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雨の歌舞伎座へ来た。前の通りに人通りは少なく写真を撮るには雨はありがたい。
本日初日。今回、盛綱陣屋が見たかったので夜の部を取りたかったんだけどあっという間に土日の3B完売。いつもなら日曜は昼が売れて夜があまるんだけど、演目出演者によるのか。
そんな中、初日の3Aだけ辛うじてチケットが残ってたので滑り込んだ。
ロビーには夜の部出演寺嶋眞秀くんの母、寺島しのぶさんがいた。
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三月大歌舞伎3月3日本日初日夜の部。
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席は3A下手より6000円なり。当然3Bより舞台は近いが、傾斜がなだらかなせいか、前の人の胸先三寸でまったく花道が見えなくなる。
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〈盛綱陣屋〉
事前にストーリーは把握して望んだが最初の場など、細かいところで何を言い合っているのかわからないところもあって、イヤホンガイドを借りればよかったと思った。
さて、感想としては勘太郎の演技に尽きる。といったところ。
もちろん仁左衛門の各場で見せる様々な表情、セリフ回し、老婆の難役三婆の一人微妙役の秀太郎の孫に切腹を詰め寄る苦悩の演技も良かったし心打たれた。
8歳になったばかりの勘太郎の演技。細かい足の運びなどの所作、長い出演時間に多いセリフ、しかも祖母に切腹を迫られ、決意をするも母が現れ迷う心。最後は父の首とされる首を見て、ホントに父の首と思って殉死したのか、それとも偽首と知って父を助けるためかついに詰め腹を切る。この難役を勤める姿。一体この年でどうすればここまで自分を鍛えることが出来るのか、感動した。
ストーリーの途中では陣屋へ注進が。やって来るたびキャラに合った舞踊を待っていく様はダンスバトルを見ているようだった。
花道の入口に立ち、型を決める左團次の見開いた目玉や強く交差させた手首の力みには双眼鏡で見入ってしまった。
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〈雷船頭〉
女船頭に猿之助、雷に弘太郎。
雷がジャンプして降り立った時、の太鼓が一つがぽろりと落ちたり、さらに雷の腕輪が落ちたり。初日ならではのハプニングか。
天保十年初演。そんな大昔にドリフのコントのような雷の造形が出来てたってこと!? ちょっとびっくり。
雷衣装、筋肉を図案化した模様など、ウルトラマンの模様の元祖にすら思える。
舞踊の方はコミカルな演目で見ていて楽しいし、やっぱり歌舞伎の舞踊はすごいといつも思う。
猿之助は女形でもなんともいえないいい表情。
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〈弁天娘女男白波〉
以前、菊五郎のまさに円熟の弁天小僧を見たが、幸四郎の弁天小僧も充分楽しめた。セリフ回しに関してはは菊五郎の方が好みだけど、見た目のイメージは幸四郎の方がいい感じ。
あと猿弥の声量充分の南郷力丸も魅力度高かった。
白鸚の日本駄右衛門はさすがに風格があった。
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