきたかについてとうとうと私に話し続けました。
ところが40分ほどが経過した頃、フッと「でも私も悪いんです」と切り出したのです。実は、ここからが私の出番。「なぜそう思うのですか?」と投げかけると、彼女は「私も意地になっていました」と。
そこから「私たちは似た者同士だから、お互いの欠点が目につくのかもしれません」と自己分析を始め、「今後は義母に寄り添ってみます」と続きます。そして最後には、「ありがとうございました。おかげでスッキリしました」と帰って行きました。
私は彼女に何も伝えていないのに(笑)。必要なのは、助言ではなく、聞いてあげることなんですね。
人の心は、毒を出し切れば、清水が湧くように自然と清らかなものへと転換します。そして、清らかな心で過ごす気持ち良さに目覚めれば、もっと優しくなろう、もっと忍耐強くあろうと決意する。これが心安らかな人生の第一歩となるわけです。
人に話すのが嫌なら、ペットに語りかける。独り言でもいいでしょう。出すことのない手紙をしたためるのも一案だと思います。

「ありがとう」は奇跡を起こす言葉
新型コロナウイルスの影響で、私たちのライフスタイルは一変しました。そうしたなか、夫と過ごす時間が長くなり、ストレスが沸点に達しているといった妻からの相談があとを絶ちません。
些細なことでイラッとする自分に落胆してしまう、という方が目立つのですが、ネガティブな感情を抱いてしまうのは仕方のないこと。私もカチンとくることはあります。そんな時は「今、カチンときているな」と思うに留め、自分を責めたりはしません。
たとえ怒りであっても、感情が動くのはありがたいもの。そしてネガティブな感情が増幅する前に、心の中で「ありがとうございます」を繰り返すのです。なぜ、誰に対して感謝するのか、などということは考えず、ひたすら唱え続ける。すると心が満たされてきて、気づけば穏やかな気持ちになっている。「ありがとう」は奇跡を起こす言葉なのです。「こんなに家族のために尽くしているのに、誰にも感謝されない」と嘆く方も少なくありません。そうした方には、他者から褒められることを期待しないでください、とアドバイスをします。
自分のことは自分で褒めればよいのです。「今日も自分のやるべきことはやった」と自分を認める気持ちは、「今日も昨日と変わらない一日を送ることができた」という感謝の気持ちとつながっています。感謝の気持ちが芽生えれば、明日もきっといい日になります。
誰の人生にも光と陰があり、そのどちらも受け入れながらバランスをとって生きていくことが、幸せの本質です。幸せに生きるためには、自分の中心軸をしっかりと持つことが大切。自分は自分のままでいい、と思えると、安心感が生まれます。
誰かと自分を比べないこと、人の価値観に翻弄されないこと、そして常に自分の心を客観的に見守っていること。といっても自分を縛ってしまうと苦しくなりますので、どこまでできるか、ゲーム感覚で楽しみながら習慣化していくとよいでしょう。
最後にもう一つ。神様は私たち一人ひとりに、大きな愛を注いでくださっています。このことを信じて前向きに生きていれば、つらい出来事も良い方向へと流れていくのです。みなさまの毎日が心安らかなものでありますようにとお祈りしています。
機嫌よくいれば、だいたいのことはうまくいく。
作者:鈴木秀子
出版社:かんき出版
構成: 丸山あかね
撮影: 本社写真部
出典=『婦人公論』2021年5月25日号
鈴木秀子
聖心会シスター
1932年静岡県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。フランス、イタリアに留学し、ハワイ大学、スタンフォード大学で教鞭をとる。聖心女子大学教授を経て、国際コミュニオン学会名誉会長。近著に『機嫌よくいれば、だいたいのことはうまくいく。』(かんき出版)



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