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5月大歌舞伎に行けなかったので久しぶりの歌舞伎鑑賞に国立劇場へ出かけた。
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初めて「歌舞伎鑑賞教室」を鑑賞。6月23日11:00の回。
「歌舞伎鑑賞教室」は国立劇場で定期的に行われている。敷居の低い公演だ。
学生なら一等席でも1500円。一般も一等で4000円。二等で1800円。こんな機会に一等で間近に役者を見ればいいものの、貧乏性で二等を取ってしまった。
「歌舞伎鑑賞教室」では中とじ8ページのパンフレットまで付いて、公演前には役者によるわかりやすい歌舞伎解説もある。日曜でも空席があって当日券でも見られるし、初心者には敷居が低く、お薦め。ちなみに来月も「歌舞伎鑑賞教室」がある。
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席は二階の最前列を取った。
花道の芝居がよく見える良席。
〈解説 歌舞伎のみかた〉11:00~11:30
虎之介による初心者向けの歌舞伎解説。
歌舞伎公演では聴いたことないようなおしゃれなBGMに乗って魅せる証明で舞台のギミックを存分に見せるOP。
虎之介はTシャツにパンツというカジュアルな服装でその舞台上に。
音楽と動きが終ると、これが回り舞台、セリ、黒みすなどと解説。
そして歌舞伎幕開きの演奏から、浜辺の音や波の音などを解説した流れでおどろおどろしい演奏に。
その演奏に合わせて花道のすっぽんから虎之介登場。お化けの扮装を解くと歌舞伎役者らしい着物姿で解説。
黒子や竹本の説明。また今回の公演では竹本の歌う歌詞が舞台両端に据えられた電光掲示板に表示されるとのこと。↓
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実際、公演での字幕はとても判りやすかった。
舞台上には2名の一般の女性もあがり、歌舞伎体験。
花道、ツケ、見得の説明、一般の参加者も見得を体験。
そここに旅の姫と局が通りすがり、女形の説明。
さらに山賊が現れ一行を襲う、一般の参加者をも庇う局が凛々しかった。
山賊が謎の電気ショックで退治されるると一般の方も退場。
舞台には電気ショックの元、エレキテルを持った平賀源内が。今回の公演の作者(福地鬼外のペンネームで)なので、演目の解説。おおまかに言うと一途な恋の物語。
そして1分間の撮影タイム。
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左・いてう、右・虎之介。
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歌舞伎鑑賞教室ならではの一幕。
休憩20分を経て演目へ。
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〈神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)頓兵衛住家の場〉11:50~13:05
新田義貞の時代。義貞の三男・義峰は恋人・うてなと共に一夜の宿を求めて矢口の渡し守の屋敷へ。
宿屋じゃないと拒んでいた屋敷の娘・お舟は義峰に一目惚れ、泊めることを即決。
一方、留守にしていた主人・頓兵衛と下男六蔵はすでに義峰の兄・義興を打ち、義峰の命も狙っていた…
壱太郎のお舟、義峰に一目惚れしたときの高揚感、連れのうてなと義峰の関係が気になる女心、そしてうてなが妹(それは方便)と知った時の浮かれよう、実に生き生きしていた。
やがて頓兵衛が帰ってからの父に刺された悲劇、そりの美しさ、義峰を逃がすためにもう事は済んだ合図となる太鼓を打ちに行く様を人形振りの演技、最後の父との対決、本当に見応えあった。
人形振りは初めて見たが、人形遣いと足拍子三人掛かりでお舟人形を動かす設定。下手の足拍子と上手のつけ打ちのセッションとも言える打ち合わせにはゾクゾクした。
頓兵衛の蜘蛛手蛸足と言われる花道の引っ込みもじっくり見られたし、お舟にたぶらかされる下男六蔵のコミカルな演技も良かった。
一時ちょい過ぎに終ったので、裏手にある伝統芸能情報館にも初めて寄ってみた。
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かぶき入門開催中。
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化粧道具などを間近で生で見られて、なかなか良かった。
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