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6者協議がここにきて足踏みしている。
ため息が出るけれども、交渉事であるから紆余曲折があるのは仕方がないと一旦はそう思うことにしよう。
で、つくづく思うのは、朝鮮半島の非核化については私も願うものだけれど、米国の核については何故黙認されていいのだろうかという根本的な問題だ。
北の立場からすれば、この半世紀以上にわたる異常な国家関係を正常化するというのが外交上の最大の目的であるはずで、そのための『核カード』。
北が核保有国になったと宣言した背景には、米国を交渉の場に引き出すことが目的であったと思われる。
米国が譲歩を重ねているという批判があるけれど、米国の立場からして、北の核廃棄と引換えに国交樹立をする、ぐらいのことがなぜ言えないのか。
それぐらいの大胆な提案がありさえすれば、こんなにだらだらと交渉を続けることもない。北も核開発の名分を失う。
その背景には、東アジアの安全保障体制を改編することについて、『同盟国』との合意が間に合っていないことにあるのではないだろうか。
その同盟国の名前は、もちろん日本である。
written by maneappa
http://www.chosunonline.com/article/20080828000040
【核問題:「北朝鮮の核無能力化中断は想定内】
2008/08/28 11:21:24
「北朝鮮は、最初からそう簡単に核施設の無能力化に対する検証を受け入れるつもりはなく、無能力化措置の中断および原状復旧の主張は、すでに予告されていた脱線事項だった」。北朝鮮が26日、外交部報道官の声明を通じて無能力化中断を宣言したことに対する韓国政府の反応だ。
政府の高位関係者は27日、「昨年10月3日に2段階目の履行措置に合意した当時から、北朝鮮の検証拒否は予想されていた」と話した。「そのころ韓国と米国は北朝鮮に“無能力化の直後に検証を義務化”という項目を盛り込むよう要求したが、北朝鮮がこれを拒否。結局は6カ国協議の崩壊を阻もうと曖昧な表現で合意に至ってしまったため、こうした衝突はすでに予想されていた」というのだ。
非核化原則の宣言文に当たる2005年の9・19共同声明には、「検証可能な非核化」という内容が盛り込まれている。また、寧辺核施設の閉鎖・封印に合意した昨年の2・13(1段階目)の履行措置には、合意の履行を検証するために国際原子力機関(IAEA)の要員が現地で確認作業を行うという内容が明記されている。
しかし、2段階目の履行措置である「無能力化」に関する昨年の10・3での合意文では、北朝鮮の無能力化と核プログラムの申告義務だけを規定したに過ぎず、1段階目のときのような具体的な検証方法に対する合意が欠けている。
当時こうした不十分な合意が成立した背景について、政府の高官は「北朝鮮核問題の解決を外交的成果としようとした米国務省と、10月4日の南北首脳会談を控えて北朝鮮核問題に対する負担を減らそうとした韓国政府の苦肉策だ。当時の実務者はすでにこうした状況を見据えていた」と説明している。
しかし、外交部の当局者たちは「北朝鮮が合意文の内容だけを見て検証を拒否するというのは話にならない」としている。「合意の精神に照らし合わせた場合、“申告”と“検証”はコインの表と裏のような関係で、当然伴うべきものだ」というのだ。また「内容通りなら、テロ支援国家からの指定解除も“解除するための過程を開始する”となっているため、北朝鮮が米国に“われわれは義務を果たしたのだから、米国も指定を解除しなければならない”という言葉も成立しない」とみている。
北朝鮮が無能力化措置の中断を宣言した26日以降も、米国と北朝鮮は水面下の接触を続けているという。政府の当局者は「米国は、核の疑いが持たれている施設全体に対する視察や、申告されていない施設への接近などを要求しているが、現段階での問題の核心は寧辺核施設に対する分析だ」と話している。
また、米国側の消息筋も「過去に北朝鮮が生産したプルトニウムの量とその過程を把握することができる資料の引き渡しだけでも北朝鮮が受け入れるなら、今回の峠は越えることができるし、米国も前向きな措置を取ることができる」とみている。
当局者たちは今回のことで、米朝が6カ国協議のフレームを崩す可能性は低いとみている。適当な線で米朝が妥協し、ほかの検証問題は次の段階への移行措置についての交渉で行うとの見方だ。しかし北朝鮮は、韓国国内の米軍基地視察、韓国が過去に核開発を行ったデータの検証などを交換条件として挙げている。このように北朝鮮核問題は、たとえ今回の峠を越えたとしても、歩むべき道のりは長い。
権大烈(クォン・デヨル)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます
ため息が出るけれども、交渉事であるから紆余曲折があるのは仕方がないと一旦はそう思うことにしよう。
で、つくづく思うのは、朝鮮半島の非核化については私も願うものだけれど、米国の核については何故黙認されていいのだろうかという根本的な問題だ。
北の立場からすれば、この半世紀以上にわたる異常な国家関係を正常化するというのが外交上の最大の目的であるはずで、そのための『核カード』。
北が核保有国になったと宣言した背景には、米国を交渉の場に引き出すことが目的であったと思われる。
米国が譲歩を重ねているという批判があるけれど、米国の立場からして、北の核廃棄と引換えに国交樹立をする、ぐらいのことがなぜ言えないのか。
それぐらいの大胆な提案がありさえすれば、こんなにだらだらと交渉を続けることもない。北も核開発の名分を失う。
その背景には、東アジアの安全保障体制を改編することについて、『同盟国』との合意が間に合っていないことにあるのではないだろうか。
その同盟国の名前は、もちろん日本である。
written by maneappa
http://www.chosunonline.com/article/20080828000040
【核問題:「北朝鮮の核無能力化中断は想定内】
2008/08/28 11:21:24
「北朝鮮は、最初からそう簡単に核施設の無能力化に対する検証を受け入れるつもりはなく、無能力化措置の中断および原状復旧の主張は、すでに予告されていた脱線事項だった」。北朝鮮が26日、外交部報道官の声明を通じて無能力化中断を宣言したことに対する韓国政府の反応だ。
政府の高位関係者は27日、「昨年10月3日に2段階目の履行措置に合意した当時から、北朝鮮の検証拒否は予想されていた」と話した。「そのころ韓国と米国は北朝鮮に“無能力化の直後に検証を義務化”という項目を盛り込むよう要求したが、北朝鮮がこれを拒否。結局は6カ国協議の崩壊を阻もうと曖昧な表現で合意に至ってしまったため、こうした衝突はすでに予想されていた」というのだ。
非核化原則の宣言文に当たる2005年の9・19共同声明には、「検証可能な非核化」という内容が盛り込まれている。また、寧辺核施設の閉鎖・封印に合意した昨年の2・13(1段階目)の履行措置には、合意の履行を検証するために国際原子力機関(IAEA)の要員が現地で確認作業を行うという内容が明記されている。
しかし、2段階目の履行措置である「無能力化」に関する昨年の10・3での合意文では、北朝鮮の無能力化と核プログラムの申告義務だけを規定したに過ぎず、1段階目のときのような具体的な検証方法に対する合意が欠けている。
当時こうした不十分な合意が成立した背景について、政府の高官は「北朝鮮核問題の解決を外交的成果としようとした米国務省と、10月4日の南北首脳会談を控えて北朝鮮核問題に対する負担を減らそうとした韓国政府の苦肉策だ。当時の実務者はすでにこうした状況を見据えていた」と説明している。
しかし、外交部の当局者たちは「北朝鮮が合意文の内容だけを見て検証を拒否するというのは話にならない」としている。「合意の精神に照らし合わせた場合、“申告”と“検証”はコインの表と裏のような関係で、当然伴うべきものだ」というのだ。また「内容通りなら、テロ支援国家からの指定解除も“解除するための過程を開始する”となっているため、北朝鮮が米国に“われわれは義務を果たしたのだから、米国も指定を解除しなければならない”という言葉も成立しない」とみている。
北朝鮮が無能力化措置の中断を宣言した26日以降も、米国と北朝鮮は水面下の接触を続けているという。政府の当局者は「米国は、核の疑いが持たれている施設全体に対する視察や、申告されていない施設への接近などを要求しているが、現段階での問題の核心は寧辺核施設に対する分析だ」と話している。
また、米国側の消息筋も「過去に北朝鮮が生産したプルトニウムの量とその過程を把握することができる資料の引き渡しだけでも北朝鮮が受け入れるなら、今回の峠は越えることができるし、米国も前向きな措置を取ることができる」とみている。
当局者たちは今回のことで、米朝が6カ国協議のフレームを崩す可能性は低いとみている。適当な線で米朝が妥協し、ほかの検証問題は次の段階への移行措置についての交渉で行うとの見方だ。しかし北朝鮮は、韓国国内の米軍基地視察、韓国が過去に核開発を行ったデータの検証などを交換条件として挙げている。このように北朝鮮核問題は、たとえ今回の峠を越えたとしても、歩むべき道のりは長い。
権大烈(クォン・デヨル)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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