さるみみ屋

夫サボさん、私さるみみと2000年生まれ長男コナンくん
2004年産次男エナリくんとの「人生楽ありゃ苦もあるさ」日記。

「長いお別れ」読了

2018-10-16 20:30:15 | さるみみ文庫2018
「ちいさいおうち」の中島京子の作品。
最初はサボさんが「これ読んでみたいと思ってたんだよね」と言って文庫を買って
「よかったよ~」なんて話をしていたので、私もその後読んだという流れ。

認知症を患った男性の家族の視点で描かれているもので、妻からの視点だったり
娘が3人いるんだけど、それぞれの娘たちの視点、孫からの視点などがあって、
認知症を発症して亡くなるまでの10年を追ったというのが内容。

トータルの印象としては暗く重くなりすぎず、そして優しい視点で書かれているな、と。

もちろん3人の娘はそれぞれ既婚者、独身者、海外在住と立場も違うので考え方も違う。
妻も若い頃は優しくて良妻賢母だったろうに、と思わせつつも今は一人で主に夫の介護をしているので
イライラしているときもあるし、ぐったり疲れていることもあるし、気持ちの波も
あったりするわけだ。
でも、認知症患者の介護、という特別な意識で読む必要もないくらい
よくある家族のもめごと的に「そっか~、大変だよね」と思わず口に出てしまうほど
温かさがあって、読後感が悪くなかった。

まあ、認知症患者が家族にいる人にとっては「全然生ぬるいって」と思われそうだけど
小説がノンフィクションみたいな切り口である必要もなく、
読み手に何かしらの考えが伝えられればそれでいいんじゃないかな~

なかなか良かったと思う。
ただし、最後にアメリカに暮らす孫が学校の校長室に呼び出されて校長先生と話をする場面があって
そこで主人公である祖父が死んだことを校長先生に伝えるという流れで終わりなんだけど、
それって本当にここでいいの?ってちょっと思ったかも。

認知症が題材になっている本は他にも「博士の愛した数学」やら荻原浩の「明日の記憶」なんかもあるけど
私は荻原浩の「明日の記憶」の方が良かったかな。

このところ教科書ばかりだったので、小説が嬉しいわ。
次もまた小説に手を出すことに決定!
10月はまだもう1、2冊読みたい!!


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