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眞子さま・小室さんに提案したい、「税金を使わない皇族」という新しい選択肢

2021-04-19 11:00:00 | 日記

下記の記事は現代ビジネスからの借用(コピー)です

「税金を使う」ことへの大きな非難
平成29(2017)年9月、眞子内親王殿下と小室圭さんの婚約内定が発表された。その後、翌秋には結婚されるものと思われたが、周知のように小室家側の事情により、いまだにほとんど進展がみられない。
殿下のご結婚問題がワイドショーや週刊誌に取り上げられているのを見るたびに、筆者は昭和天皇の末弟・三笠宮崇仁親王が戦後間もない頃に書かれた「新憲法と皇室典範改正法案要綱(案)」を思い出す。
三笠宮崇仁[Photo by gettyimages]
そこで表明されたのは、女性皇族はもちろん、皇位継承権をもつ男性皇族ですら自由結婚とすべきだという見解である。同意見書は、婚姻について「若しどうしても皇族に信用がない場合でも親たる皇族の同意に止めたいものである」と締めくくっている。
件の騒動について、その「親たる皇族」にあたる秋篠宮殿下も、日本国憲法に沿うように当人の意思を尊重したいとお考えのようだ。令和2(2020)年のお誕生日に際し、殿下はこう述べられた。
「憲法にも結婚は両性の合意のみに基づいてというのがあります。本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきものだというふうに考えています」
小室さんは手放しで賞賛できる人物ではないのかもしれない。それでも他人が愛をむりやり引き裂くことはできないと思うのだが、国民の間には反対の声がかなり根強くある。
将来即位される見込みの悠仁親王殿下への悪影響などを懸念する者もいるが、最も多い反対理由は、「疑惑が晴れない小室さんに血税が渡るのは許せぬ」というものだろう。それゆえだろうか、少なくない週刊誌が皇籍離脱時の一時金の減額・辞退の可能性に触れている(https://www.news-postseven.com/archives/20181018_784159.html?DETAIL)。
同時に現在、公務の担い手減少に対処するために「女性宮家」創設を求める声が高まっている。これが仮に実現した場合、小室さんが皇室入りすることも考えられるが、国民の反発は今までの比ではないだろう。降嫁時の一時金とは違い、毎年の皇族費は減額・辞退できるものではないからだ。
しかし海外に目を向ければ、そもそも国庫から生活費を受け取らず、自ら生計を立てて暮らしている王族も多い。皇室への税金投入が良くも悪くも国民の関心を集めている今だからこそ、海外王室も参考にしつつ、皇室に関する制度について改めて考えてみたい。
ヨーロッパには「歳費なし」の王族も
皇族はみな税金で生活されるのが当たり前だと多くの日本人は考えているかもしれないが、先述のようにヨーロッパでは歳費を受け取らない王族も珍しくない。
たとえばイギリスでは、王位継承権をもつ者が数千人いるが、その大部分は歳費とは無縁だ。最近お騒がせのヘンリー王子のように、公務に専従しない王族は支給対象とならないのである。
ヘンリー王子とメーガン妃[Photo by gettyimages]
スウェーデンでは2019年に、カール16世グスタフ国王の孫7人のうち、王太子の子でない5人には歳費を与えないという決定がなされた。同国では、「王室の人数の増加に厳しい目が向けられて」いたという
またデンマークでは、歳費を全員支給されるのは王の子までだ。孫世代になると、成人するまでは支給されるものの、成人後も支給されるのは未来の君主となるであろう王太子の長子のみである。現女王マルグレーテ2世の次男ヨアキム王子の長男ニコライ王子はモデルとして活動していることで有名だが、これは働かねば食べていけないからだ(https://globe.asahi.com/article/12050383)。
デンマークのニコライ王子[Photo by gettyimages]
オランダでは、現在歳費を受け取っているのは国王夫妻、そして前女王の3人のみである。2021年12月には18歳に達するカタリナ=アマリア王太子も受給対象となる見込みだが、それを考慮しても驚くほどの少なさだ。
オランダ王室一家。中心がウィレム=アレクサンダー国王で、左から2人目がカタリナ=アマリア王太子[Photo by gettyimages]
ベルギーでは2014年に、歳費を受け取れる王室メンバーを元国王・国王・王太子とその配偶者たちに限定した。移行措置として現フィリップ国王の弟妹には支給が続けられているが、長女エリザベート王太子の弟妹は自立せねばならない。また、王太子は成年に達しているものの、公務にまだ従事していないので受給を辞退している。
ベルギーのエリザベート王太子[Photo by gettyimages]
傍系王族は食い扶持を自分で稼がねばならない。そんな現代ヨーロッパの感覚からすれば、皇室の全構成員に皇族費を支給している日本はむしろ「異様」に映るかもしれない。あちらの基準では、眞子内親王殿下どころか皇女の愛子内親王殿下ですら、未成年だという理由で支給対象とならない可能性があるのだ。
嘉例とは到底いえないものの、日本にも皇族自活の先例がないわけではない。赤坂恒明『「王」と呼ばれた皇族:古代・中世皇統の末流』(吉川弘文館、2019年)を読めば、往古の傍系皇族がどんな地位にあったかがよくわかる。社会構造の変化により俸禄の支給が滞ったがゆえのことだが、平安中期以降には、格下であるはずの藤原氏の家司になることで生計を立てる皇族(保季王など)もいたのである。
そこで、わが国も自活する皇族というものを考慮してみてもよいのではないだろうか。傍系皇族への皇族費支出を一律でやめようというのではない。受け取らないという選択もできるようにしようということだ。
平成28(2016)年8月8日、在位中の上皇陛下によるビデオメッセージが公開されたが、その中にはこんなおことばもあった。
「日本の皇室が、いかに伝統を現代に生かし、いきいきとして社会に内在し、人々の期待に応えていくかを考えつつ、今日に至っています」
民間に皇位継承権保持者が普通に溶け込んでいる様子は、「いきいきとして社会に内在」する皇室の極致だといえるかもしれない。
2016年8月8日にビデオメッセージでおことばを発表された上皇陛下[Photo by gettyimages]
皇族費の支出が、かえって裏目に?
家計に余裕がないからと産む子どもの数を制限したり、子どもを持つこと自体を諦めたりする家庭は世にごまんとある。その点、皇室は少なくとも経済的には安定しているのだが、戦後の后妃の生涯出産数は一般家庭となぜか大差ない。
ご多忙や衆人環視によるストレスなどの影響も考えられ、本当の理由は定かではないが、税金での生活を保障されているため逆に遠慮されているのかもしれない――という考え方もできる。
平成21(2009)年、秋篠宮殿下はお誕生日に際しての記者会見で、次のように述べられた。
「いろいろな仕事、それから役割が、だんだんそれを担う人が少なくなるということはありますけれども、国費負担という点から見ますと、皇族の数が少ないというのは、私は決して悪いことではないというふうに思います。」
戦後の皇室の方々は、税金で生活していることを強く意識されている。昭和天皇が新宮殿建設になかなか首肯されなかったことは有名だ。その血を色濃く受け継がれてか、秋篠宮殿下も殿邸の改修工事に対して、長年「より古い宮邸の改修優先を」「社会情勢に鑑みて控えて」と消極的な態度を取られていたという(https://www.asahi.com/articles/ASM267RJMM26UTIL094.html)。
皇室の倹約は納税者を慮られてのことだろうが、ここで気になるのが三笠宮家の寛仁親王が生前に語っておられたことだ。
三笠宮寛仁親王[Photo by gettyimages]
「私の姉妹弟たちも、それから二人の娘たち(彬子女王、瑶子女王)も経験しているはずですが、学習院の初等科時代、クラスメイトから、『お前たちは税金で食わせてやっているんだ』という嫌味なことを言われるのですよ。今の私なら、『何言ってやんでぃ、おめえの税金じゃなくて、親父が払っている税金だろう』と言い返すこともできますが(笑)、小学生ではそうもいかず、ショックを受けて帰ってきました」(『文藝春秋』平成18年2月号)
こんな「通過儀礼」を経験されたとすれば、税金生活を強く意識されるのも当然である。「子供は大勢のほうがいい。笑顔の絶えない家庭にしたい」とおっしゃった高円宮のような例もあるにはあるが(高円宮妃 久子『宮さまとの思い出』、扶桑社)、一人あたり毎年数百万円もかかる子を多く持つことを遠慮されたとしても不思議はない。
それどころか、深刻なトラウマを抱える方が出てもおかしくない。実際、寛仁親王は次弟のこんなエピソードを明かされた。
「私が結婚する時、弟(桂宮)がかみさん(信子妃)に、『どうしてあなたは兄貴と結婚するんだ』と聞いたそうです。弟は日頃から、皇族が結婚することは苦しむ人間を一人増やすことだから自分は結婚しないと述べていました」(同上)
桂宮は学習院中等科時代に「税金で生活しているくせに」と言われたことを終生思い悩まれたそうだ。また、「皇族ゆえに責任ある仕事をさせてもらえぬ」ことに失望されていたともいわれる(https://dot.asahi.com/wa/2014061800098.html?page=1)。
皇族にも独身を貫く自由はおありになると思う。同時に、こうも思うのである。もし税金に頼らずにすむという道があったなら、もし皇族でも一般人と同様に仕事をするという道があったなら――別の人生を歩まれた方もいらっしゃるかもしれない、と。
「自活する皇族」という選択肢
女系継承を認める、女帝や女性宮家を認める、旧宮家を復活させる。――さまざまな提案があるが、いずれにせよ皇室典範の改正を避けては通れない。めったにない機会だから、どうせなら小手先の仕事に終わらせず、大局的な制度設計をしてほしい。
今は皇族減少が問題になっているが、逆に将来増えすぎる可能性も皆無ではない。女系を認めた場合などは特にそうである。その時には、スウェーデンのように財政的観点から問題視する意見も出るかもしれない。事実、昭和43(1968)年には受田新吉・衆院議員(民社党)がこう懸念を示している。
「皇族があまりに多くなられると、国家がその御負担をしなければならぬということになるわけです。(中略)経費がずぼらにどんどんふえてくるということでは、皇室に対する国民の尊敬というものにもひびが入る危険が将来あると私は思う」(第58回国会 衆議院 内閣委員会 第8号 昭和43年4月3日)
これには皇籍離脱という解決策もあるが、昨今の旧宮家復活論をみると、万一の際の皇籍復帰の困難さが予想される。今年2月26日、立憲民主党の津村啓介衆院議員が「門地による差別を禁じた憲法上、皇籍等への復帰は許容されるか」と内閣法制局に質問したように、皇籍復帰は違憲の可能性すら懸念される。
そもそも旧宮家の人々が、戦後民間人になった原因の一つは、戦前と同規模の皇室を財政的に維持できなくなったことである。昭和22(1947)年10月13日の皇室会議で、議長たる片山哲首相はこう説明している。
「新憲法による皇室財産の処理及びこれに関連する皇族費等諸般の事情から致しまして、この際これらの方々の皇籍離脱の御意思を実現致しますことが適当であるという状況にあると考えられるのであります」
片山哲首相[Photo by gettyimages]
今更言っても仕方がないが、もしも自活を認める制度が当時あったのなら、旧宮家はそもそも皇籍離脱までせずとも済んだかもしれない。そう考えると、一応は先例もあることだし、自活する皇族という枠を設けるのも悪くはあるまい。
誤解のないように書き添えるが、拙文は眞子内親王殿下のご結婚問題が執筆のきっかけではあるものの、特定の皇族に対して「皇族費を辞退すべき」などと申し上げるものではない。考えなしにヨーロッパにならう必要はないが、天皇陛下がご関心を持たれているといわれるSNSの活用なども含めて、かの地に学ぶべき点は少なくないのではないだろうか――。



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